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数奇な運命を経て、一般人が宿泊できるようになった「那須高原山房 小啄木」。客室は3室と少なく、優しい ...
四方を山々に囲まれた長野市で、特に存在感を発揮している飯縄山。その支峰の瑪瑙(めのう)山と怪無(けな ...
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「もし、よろしければ…」とチェックイン時に放たれる、魔法の言葉。ご褒美ともいえる、無償のアップグレー ...
【旅記事】那須x1日3組:森と鳥に囲まれた「那須高原山房 小啄木」

【旅記事】那須x1日3組:森と鳥に囲まれた「那須高原山房 小啄木」

数奇な運命を経て、一般人が宿泊できるようになった「那須高原山房 小啄木」。客室は3室と少なく、優しいご夫婦によって営まれています。

那須高原の中腹にあるロッジ

避暑地や御用邸で名高い栃木県の那須に位置し、東北道の那須ICから約20分。最寄りバス停まで来ればお迎えも頼めます。

「迷いませんでしたか?」と優しく気づかうお父さんと笑顔が素敵なお母さんの2人で切り盛りしているので1日3組限定です。

本来は教師の研修所や保養所を兼ねて建設された建物でしたが、東日本大震災に遭うなどして、本来の役目ではなく誰もが泊まれる施設に。

木の温もりが感じられるお部屋

木材をふんだんに使用したお部屋は高天井で開放感が抜群。ロフトが付いていて、寝室は2か所。最大4名まで泊まれます。

山の中にあるので、窓からは四季折々の風景が望めます。閑散とした冬はまるで水墨画な一方、春と夏はまばゆく、生命に満ち溢れた様子。

別荘など戸建てが距離を置いて並んでいるので終始静か。緑の景色を見ながら読書したり、温泉に浸かったり。静寂な時間を過ごせます。

ヤマガラ、シジュウカラ、時には猿も訪れるテラス

テラスの鳥小屋には、シジュウカラが毎朝出現し、野鳥ファンのリピーターも多いのだとか。施設名「小啄木(こげら)」も鳥の名前です。

2つのお風呂は、それぞれ内風呂と外風呂があり、40分ごとの貸切制。ヒノキの薫りが濃厚で、外風呂はいつまでも浸かれる湯加減です。

多すぎず、少なすぎない食事

肉厚なほたては青森県八戸港から直送されるなど、全国の友人が選んだ名産品が食事に登場。国産ステーキはお父さん自らじっくりと調理。

朝食はカラフルな食材が並び、彩りが豊か。野菜が多いので、健康的に一日を始められそう。さらに白米がすすむおかずも豊富です。

日中は活動的に、朝夕はゆっくりとメリハリな滞在が可能

翌日は動物園や遊園地を楽しんだり、アウトレットで買い物したり。オシャレなカフェ、レストランも充実しています。

東京から3時間で辿り着く、のんびりしたい時にふらり訪れたくなる場所。ご夫婦とお客さんとの距離感も付かず離れずで、心地よいです。


■那須高原山房 小啄木の基本情報■
住所:栃木県那須郡那須町湯本213-1220
電話番号:0287-74-6550
アクセス:東北道・那須ICより車で約15~20分
http://www.nasu-kougensanbou.co.jp/

【旅記事】 長野市x最寄りゲレンデ:充実の19コースで上達が叶う「戸隠スキー場」

【旅記事】 長野市x最寄りゲレンデ:充実の19コースで上達が叶う「戸隠スキー場」

四方を山々に囲まれた長野市で、特に存在感を発揮している飯縄山。その支峰の瑪瑙(めのう)山と怪無(けなし)山に広がる「戸隠スキー場」は、市内から車・バスで約40分という好立地なうえ、標高が高いことから良質な雪にも恵まれています。スキー場入口で上級者コース4本が立ちはだかる景観は圧倒されるものの、チャレンジ精神に火が点くはず。初心者も滑りやすい緩斜なバーンもあるので、レベルに合わせた滑りを楽しめます。

大会で激闘が繰り広げられる上級者コース4本

戸隠スキー場のメインとなる越水(こしみず)ゲレンデには第1~第4駐車場があり、チケット売場とレストランを兼ねた「シャルマン戸隠」もあります。

シャルマン戸隠の正面には、シルバーコース・チャンピオンコース・チャレンジコース・アドベンチャーコースの上級コース4本がそれぞれ山麓に向かってまっすぐに伸びた様子が一望でき、時期によっては急こう配をもろともせず、滑走する選手たちの姿も見ることができます。

北向きに面しているので、午後になっても雪が溶けず、雪面の状態が安定しているのもポイント。コブがあったり、不整地だったりと、上級者コースでありながら特徴はさまざま。幅も広いので、自分の滑りにも集中できます。

チャンピオンコース手前には雪上車が駐車しており、巨体を間近で見るといった体験も一興です。

広々としたコースは初心者の味方

19本あるコースのうち、上級者7コース、中級者8コース、初級者4コースと、初級者コースが少ない印象ですが、コース以外にもシャルマン戸隠周辺の「越水中央バーン」と「中社中央バーン」といった緩やかな斜面かつ広々としたバーン2か所があり、初心者が滑りやすいエリアも充実しています。

バーンのみを利用できるリフトも配備されているので、初めてのスキー・スノーボードでも安心。ここでリフトの乗り降りも練習できます。

4コースある初級者コースの中でも、麓から第4高速ペアリフトで向かう「とがっきーCコース」は初級者ではなく初心者コースと称し、コースが広く、斜面も穏やかといった初めてでも滑りやすい環境を整えてくれています。

眺望を堪能したいなら山頂へ

戸隠スキー場の最高地点は標高1,748mに近い瑪瑙山の山頂部。第6クワッドリフト降り場すぐの坂道を上った先には、山頂を示した標識が立っているほか、眼前に飯縄連山の主峰である飯縄山を見ることができ、記念撮影スポットとして人気。山頂から山麓までは初級者コースもあるので、誰でも最高地点に登頂することができます。

山頂から尾根伝いに続く全長1,500mの「メノウコース」は、一気に標高差250mを滑り降りてくる臨場感がたまらないコース。目の前には自分と同じ位置にいた戸隠連峰が徐々に見下ろされるように上へ上へと移動していく変化が見られ、視界に広がる冬の景色は絶景だと評判です。

子供、大人それぞれ向けのパークも登場

滑り本来のスピードや爽快感を味わえるだけでなく、戸隠スキー場ではアイテムを設置したパークも完備し、幅広い雪遊びを楽しめます。「しらかばコース」下部には雪面が波状のウェーブやキッカーが築かれているほか、複数のボックスも設置されており、ビギナー向けのアイテムが多いです。

第3クワッドリフトを利用すれば、勾配が強い前半はカービングターンやスピードを満喫し、斜面が穏やかになってきた後半はパークでアイテムに挑戦するといった多彩な滑り方ができます。

「とがっきーCコース」にも、子どもが喜びそうな複数のアイテムが置かれています。中華風の門をくぐると丘を上ってみたり、トンネルをくぐってみたりと気分は冬の探検家。

かつて忍者が潜んでいた戸隠の歴史にちなみ、カラフルな忍者もコース上の所々に出没し、見た目もかわいらしいコースになっています。

休憩・飲食・買い物の拠点「シャルマン戸隠」

戸隠スキー場にはレストランが2か所ありますが、中腹の「やなぎらん」は営業していないこともしばしば。山麓の「シャルマン戸隠」は席数500席の大型レストランなので、ここで休憩やお昼をいただく場合が多いです。

カレーやラーメンといった定番メニューに加え、かつ丼やハンバーガーといったボリューム満点なメニューも豊富。長野の郷土食で有名なおやき(かぼちゃ・野沢菜・あんこの3種)は、小腹が空いたときにちょうど良いサイズです。

戸隠は蕎麦の名産地でもありますので、ここでお蕎麦をいただくのもおすすめ。のど越しを味わうざる蕎麦、汁物で身体が温まるかけ蕎麦、そしてかき揚げ天が入ったかき揚げ蕎麦などが販売されています。

長野市の最寄りゲレンデとして名が挙がりやすい「戸隠スキー場」。長野駅からもスキー場行きのバスが出ているので、公共交通機関との相性も良いです。充実したコースでとことん練習するのもよし、早めに切り上げて市内観光をするのもよしと、冬の楽しみ方に新たな可能性を広げてくれるスキー場です。


■戸隠スキー場の基本情報■
住所:長野県長野市戸隠3682
電話番号:026-254-2106
スキー営業期間:2021年12月11日~2022年3月31日(予定)
アクセス:上信越道・信濃町ICより車で約30分 、長野市内より車で約40分
https://www.togakusi.com/ski/

【活動記録】2021年を振り返って

【活動記録】2021年を振り返って

気が付けばクリスマスで、あっという間に大晦日で、えっ?と思ったら2022年突入という、実感がなかなか湧きにくい2021年でした。皆さん、2021年もお疲れ様でした。そして、2022年も引き続き、よろしくお願いします!

2021年はドイツに行くこともできましたが、それでも行動は控えめな年という印象でした。
しかし、今日の午前中から昨年を振り返ってみると、意外と盛りだくさんな年だったんだとしみじみ。

新たな機会に恵まれ、私ひとりではできない経験をさせてもらえること、本当に感謝です。
皆さん、ありがとう!いつも本当に助けられてます!

2022年は年女。それを意識すれば無敵になれる気がします。
そして、意思がないと成長や行動、能力も滞ってしまうことがひしひしと感じる昨今の私。
まだまだ見たことない景色に自分自身を引っ張っていけるよう、今年も頑張ります。

2021年のsomething new

①茶道を始める
②グランピングを初体験
③teamLabの初取材
④看板犬ならぬ看板猫の取材に体当たり
看板猫ランキング1位のハチは今日も元気120%でお客様をおもてなし!?

⑤日本で熱気球デビュー
東京から日帰りOK!気球の聖地で北関東を飛ぶ「渡良瀬遊水地」

⑥ミラーレスカメラに着手
⑦佐賀県、宮崎県の訪ねて47都道府県を制覇
⑧福島県南会津町のふるさとサポーターに参加
⑨初PCR検査
⑩ペルー川柳コンテストで優秀賞を受賞
⑪高尾山、登頂(ケーブルカー使用したけど)
⑫チェコの写真が地上波デビュー
⑬英語でオンライン旅に関する記事を執筆
⑭地方創生に奮闘する人たちに迫る体当たり取材を敢行
⑮Billboardデビュー
⑯サーフィンに挑戦
⑰建築関連のヘルプを経験
⑱サーフィンエクササイズに翻弄される
⑲日本橋兜町のウェブ媒体に関するお仕事スタート
⑳海外渡航に伴う自宅待機2週間を経験
㉑世界のはたらく人たちをインタビューして記事起こし
【フランスのはたらき方】プライベート重視だからこそ「効率」重視!仕事の選び方には、ある特徴も……
【カザフスタンのはたらき方】縁故主義から個人の能力の時代へ。生まれて30年の国の新しいはたらき方
【タイのはたらき方】人気の仕事や生き方がコロナで変化。転職理由は給与以外にも……?
【スロベニアのはたらき方】学生時代から自分に合う職業探し!世代間では価値観の違いも……
【アメリカのはたらき方】自分のキャリアは自分で築く!その意気込みは転職方法にも……

【旅記事】星のや富士x真冬:砂時計がひっくり返った瞬間

【旅記事】星のや富士x真冬:砂時計がひっくり返った瞬間

木々の葉は落ち、呼吸すると肺が凍るような寒い山梨県の冬。春から秋にかけて賑わっていた時期も落ち着き、凪の時期に「星のや富士」に滞在してきました。鈍色の建物は無機質で、派手さを求めない山居にぴったり。渋茶の森に囲まれながら、冷気を鼻の奥で感じるも、全然寒さが苦にならない。だって、冬の醍醐味のこたつがありますから。しかも、外にです。ここにいると1分の時間の長さに励まされます。

15:10 開始時間と同時にチェックイン

河口湖周辺の探索に後ろ髪をひかれつつも、星のや富士に泊まるなら早めの到着に越したことはありません。到着した時点で、数組の方々がすでに待機中。丘のふもとでチェックインを行い、ここからスタッフさんの運転で中腹に構えるキャビン(客室)へ向かいます。

レセプションの壁一面には、黄色・黒・緑・灰色のリュックサックが飾られ、まるでブティックのよう。形も可愛く、気になっていたところに、

「お好きなものを1つ、お選びください」

という魔法の言葉を聞いて、ここがアウトドアに力を入れたグランピング施設だったことを思い出します。

リュックサックの中には、空気で膨らむ座布団、野鳥を見つけるための双眼鏡、暗くても探検家気分で進めるヘッドライトなど、1度きりなら買うのが惜しまれる装備品ばかり。

これらの道具は滞在中、好きに利用可能。木の棒だけだった勇者の装備品が、これで一気に鎧に兜、武器まで揃って冒険に繰り出せます。気に入ったらリュックはフロントデスクで購入もできます。

15:30 キャビンに到着

大きなブロックが積み重なったような、コンクリート造りのキャビン。白い壁紙にウッド調の家具と寡黙な装飾のおかげで自ずとここの主役は窓の外だということを伝えています。

星のや富士に訪れるなら、数時間でも数分でもいいので晴れてほしい。午後の柔らかな光を浴びた富士山は、日本人だけでなく海外の人でさえも、その端正な山容にため息がこぼれるはずです。

そして、富士山に一番近いベランダには、春~秋はソファだけの場所(それでも十分な特別仕様ですが)に、冬ならではのこたつがセッティングされています。足を入れればぬくぬく。椅子と背もたれが柔らかく、一度入ったら出られない居心地の良さに、早くも悦状態です。

お風呂も住宅と大して変わらないサイズですが、窓があるので広く感じ、しかもここからも富士山が見えるので半露天のよう。

「シンプルかつミニマムに設計」と称するだけあって、持て余さない広さの部屋。ベッドに机とソファ。生活に必要なものは片手で足りるんだと今後の部屋づくりに生かせそうです。

キャンプで好まれるカップ、注ぎ口がおしゃれなケトルも素敵でした。

16:15 さぁ森の中へ

キャビン一帯のさらに上、森の奥にはフロント、ダイニング、木漏れ日デッキ、クラウドテラス、ライブラリーカフェなど、複数の施設があります。

急な階段の連続ですが、ところどころにあるハンモックやベンチがあり、寄り道しながら向かえば楽しい道のりです。

そして15時からはクラウドテラスで、嬉しいおやつタイム。あたためるというひと手間が加わったバウムクーヘンは、特別なスイーツに早変わりです。

ほかにも焚火で自らマシュマロを焼き、ビスケットに挟むスモアづくりも。日本のカレーのようなアメリカで定番のキャンプ食ですが、自分好みの外はカリッ、中はもちっと仕上げられるので、無言で取り組んでしまいます。

そして、極めつけは17時からのスパークリングワインのサービス。おやつに加えて、この飲み物も無料で堪能できる時点で、心はがっつりと握られています。

刻々と空が暗くなり、ろうそくに灯される火。食前酒を味わいながら、太陽と一緒に一日を締めくくれるのも、日常では難しい、ここだから可能なアクティビティの1つです。

18:30 ジビエのディナータイム

夕食はメインダイニング、アウトドアダイニング、キャビンの3つから選べて、今回はメインダイニングへ。入った時点で、お肉の芳しい香りに迎えられ、胃も心も準備万端。

美味しいものをちょっとずつ食べたいという女子のわがままを叶えた前菜、ほかほかなパン、瑞々しくてほぼ水分とも言えてしまう野菜、そして、鹿と牛のステーキにデザートというコース仕立て。

夕食では、鹿肉に一番驚きました。やわらかな弾力のなかに、ほどよい脂が味わえ、噛めば噛むほど、鹿の虜になりそうです。

地域で獲れたお肉だと聞き、森のものを食べて育った鹿だからこそ、くどくない味になるのかなと思い、鹿というより、森そのものを私はいただいているんだなぁとしみじみ感じてました。自然のごちそうは、美味しいの一言に尽きます。

21:00 夜の遊び場へ

夕食後も、夜の催しが開催されると聞き、クラウドテラスへ。階段を上り下りすることで、満腹な身体が活性化し、罪悪感も薄まります。

木漏れ日デッキには、キャビンと同様に複数のこたつが置かれ、ここではボードゲームに皆さんが夢中なよう。

こたつごとに異なるボードゲームが準備されていて、私たちはフランス版の五目並べ、クイキシオをプレイ。

「カタン、トントン」
「あれ~」、「やったー!」

あちらこちらで交わされる音と声は心地よいBGMとなり、最後は子守唄へ。眠気と満足感を感じながら、滞在の前半が終了です。

7:30 起床

鳥のさえずりで目を覚ます、ことはなかったです。キャビンの防音設備がしっかりしてました。むしろ、天気は雨で、雨が降っていたことも早朝の富士山を見ようとカーテンを開けた瞬間まで気付かなかったくらい。霧に包まれた河口湖は、昨日とは違う幽玄な姿でした。

8:00 森の珈琲屋さんで目覚めのひとときを

8時からクラウドテラスでコーヒーサービスがあると聞き、それを目当てに起床しました。

外は雨、でも大丈夫。どんなに濡れても、ホテルに備え付けの長靴が守ってくれます。クロックスの長靴は私の25cmの足にもぴったりでした。昨日から愛用している厚手のコートに包まれながら、上を目指します。

スタッフさんの柔和な笑顔に癒され、飲み物を淹れてもらいます。コーヒー、もしくはお茶の選択肢。この時、お茶はゴボウ茶のミルクティーという珍しい響きに惹かれ、お茶をチョイス。ミルクとゴボウ茶を半々、そこにハチミツを加えた飲み物が冷えた身体をじんわりとあたためます。

しとしと。久しぶりに雨の音を聞いて、その気付きさえも朝の会話の1コマに。濡れたウッドデッキがキャンバスとなり、森の新たな表情を発見した気分です。

8:50 いよいよクライマックスの朝食

朝食の選択肢も3つ。夕食と同じ会場のメインダイニングに行くか、朝のコーヒーを飲んだクラウドテラスで自分たちで作るか、強力(ごうりき)さんにキャビンまで背負ってきてもらうか。

強力さんとは、富士山を登頂する際に荷物を背負うことを生業としてた人たちのこと。その人たちが使っていた登山リュックのような道具を背負子(しょいこ)といい、その背負子に担がれて私たちの朝食が届けられるのです。

強力に扮するスタッフさんの演出、そして河口湖で盛んな釣りで使うタックルボックス(ルアーなど収納する道具箱)をイメージした入れ物に朝食が入っているというこだわりで十分気持ちは高揚しますが、さらに富士山を見ながらこたつで食事ができるということで、このモーニングBOXは人気だと聞き、大いに納得です。

モーニングBOXの中身は、もぎゅっと手で分けられるほど柔らかいパン、冷えた身体が温まるキノコのクリームスープ、ジューシーなソーセージにスペインオムレツ、山梨らしいブドウが入ったサラダ、桃のジャムと相性抜群なヨーグルトなど。

これは魔法の箱ですか?と思うほど品数が豊富で、だからこそ時間や周りを気にせずゆっくりと食べられる環境も良かったです。

9:30 何もしない贅沢

チェックアウトは12時。あと2時間半もあると思うと、何かしなくてはいけないような気持ちに駆られてしまうものの、手の届く範囲にあるのはドリップコーヒー、こたつ、そしてBluetooth対応のスピーカーくらい。

散歩をするにも外は雨。二度寝をするか、朝風呂をしようか。と悩んでいる間も、こたつの温もりが捨てがたく、こんな境遇も滅多にないかという言い訳と語尾を上げた「しょうがないよね」を自分に言い聞かせ、ただ目の前の景色を眺めてました。

富士山も霧に隠れた、午前の河口湖。しとしとだった雨音は、ぽてぽて、ぱらぱら、サーーと微妙に音を変えて耳に届きます。そして、大体15~20分ごとに時計を確認し、1分という時間の長さに驚いてました。

15分って意外と果てしないなぁと実感してたら、ふと砂時計が頭に浮かびました。それも底にたまった砂を上にひっくり返す、あの瞬間が。

1分、2分と細かな時間で回る日常では時間は有限で、だからこそ足りない、短いと思ってしまうこともしばしば。手の中から零れ落ちる砂のように時間はさらさらと過ぎていきます。だからこそ、落ちていく、失ってしまう時間を惜しんでしまいますが、ここにいると短いと思っていた時間が実は長いものだと気付きます。

その発想の転換が砂時計をひっくり返す動作と繋がって、時間って意外と長いし、たっぷりあるんだよ、だから大丈夫って思えてきて、励まされるのです。

11:50 浸りつくして再出発

チェックアウト間際。普段なら惜しまれるはずが、不思議と満ち足りてました。もう自分はリセットできて、だからこそ新たな気持ちで日常に戻っていけると。

何かを取り組むにしろ、時間は潤沢にあるのだから思う存分やってみたらいい、そんな言葉が聞こえてきて、背中を押されます。

12:30 振り返りながらの帰途

「冬の山梨は魅力がないんですよ」
と、山梨県の方が言っていました。果物も狩れず、ワインも解禁してないし、富士五湖に添える花も咲いていない。確かに。

だけど、ここには唯一無二の象徴があって、春夏秋冬で変貌する自然がある。そして忙しい私たちにこそ必要なものは、もてはやされない程度の歓迎と気を遣わずにすむ空間なのかもしれない。

あの時、反論することができなかった私ですが、今ならこう切り返したいです。
「富士山と湖と森、それにその魅力を堪能できる場所があれば十分じゃないですか」


<星のや富士の基本情報>
住所:山梨県南都留郡富士河口湖町大石1408
電話番号:0555-76-5050
アクセス:中央自動車道・河口湖ICより車で約15分
https://hoshinoya.com/fuji/

世界の幸せな国Top10はこれだ!

世界の幸せな国Top10はこれだ!

旅専門の海外メディア、TRAVEL+LEISUREでは「世界の幸せな国上位10か国(These Are the 10 Happiest Countries in the World)」という題で、World Happiness Reportの内容を掲載してました。どんな国がランクインし、果たして日本は何位なのか?

できることなら幸せを望む日々です。幸せな国の共通点や、何が幸せなのか?など、レポートを起点に幸せについて考えてみました。皆さんにとっての幸せも、ぜひ聞きたいです。

世界の幸せな国10位~5位

幸せ度は、高品質な医療へのアクセスや平均寿命の長さ、安定した経済に自由など、色々なデータが組み合わさって判断されるようで、2021年はコロナによる影響も考慮されています。

10位に滑り込んだのは、オーストリア。美しい自然はもちろん、充実したスキー場に加え、音楽の都ウィーンの存在もランクインに影響しました。さらに寛容的でもあり(これに私は懐疑的ですが)、GDPに平均寿命の長さも評価されたそうです。

9位は、昨年のランクでも8位だったニュージーランド。社会支援のサポートが高評価され、さらにディストピア(逆ユートピアや否定的、悲壮感が強調されたもの)を感じる要因が少ないのも理由です。

8位は、ノルウェー。2019年は3位、2020年は5位と後退しつつも、3年連続でトップ10に入っている実力者です。フィヨルドや山々、それに氷河を含む豊かな自然を有するバイキングの地です。

7位は、驚いたことにドイツ。2021年が17位だった背景を見れば大躍進です。ベルリンにおける芸術や充実したナイトライフのベルリンをはじめ、オクトーバーフェストが開催されるミュンヘンなど、幸せな生活を提供している点が高得点でした。

6位は、自然豊かなスウェーデン。首都ストックホルムをはじめ、主要な都市は人口密度が高い一方で、自然へのアクセスはきちんと整備され、強力な社会支援に加え、生活の自由度と平均寿命の高さが後押ししました。

世界の幸せな国5位~2位

皆さんが思い浮かんだ国は登場しましたか?ここから、いよいよ上位国の発表です。

5位は、旅先としても評価が高いオランダ。水路と町並みが調和した景観を持つ、首都アムステルダムは世界遺産に登録されています。美術館巡りや音楽鑑賞など、さまざまな楽しみ方ができますが、どうやら旅行客だけでなく地元の人たちの幸福度にも貢献しているそうです。

4位は、スイス。小国でありながら、豊かな自然はお墨付きで、通年において訪れる人たちが絶えません。また時計やチョコレートなど、世界的に名高いメーカーの本拠地でもあります。GDPも高く、安定しているゆえに、財務面の安全性が高いのもポイントです。

3位は、長年にわたりトップ5に君臨しているデンマーク。ヨーロッパ大陸に位置しながらも、長年の歴史により、北欧に含まれています。所得税が世界的に高いですが、そのおかげで社会福祉もばっちり。男女の賃金差も小さく、ヨーロッパの中で最もデジタル化された社会ともいわれています。

2位は、ヨーロッパの最北端に位置するアイスランド。温泉に火山、氷河に瀑布といった唯一無二の地形を持つ国は長年、旅行者を惹きつけてきましたが、近年は住民にも居心地の良さを提供しているようです。以前見たTVでも、新しい国だからこそ、しがらみがなく暮らしやすいと住民が言っていました。

世界一幸せな国とは?

トップ10に入っている国は、どこも社会福祉や盤石な経済基盤をもつ国々ですが、それらを差し置いて1位になったのは…?

フィンランドでした。2017年にの5位を最後に、3年連続で1位に輝いているのだから驚きです。手厚い社会支援、健康な高齢者が多い、自由、ディストピアに対する認識の低さなど、複数のカテゴリで高得点を誇りました。

ランクインした国の共通点を考えてみた

最初、このランクを見たときに「寒い国」が多いなと気付きました。楽天具合から見たら、イタリアやスペインが上位にきてもおかしくなさそうなのに…。でも、炎天下の外から冷房ガンガンの部屋に入ったときと、氷点下の外から暖房ぬくぬくの部屋に入ったときを比べたら、私は温かい部屋の方が幸せを感じます。

国民性も大きく影響してるんだと思います。「はーい!私、幸せでーす!!」と猛アピールする人もいれば、謙虚さが勝り「そこそこですね」と言い留める人もいるはず。それに幸せを感じる基準は人それぞれ。大凶を引いた友人が末吉で喜んでいる姿は、私にとって感慨深かったです。

でも、1つだけ言えるのは、やっぱり自然との距離が近い国が幸せだと感じやすいのではないでしょうか。北欧は森や水辺に囲まれ、すぐにアクセスできます。この環境によって、人は気分転換ができ、新しい気持ち(ちょっと明るさも加えて)でものごとに取り掛かれるのだと思います。

日本は何位?

肝心の日本は何位なのか、気になり、情報源のレポートで調べてみました。

日本は、40位。ポーランドの下、ブラジルの上です。アジア勢で比べてみると、台湾が19位、韓国が50位、中国が52位、香港が66位です。この並びが、何とも言えず、しっくりきます。皆さんは、いかがでしょう?

以前は50位だったので、大躍進です。

見えないから惹かれる「幸せ」

さて、冒頭でも聞きましたが、皆さんにとって「幸せ」って何でしょう?安定した経済、充実した福祉、選択の自由、差別の撤廃、自然へのアクセスなど、幸せだと感じる要素は星の数ほどありそうです。

旅関連の仕事に就きたい夢を叶えている私は幸せな反面、毎回、ベストを尽くした原稿が翌日には陳腐に見え、自己嫌悪のもと、次回こそは頑張ろうと終わらないイタチごっこをしている姿を幸せとは言い難いです。

すべてはバランスだと思っています。誰かと一緒にい過ぎるとそれが当たり前になり、1人の時間が不自然に感じる。そういうとき、依存しているのかなと不安になります。隣に誰かいることは幸せなことのはずなのに、その影響で一人の自分を楽しめないのはもったいないです。誰かといる自分、ひとりの自分、どちらも楽しむには適度なバランスが必要ではないでしょうか。

バランスが整ってくると、今を楽しむゆとりも生まれてきます。頬をなでる風が心地よかったり、日向ぼっこに微笑んだり、大切な人を慈しんだりと、自分が幸せだと感じるときは常にちょっと油断したときや、心が緩んでいるときでした。

ランキングは確かに大切ですが、幸せは人それぞれ。外からの圧力や言葉にも影響されますが、自分が思う幸せの定義がある限り、自分は幸せになれると信じています。

【旅記事】フランスxドイツ風:おとぎの国みたいな町「コルマール」& おすすめスポット5選

【旅記事】フランスxドイツ風:おとぎの国みたいな町「コルマール」& おすすめスポット5選

初めてなのに見覚えがあるような不思議な気持ちになる「コルマール(Colmar)」。

フランスとドイツの国境付近、アルザス地方に位置するこの町は、歴史の荒波に翻弄され、ドイツだったり、フランスだったり、ドイツになったと思ったら再びフランスになったりと、何度も国が変わっています。2か国の影響を受け、旧市街を歩くとドイツ特有の木組みの家が連なっていますが、フランスの気質を受け継いだ住民はそこに可憐さを加えるべくパステルカラーで彩りました。そのおかげで、おとぎ話に登場しそうな町並みが評判を呼び、映画のモデルになったという噂も。

秋晴れのなか、ドイツのフランクフルトから日帰りで、このチャーミングな町に訪れました。

日の出前、フランクフルト中央駅に集合

木々が色づき始め、ダウンジャケットが欲しくなる10月中旬。早朝6時にフランクフルト中央駅に向かうべく、最寄り駅から電車に乗ります。

6時半ごろに到着すると、今日乗る予定のICEは既にご到着。まだ日も昇ってない暗い状態ですが、フランクフルトから隣国への鉄道が頻繁に出発するだけあって、ビジネスマンや旅行客の姿も大勢です。

今回、乗車したICE9568は、フランクフルトを6時56分に出発。その後、フランスを目指し、国境の町ストラスブールには8時47分着。そこからローカル線に乗り換えること約30分でコルマールに辿り着きます。

料金は片道ひとり€30(約4,000円)。移動距離は約200㎞と東京駅から静岡県の掛川駅くらいまで。金額は東海道新幹線の約半額なので、やっぱりヨーロッパの鉄道旅は日本に比べて割安です。

途中、ドイツからフランスに越境しますが、シェンゲン協定を2国が結んでいるので、乗車中も入国審査はなく、チケットの確認のみで済みました。コロナ禍ということもあり、車内は要マスク着用ですが、旅行に関する規制もないので車内は意外と混雑。旅行する際は座席指定がおすすめです。

ストラスブールで乗り換え

ヨーロッパでは珍しく、予定どおりにストラスブールに到着。駅に降り立つと言語はフランス語、駅に併設しているパン屋もPAULになっていて、異国に来た感がグッと感じられます。

ローカル線は事前予約をせず、ストラスブールの駅で切符を購入しました(往復ひとり約€14)。自動券売機で目的地を指定し、スケジュールの中から希望の電車を選択します。その際に年齢を尋ねられますが、60歳以上だと€1~2ほど割引を受けられ、ドイツとの違いをここでも発見。

再度ホームを目指します。ローカル線ことTERはICEに比べ、車両も古かったのですが、椅子がソファのように柔らかく、快適でした。車窓からは田園風景が見渡せ、遠くの山にはいくつか城塞も築かれているなど、終始のどかな雰囲気に気持ちも緩みます。

出発から約2時間半後、コルマールに到着

コルマール駅に到着するも、駅があるのは新市街なので、旧市街を目指します。駅から旧市街までは徒歩約13分。私たちは時計回りのようにぐるっと巡る行程で向かったので、駅前の大通り、レピュブリック通り(Av. de la Republique)をひたすら歩きました。

途中のシャン・ドマルス公園(Parc du Champ de Mars)では、立派なメリーゴーランドを発見。さしずめデパートの屋上にあった観覧車のような、非日常な輝きを放っていました。白馬や気球の乗り物など、おとぎの国にはメリーゴーランドがよく似合います。

おすすめスポット①アンシ美術館

路地が狭くなるにつれて年季を帯びた建物も登場し、自分が中世時代にタイムスリップしているよう。最初の目的地だったアンシ美術館(Musee Hansi)は、ちょうど新市街と旧市街の境目にあります。

本名はジャン゠ジャック・ヴァルツですが、ペンネームのアンシさん、もしくはアンシおじさん(Oncle Hansi)と呼び親しまれている彼の正体は絵本作家です。

アルザス地方の伝統衣装に身を包んだ子供たちのイラストがとにかく可愛いです。コルマールの町並みも描いていて、暗闇に町灯りがほのかに照らされた夜のシーンは、まさに幻想的。今にも魔法使いが登場しそうな、物語の空気を纏っています。

1階はアンシさんグッズのほか、アルザスの名産品も並んでいるのでお土産にもぴったり。2階が博物館になっていて、2階に上がる際は1階レジで入場券(ひとり€5)を購入します。

ありとあらゆるクッキーが棚を占領している様子は、子どもだけでなく大人だって興奮するはず。クッキー単体でも販売していますが、アンシさんのイラスト付き缶とセットにすれば、それだけでコルマールを代表するギフトになります。缶のみの購入も可能です。

女の子が頭にかぶる黒い布は、ボネ・タ・ヌ(bonnet à noeud)と呼ばれ、白が一般的な一方で、黒はアルザス特有で、キリスト教でもプロテスタントの方が被ります。カトリックが大多数を占めるフランスでは珍しく、アルザス地方はプロテスタントが多いため、自ずとアルザスの民族衣装になりました。

2階の美術館エリアは、さーっと見学すれば約30分で一巡できる規模。子どもたちの様子やアルザスの町並みに癒されるだけでなく、壁に描かれたちょっとした挿絵的イラストも色がカラフルでかわいいです。

第2次世界大戦の最中を生き抜いたハンジさん。反ドイツっぽい作品も見られ、イラストに潜む怨恨もうかがえます。

カラフルな色使いは周囲を明るくし、多色なのに統一感が感じられる絶妙な塩梅です。Hansiと表記されているので、「ハンジ」さんと呼んでいましたが、フランス語では「H」は発音しないことを忘れてました。正確には「アンシ」さんです。

<アンシ美術館の基本情報>
https://www.hansi.fr/fr/
住所:28 Rue des Têtes 68000 Colmar
営業時間:月曜-金曜10:00~12:30 13:30~18:00、土日10:00~18:00
定休日:12/25、1/1
美術館入場料:€5(14歳以上)、€3(子ども5~13歳、15名以上の団体)、5歳未満は無料

おすすめスポット②サン=マルタン参事会教会

旧市街の中心にそびえているサン=マルタン参事会教会(Collégiale St-Martin)。100年以上の歳月をかけて完成に至った教会は、ロゼのような淡いピンク色の外見が特徴で、あたたかみが感じられます。

フランスの教会といえば、荘厳なノートルダム寺院や華やかなバラ窓を思い浮かびますが、こちらも一歩足を踏み入れれば俗世間と切り離された静寂な世界が広がっていました。

<サン=マルタン参事会教会の基本情報>
住所: 18 Pl. de la Cathédrale, 68000 Colmar

教会から徒歩約5分の場所で、キュートなパン屋さん(Boulangerie Pâtisserie Claude Kraetz)も見つけました。最初に目を奪われたのが赤やピンクの満開な花壇だったのですが、よくよく視線を凝らしてみるとパン屋さんらしい装飾も施されています。

雨戸にはありとあらゆるパンが装飾されていて、看板の役割も。ここでクロワッサンを購入したのですが、しっとりした食感がやわらかく、噛むごとにバターの旨みが広がりました。ほかにも秋ならではのモンブランや、フランスらしいエクレアも並んでいて、目移りしてしまいます。

<パン屋さんの基本情報>
ウェブ:https://www.boulangerie-kraetz.fr/
住所:6 Pl. Jeanne d’Arc, 68000 Colmar

おすすめスポット③プフィスタの家

コルマールは、どこか見覚えある町並みと表しましたが、実はジブリ映画『ハウルの動く城』、ディズニー映画『眠れる森の美女』の舞台として、たびたび話題に取り上げられているのです。

特に有名なのが、プフィスタの家(Maison Pfister)。1537年に建てられた、コルマールで最初のルネッサンス建築です。帽子屋さんのために建てられたという背景に加え、『ハウルの動く城』にも登場しているので、ジブリ好きにはたまりません。

とんがり帽子型の緑色の屋根が目印です。建物は現在、ワイン専門店となっています。右奥には、先ほどご紹介したサン=マルタン参事会教会が控えているという近さです。

<プフィスタの家の基本情報>
住所:11 rue des Marchands 68000 Colmar

おすすめスポット④リトル・ヴェニス

プフィスタの家がある小径は、お土産屋さんやレストランも多く、ぶらりと歩きやすい雰囲気です。アルザス地方はワインも有名なので、1~2本お土産に買って帰るのもおすすめ。

ドイツのリューデスハイム同様、リースリングの白ワインが豊富ですが、果実の澄んだ甘さが際立つピノ・ブランなどの白ワインのほか、赤ワインも造っているなど選択肢が多いです。

さて、「ラ・プティット・ヴニーズ(La Petite Venise)」、通称リトル・ヴェニスと呼ばれるエリアが美しい、かわいいと評判なので、ロシュ川を目指します。

到着した途端、「ここは本当に町なの?!」と疑いたくなるほど、華やかな光景が広がっていました。川に沿うように木組みの家々が並びますが、その色合いがカラフルで、まるでファンタジーランドや絵本の世界そのもの。

テーマパークだと言っても通用しそうな、むしろ非現実の世界を演出するのにうってつけな色使いです。しかし、実際にこの建物には歴史があり、今も住民が暮らしているのですから、一般の住宅に代わりないと思うと、余計に不思議な気持ちにさせられます。

リトル・ヴェニスと称するように、こちらでは小型船ゴンドラで水路を巡ることもできます。

<ラ・プティット・ヴニーズの基本情報>
住所:Quai de la Poissonnerie, 68000 Colmar

おすすめスポット⑤屋内市場

ラ・プティット・ヴニーズの斜め後ろ、オープンテラスの席が川にせり出ている大きなレンガ造りの建物(写真右)がありますが、これは「屋内市場(Marché couvert Colmar)。1865年に建造され、入っているお店は20店舗ほど。

野菜や果物をはじめ、ハム、ソーセージからチーズ、それにパンやケーキなど、ありとあらゆる食材が並んでいて、なかにはアーティチョークなど普段見かけない品種も。

精肉店やベーカリーにはイートインのスペースもあり、ここでランチをするのもおすすめです。入り口近くにはワインを扱っているお店もあり、平日昼間でも旅行客や地元の人たちで大賑わい。購入した食品は、ロシェ川に面したテラス席でも食べられます。

<屋内市場の基本情報>
https://www.marche-couvert-colmar.fr/
住所:13 Rue des Écoles, 68000 Colmar
営業時間:火曜-金曜8:00~18:00(木曜は7:00から、金曜は19:00まで)、土曜8:00~17:00、日曜10:00~14:00
定休日:月曜

リトル・ヴェニスを後にし、そのまま私たちはコルマール駅へ。道中でも、思わず写真を撮りたくなる風景が待ち構えていて、常にウキウキ気分でした。

リトル・ヴェニスからコルマール駅は、徒歩約15分。コルマール駅には簡単な売店のほか、公衆トイレもありますが、できればコルマールでの利用がおすすめです。

滞在時間は約4時間と小さな町を巡るには十分でしたが、それでも食事はパン屋さんで買ったクロワッサンをササっと食べるのみでした。町散策に加え、ランチをしっかり食べたり、ウンターリンデン美術館で近代美術を観賞したりする場合は、プラス1~3時間を見ておくと安心です。

コルマールの観光サイトには、日本語表記も対応しており、日本語の地図もダウンロードできます。

タダで終わらせないヨーロッパ旅を痛感した帰路

ストラスブールも満喫したかったので、帰りの電車までの約2時間を旧市街で過ごしました。大聖堂周辺はレストランやスーパーマーケットもあり、最後の駆け込みショッピングにぴったりです。

帰りの電車、ICE9563はストラスブール17:13発で、フランクフルトには18:58着。17時にストラスブール駅に戻り、乗車の準備をしていると自分たちが乗る電車だけ到着ホームが表示されていません。嫌な予感しつつ確認してみると、ここにきてのまさかの55分遅れ。代わりになる電車もなかったので、そのままストラスブール駅で時間を潰すことになりました。

ここまで時間通りに運行していたので、ヨーロッパの鉄道旅も素敵だと感じていた反面、期待を裏切らないどんでん返しに、やっぱりと確信。最終的には1時間10分ほど遅れてフランクフルトに到着しました。

ドイツ鉄道(DB)では電車が1時間以上遅れると、遅れた時間に比例して返金が生じます。ドイツ国内なら窓口で現金による返金もしくは銀行振込になります。しかし、今回は2か国を跨いでいたので銀行振込のみの対応。ウェブ申請か窓口で所定の用紙を記入後、約3週間で口座に振り込まれるとのことです。

今も住民が暮らす、おとぎの国コルマール

フランクフルトから約2時間半と日帰りも可能な「コルマール」。ドイツにフランスと歴史ごとに統治国が変わった町ですが、その影響を受けて2か国の文化が融合した町並みは、どこまでも巡ってみたくなる魅力を放っています。

また町を魅力的にすることで、「統治国に振り回されているだけじゃないんだぜ!」とコルマール人の気骨も感じられました。かわいいだけに留まらないからこそ、深みを求める映画業界の人たちをも魅了したのでしょう。

【PHOTO】2021/10/08 ドイツ・ヘキスト(Höchst)

【PHOTO】2021/10/08 ドイツ・ヘキスト(Höchst)

フランクフルトに近い町、ヘキスト(Höchst)は木組みの家屋が今も息づいています。
珈琲を片手にそぞろ歩きをしても楽しいし、すぐ近くのマイン川を見ながらリラックスする過ごし方も。
今回は川沿いを中心に散歩をしてみました。
途中、中州に続く木組みの橋を見つけ、誘われるように進むと一帯が大きな公園でした。
川ではボートを練習する青年、公園では自転車で駆け抜ける親子。何気ない、でも特別な日常です。

ヘキストを書いた記事もこちらよりご覧いただけます。
フランクフルトから日帰り!木組みの町「ヘキスト」へ

↑の記事を書くにあたってのこぼれ話も
【旅記事】ヘキストx事件: 薄くなる汚染の悲劇と復活劇

【旅記事】コロナ対策x日本入国:入国審査までが長い、空港道中

【旅記事】コロナ対策x日本入国:入国審査までが長い、空港道中

飛行機が着陸してからも日本入国への道のりは長いです。(前編はこちら
現地で取得した陰性証明書の確認に始まり、抗原検査、アプリのインストールに誓約書の確認などなど。すべてをこなすのに要した時間は約2時間(新幹線なら東京から京都へ行けちゃいます)。長距離フライト後には結構ぐったりです。

到着早々に機内待機

11時間におよぶフライトを経て、無事に成田空港に到着。シートベルトのランプが消えると同時に荷物を棚から出し、最寄りの出口に向かうのがいつものパターンですが、

「指示があるまで、お座席でお待ちください」

と、いきなり出鼻をくじかれました。何でも、国際線を乗り継ぐお客様がいるので、その方をまずご案内してからとのこと。しかし、ここでスタッフさんも大慌て。何でも機内と現地で聞いていた人数が違うのだとか。それは確かに気持ち悪い状態で、自分もそわそわ。

ちなみに乗り継ぎができるのは国際線のみで、国内線はNG。帰国後14日間は、公共交通機関の利用が禁止されているので成田空港から出る場合は、ハイヤーを予約する、もしくはレンタカーで目的地まで向かう方法など限定されています。

全員集合してからのご案内

待つこと約10分、退出の案内がされたので機内から空港の館内へ。いつもなら入国審査に進むのですが、ここでも廊下に出るやいなやストップ。スタッフさんが待機しており、乗客全員集まってから誘導するとのこと。さすが集団行動の国。徹底しています。

そして、案内される道すがら、随所で大量に設置された椅子を目撃。初めての光景に驚きますが、きっと待合席なんだろうなと予測しつつ、意外と速く歩くスタッフさんに置いていかれないよう歩きます。

そして、ちょっとした受付っぽいエリアに到着し、まずは書類の確認。PCRの陰性証明書、パスポート、ワクチン接種の証明書(コピーをとられるので事前に準備しとくと時短に)、そして機内で配られた誓約書と健康カードなど、気が付けば自分の手元には何枚もの書類が重なっていました。

機内で配られる誓約書

さて、誓いを約束すると書く「誓約書」。その言葉だけでも十分に重みが感じられます。書かれているのは、14日間の待機を守ることや、アプリから尋ねられる位置情報や健康状態に応えることなどなど。

ふと疑問に思ったのが、「解熱剤・かぜ薬・痛み止めなどを使用している」の質問。例えば風邪の症状がなくとも、ヨーロッパの乾燥した気候で生活していると喉が痛くなることもあるし、気圧の変化で頭痛が生じる人もいるはず。私にいたっては女性の日になると、あまりの腹痛で痛み止めは欠かせないもの。

質問の意図は健康チェックなのは重々承知で、私が挙げた例で薬を飲む場合は致し方ないと思われそうだけど、それでも、ただでさえ緊張状態に陥っているのだから、ここで自分が不利になる回答は避けたいところ。そうなると痛みは耐えるしかないというある種の我慢を強要されている環境に、より居心地の悪さを覚えるのです。

唾液検査で再びドキドキ

無事に書類のチェックが終わったら、あとは単独行動で矢印に沿いながら、抗原検査をしたり、アプリのチェックをしたりと、1つ1つをこなしていきます。今回の経験で面白かったことといえば、普段入れない空港随所の建物を巡れたことです。

抗原検査からスタートしますが、これは唾液を提出するタイプで、ブースで一人悶々と格闘しました。このタイプは以前も利用したことあるのですが、それより大きく、思いのほか時間がかかりました。大体、スタッフさんに量を確認するのですが、皆さん1回目は量が少ないとやり直しを指摘されていた模様。

自分のサンプル番号をパスポート裏に貼られます。72時間以内にPCR検査で陰性を受けているのだから大丈夫と自分に言い聞かせつつも、これで陽性だったら辛いなぁとハラハラな気持ち。

確認・確認・確認

抗原検査を受けた後は、ひたすら書類とスマホの確認作業です。帰国後14日間はアプリを通して、健康状態を毎日報告する必要があるほか、突然アプリから現在地を聞かれたり、ビデオ電話がかかってきて自分を含めた背景を30秒間映すことを指示されたり。案の定、このアプリは帰国者の批判を一身に浴びています。

連絡先を確認するため、登録したメールアドレスに間違いないかテストメールで確認を求められたり、居場所も常に把握されるためGoogleマップの履歴記録がオンになっているかをチェックされたりと、自分が知らなかった機能も新発見したと同時に、スタッフさんの手慣れた指裁きに見入ってしまいます。

数々の人を介し、最後に辿り着いたのが大きめの待合室。ここで抗原検査の結果を待ち、陰性であれば念願の入国審査へ。意外とここでの待機場所が長く、人によっては予約したハイヤーに電話をしたり、お手洗いで席を離れたりする人も。

ドキドキしながら聞きに行くと、陰性という結果。一安心です。気持ちはさながらプレバトの結果を聞く芸能人か、試験結果を見に行く受験生。陰性だと赤い紙を渡され、いつもなら最初に訪れる入国審査にやっと辿り着きます。

到着2時間後に解放

入国審査後、荷物を引き取り、到着ロビーに辿り着いたのは16時。飛行機が到着してから約2時間後のことです。

東京に自宅がある私は、このまま自宅に直行できますが、ここから地方へ向かう人たちはさらに移動が待ち構えているかと思うと、まだまだ安堵できないはず。多くの人がレンタカーで向かうと聞き、疲れた身での運転を憂い、せめて代案があれば良いのにとこぼしたくなります。

日本に潜む外への意識

日本国内にいたら、きっと分からなかった日本の海外に対するコロナ対策。ドイツ入国がすんなりだったので、余計に居心地の悪さが際立ちました。旅行目的の入国を受け付けていないから乗客のほとんどが日本人だったものの、それでも機内には約10名の外国籍の方がいたので、今回の対応で果たして彼らは日本にどんな印象を持ったのか、お節介ながらに懸念です。

陸続きのヨーロッパと島国の日本を比べるのはお門違いかもしれませんが、それでもヨーロッパでは国同士の移動が当たり前となり、人やモノが流れ、そこに活気が感じられます。今回、日帰りでフランスを訪れましたが、ICEに乗車中も切符の確認だけで済みました(パスポートもワクチン接種のチェックもなし)。

ネットで代用できるとはいえ、人との信頼関係は五感で共有しないと築けないとコミュニケーション学で聞いたことがあり、それはビジネスの場面でも当てはまるはず。ヨーロッパではコロナに対する意識は下がり始めましたが、果たして日本はいつまで続けるのか。今回の経験で垣間見えたのが、日本の国外に対する遮断性。さすが同じ日本人でありながら帰国子女という言葉が存在するだけあって、海外への強い意識は今もなお健在なよう。今だに続くwithコロナという名のagainstコロナの振る舞いは、世界での日本の立ち位置にもつながっていきます。

【旅記事】コロナ対策xドイツ出国:日本への帰国準備は出国前から大忙し

【旅記事】コロナ対策xドイツ出国:日本への帰国準備は出国前から大忙し

2021年10月18日(月)に、ドイツから日本に帰国しました。
まだまだ水際対策が厳しく、帰国するためには帰国日2日前から準備を始めないといけません。
ドイツから日本まで、一連の流れをここで綴ろうとしたところ、あまりにも長すぎたので、まずはドイツ編をお届けします。

出発前に用意するもの3点

日本に帰国する前には、まず大使館のホームページを確認。
ドイツ入国する際も、デジタル申請書を提出する必要があったり、日本への規制が緩和されたりと、新しい情報が逐一掲載されています。

そうは言っても膨大な情報量なので、自分に必要なものを拾っていくと、帰国前に3つのものが必要と判明しました。

①出国72時間前に受けたPCR検査「陰性証明書」
②携帯アプリ「mySOS」
③web質問票の回答後に表示される「QRコード」

①で重要なのは日本が指定した検査方法で実施している場所でしか認められません。なので、ドイツだと自宅でできる検査や街中の無料で受けられる検査など、選択肢が多そうに見えそうですが、実はどれもNG。ここで再度活躍するのが大使館のホームページ。該当する検査会場と検査方法が羅列しているので、ここに行けば大丈夫です。

私は、最初は知り合いも訪れた「The Centogene Test Center」に行こうとしたのですが、証明書は検査後の翌日に再訪して医師に書いてもらわないといけません。そして、落とし穴だったのが、その医師は土日が不在だったこと。日曜日(10/17)に発つので、金曜に検査を受け、土曜に証明書を入手しようと思ったのに、まさかの展開。そして、その事実を検査1日前の木曜に知るという衝撃です。

しかし、都市だからこその良い点は、選択肢の多さ。空港には、私が行こうとしていた検査場のほかに空港直属のクリニック(ただし中国人が多いと噂)のほか、フランクフルト中央駅前の「Coronatest.de」もありましたので、中央駅の方を予約しました。お値段も49€と他に比べて割安です。

②のアプリは、インストールしておくだけでOK。アプリを開くとパスポート番号や氏名を入力する欄が出ますが、これは日本到着時に入力しても大丈夫です。

③は厚生労働省によるもの。帰国する便名やら座席番号など詳しく聞かれます。そして、最後にQRコードが出るので、これを印刷するか、画面保存します。到着後にQRコードの提示を求められるので、携帯で回答して、そのままスクリーンショットしておくのが一番簡単かなと思います。

現地でPCR検査を初受診

さて、帰国する前には何が何でも「陰性」の称号を得ないといけません。毎日、新規感染者が数千人出ているドイツにいるので、自分も知らないうちにかかっているかも?と疑問もあり、ここで潔白を証明したいところ。

coronatest.deは、中央駅出て右側、徒歩約2分の場所にあります。ミント色のホテル エクセルシオール横で、窓に大きく表示されているので、見つけやすいです。予約した11時の5分前に到着し、受付で予約内容のメールとパスポートを提示。

ホームページから予約できますが、重要なのが最初に届く予約内容の確認メールに記載されたURLをクリックすること。それで予約が確定し、英数字4桁の予約コード(Buchungscode)付きのメールが再度送られてきます。

受付後は、検査までの順番待ちとなり、待つこと約10分。予約コードのメールとパスポートを再度、お医者さんに提示。このとき、私は日本の証明書フォーマットを印刷し、ここに書いてもらいたいと伝えたところ、お医者さん曰く予約の際に、英語、ドイツ語のほかに日本語での証明書発行にリクエストをいれたからか、同フォーマットのものが検査後24~36時間後にメールで送られてくると教えてもらいました。

これで料金は€49.99。午前中に受けて、その日の夜までに証明書が発行されるSame Day PCRだと€79.99、30分以内に診断されるExpress RT-PCRだと€119.99といったように、お金を出せば早めの取得も可能です。日本大使館が紹介していた検査場のなかで、coronatest.de が比較的リーズナブルで、診断書もメールで送付されますから、使いやすいと感じました。

RCTという検査方法といっても、やり方が3種類(鼻咽頭ぬぐい液・唾液・鼻咽頭ぬぐい液と咽頭ぬぐい液の混合)あります。大使館では、鼻咽頭ぬぐい液と咽頭ぬぐい液の混合を指定していたので、それを選択しましたが、鼻に棒が思ったより長く入り、自分の鼻の長さに感激しつつも痛かったです。

あとからJALの人に聞いたのですが、ここで唾液の検査方法を選ぶと、日本の指定した検査方法とは違うので一発アウトだったとのこと。帰国する前から、既にひやひやです。

結果はメールで、土曜22時に届きました。検査を受けてから35時間後という、ギリギリ時間内に間に合わせてくるところがニクイです。無事に陰性だったので、これで一安心。証明書を印刷して、荷造りに励めます。

フランクフルト空港での流れ

帰国当日、フランクフルト空港にはターミナルが2つあり、主要はドイツルフトハンザ航空を筆頭にスターライアンスの航空会社が飛び交うターミナル1.一方の私が乗るJALはターミナル2で、コロナ前からガラガラな印象は、コロナ後も変わらず、ガラガラです。

チェックインで、パスポートと陰性証明書を提示し、アプリのインストールとweb質問票について確認。その後、免税品があったので税関に向かうと、普段は旅行客で長蛇の列を成しているのに、ガラガラ。職員も暇そうだな、と一瞬嫌な予感した途端に免税品の荷物提示を求められるという。普段だとスーツケースを一瞥するだけで完了な手続きが、細かく見られました。実際は2点ほどの確認で終わったので、大物や高価なものを1か所にまとめておくと提示しやすいです。

そして、空港内で苦労したのが免税手続き。ターミナル2だと税関の横に税金を払い戻してくれるカウンターがあるのに、閉鎖中でした。なので、出国審査を受けて、モノレールに乗り、ターミナル1へ。荷物検査もこなし、ターミナル1に到着すると搭乗客やお店もターミナル2より多く、賑やか。だから払い戻しカウンターもオープンしているのかと納得しました。

ちなみにターミナル1に行かずとも、記入した用紙を封筒に入れて郵送する方法でも大丈夫。ポストはターミナル2のチェックインゲート側にあります。

空港より事前準備が大変だったドイツ出国

PCR検査で痛感したのが、フランクフルト滞在で良かったという地の利。例えばベルリンやミュンヘンなど、フランクフルトより大都市な場所でも、そこからは日本への直行便が出ておらず、フランクフルトまでの移動時間を考えて準備をしないといけません。

万が一、陰性だったり、書類の不備があったりした場合は搭乗を拒否されることもあり、そうなった日にはここまで来た交通費や労力、それにこれからの対応を考えるだけで、どこに怒りと悲しみをぶつけてよいやら、途方に暮れてしまいます。

何はともあれ、無事に搭乗できて、ひと安心。ただし、再び試練の時が日本到着後から本格始動するのでした…。

【旅記事】コロナ禍x飛行機:東京→ドイツへ。機内・空港はどう変わった?

【旅記事】コロナ禍x飛行機:東京→ドイツへ。機内・空港はどう変わった?

新規コロナ感染者数が下降するなか、成田空港からドイツのフランクフルトへ飛び立ちました。
久しぶりの国外ですが、何がどう変わったのかをレポートです。

まずは久々の長距離フライトに、体はもつのか?と緊張と興奮を感じつつも、空の上は変わらず青くて、ドイツは秋の気配が感じられ、目の前の景色は輝いていました。

連日運行だったのが週3便に

成田空港からJAL407に乗り、フランクフルト空港へ。
以前なら毎日運航していた便ですが、今では週3便。それでも、直行便があるのはありがたいです。

9月末に搭乗し、その日の乗客は20名。
1つのエリアで4~5名という割合で、隣がいないエコノミー席は一気にフルフラットのベッドへ早変わり。

コロナ対策を徹底した食事

食事は和食か洋食(牛肉かお魚)の3種類。事前に予約をすればベジタリアンやハラルフードもいただけそうです。数に限りがあるためか、希望の食事が食べられないことも。なので、前列に座って早くリクエストするか、搭乗前にウェブでリクエストすると確実です。

食事は感染症対策を踏まえ、人の手に触れないよう徹底しています。袋やカバーにかけられ、自分で開封しますが、安心感と同時に少し寂しい気持ち。袋のままに入ったパンがホカホカだったのには驚きです。あとカトラリーも使い捨てじゃなかったのが嬉しい。9.11発生後はプラスチックがしばらく続いたので、あのときに比べたら、乗客に対する警戒心は低いのかもしれません。

ステーキはやわらかく、口の中でとろける至福の味でした。

巨大雲が迫る、ラピュタの世界

旅立つとき、東京は台風の影響を受けて曇り空が続き、その様子はロシア、シベリアの上まで。下界が見えないほど雲が厚く、ぼったりな積乱雲があちらこちらで控えていると、まるで雲たちの戦争をしているような、そんな迫力ある光景が続きました。

きっとパズーのお父さんがラピュタを発見したのは、こんな荒れ模様だったはず。今回はラピュタを見られませんでしたが、雲の中に帝国や建物が隠れていてもおかしくないと思えるほど、好奇心が掻き立てられる雲たちの光景でした。

着陸に近づくにつれて広がる田園風景

北海道と同じ緯度に位置するドイツの今の気候は、東京の1か月先くらい。
紅葉が始まり、ダウンジャケットや帽子の防寒道具から、クリスマスの準備が始まります。

眼下に広がる田園風景は黄緑に鳶色など、畑ごとに色彩がはっきりしていてパッチワークみたい。

ちょうど、雨が上がったばかりだったのか、雲も空の景色を引き立てます。見逃しそうな薄い虹も見られ、おぼろげに畑に架かっていました。

フランクフルトの正式名称は「フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)」。マイン川沿いのフランクフルトという意味です。物流はもちろん、ワインづくりの土地としても川の存在は欠かせません。

フランクフルトに近い、リューデスハイムというワインが有名な町では、川沿いにワイン畑が稜々と広がり、その歴史も古いことから世界遺産に認定されています。特に初夏は清々しい空気が纏い、私のお気に入りの場所でもあります。

川をぼんやり辿っていたら、目線の先にはU字型の湾曲した姿。アメリカのホースシューベント(Horseshoe Bend)を彷彿させるほどの急カーブに、きっと数々の船乗りを苦しめたのではないでしょうか。

到着後の入国審査の行方は?

フライトは順調に終了し、フランクフルト空港に到着。後半は、久しぶりのドイツの風景に終始興奮でした。やっぱり飛行機からの景色は美しく、国境とか関係なく広がる大地は、ここが1つの世界なんだと実感させられます。

食事がパッケージのまま出されたり、終始マスクを着用したりする以外は以前のフライトと変わりませんでした。フランクフルト空港では、JALはEU以外の国際線専用のターミナル2に停まりますが、入国審査が2か所のうち1か所のみオープン。そのためスタッフも少ないですが、そもそも乗客も少なく空港もガラガラなので問題なし。

日本は2021年9月24日以降より、ドイツが指定するハイリスク地域から解除されているので、以前まで申請が義務付けられていたデジタル入国登録(DEA)も不要。ワクチン接種証明書とパスポートを提示したら、あとは渡航目的も聞かれず、滞在期間と飛行機が混んでいたかどうかの質問に答えて終了。拍子抜けするほど、スムーズに入国でき、安堵です。

コロナで世界は変わったのかと聞かれたら、確かにワクチン証明や人の手に触れない仕様など、変化は確実にあります。でも、空席ばかりの飛行機や空港を見て、20~30年前と同じだなというのが私の感想。多分、世界は少しだけ時間を遡ったのかもしれません。便利が当たり前だった現代を強制的にリセットするために、もしかしたらコロナは現れたのかもしれません。

【旅記事】和歌山x動物園:いない動物はない「アドベンチャーワールド」

【旅記事】和歌山x動物園:いない動物はない「アドベンチャーワールド」

2021年夏に和歌山県南紀白浜にあるアドベンチャーワールドに行ってきました。
パンダが多いことで有名なので、パンダ館以外はないのかと思いきや、水族館やサファリパークもあり、予想以上の規模に驚き。
そして、イルカショー、アニマルショーなどショーも豊富。時間差で行われるので、すべてを網羅でき、見応えばっちりです。

一番人気のジャイアントパンダに会える「パンダラブ」

パンダラブという会場では、桜浜、桃浜、彩浜が暮らしています。この日は 、桜浜と彩浜が登場。

平日の昼間に訪れたおかげで、パンダの前には常に人がいるものの、じっくりと見ることができました。
到着後に早速パンダ、ランチを食べてからのパンダ、帰り際にもパンダと何度も立ち寄れるのが魅力です。
大体パンダたちは食事中かお昼寝中ですが、それでも目線をくれたり、寝返り打って落ちそうになったりと私たちを楽しませてくれます。

※2025年6月に全てのパンダが中国へ帰国しました。現在、パンダラブにパンダはいませんのでご注意ください

複数のペンギンが集う「ペンギン王国」

キング、ヒゲ、キタイワトビなど複数のペンギンが同じ水槽にいますが、私のときは大喧嘩が発生。水槽の端から端まで逃げ惑うペンギンに、しつこく口ばしでアタックし続ける様子は、ダメな亭主にスリッパではたき続ける奥様と重なりました。大人しそうに見えて、やるときはやるペンギンです。

イルカが空を飛ぶ「ビッグオーシャン」

最初に見たショー「マリンライブ」では、イルカやクジラが登場。会場奥が見通せるので、青空を背景にパフォーマンスするイルカやクジラは、本当に空を飛んでいるようです。

笑いあり、驚きありの「アニマルランド」

ショーでイチオシなのが「アニマルアクション」。時間があれば2回目も見たいと思えるほど、バラエティーに富んでいました。何と言っても出演する動物たちが多いのが魅力。芸達者なアシカに始まり、アザラシ、カワウソ、犬、ヤギ、猛禽類、フラミンゴ、ペンギンなどなど。まさに動物のオールスターです。ステージの脇を見たら、ペンギンが遅かったのか、お兄さんに回収されていてキュンとなりました。

駆け足で巡った「サファリワールド」

開園時間直後に入場したにも関わらず、ショーを網羅し、何度もパンダ館に足を運び、そして、鳥の楽園もしっかり堪能してしまい、時間を見たら閉園時間まで残り1時間。慌てて最奥のサファリワールドへ向かい、最後のサファリ号に滑り込みました。サファリワールドをゆっくり巡る列車タイプのサファリ号では、ウォーキングでは近づけない肉食動物も近くで見られるのが魅力です。

肉食動物以外にもシマウマやキリンなど草食動物もいるので、草食動物好きなら自分たちで好きなように巡れるウォーキングサファリがおすすめ。ウォーキングの場合、ライオンやチーターは柵外の展望エリアから眺めます。約50分をかけて、サファリワールドを一周するコースです。

ショーを見るか、推しにガッツリか。事前に作戦を

水族館、動物園、サファリと本来ならそれぞれが1つの施設として独立しててもおかしくない規模の「アドベンチャーワールド」。ゆっくり見ていたら1日で巡ることは難しいので、自分は何を見たいのかと計画を練っておくとさらに満喫できます。

動物のパフォーマンスは迫力抜群なので、それぞれのショーを見つつ、合間に動物を見て回るのも1つの手。東京から始発の便で入園し、閉園とともに最終便で帰る日帰りプランを敢行する猛者もいると聞きますが、そうしたくなる気持ちも分かる充実ぶりです。

動物園などテーマパークのチケットに興味ある方はこちらのサイトで詳細を調べることができます。
https://tickepara.jp/categories/theme-park/information
よければご参考ください。

長野x看板猫:看板犬の取材とは一味違う猫ちゃん

長野x看板猫:看板犬の取材とは一味違う猫ちゃん

楽天トラベルさんでは、毎年看板犬と看板猫ランキングという人気企画を実施しています。毎日一緒に暮らす飼い主さんが撮る写真って、わんちゃん、ねこちゃんもリラックスしていて、どれも可愛い!この子たちに会いに行きたい!とお客様も実際に足を運ぶので、看板犬・猫の経済効果は無視できません。

ここ数年、看板犬1位のお宿を訪ねて、看板犬の仕事ぶりに密着した記事を書いています。

2018年はジーナちゃん 『看板犬ランキング1位のジーナを密着取材!散歩に接客に大忙し』

2019年はジェリーくん 『看板犬ランキング1位のジェリーを密着取材!ムードメーカーは今日も爆走中』

さすが、ホテルにお勤めのわんちゃんだけあって、人にも慣れています。私のように普段、動きが少ないものを撮る側にとっては大助かり!(看板犬のみなさん、ありがとう!)

そして、今回は初めて看板猫1位のお宿にもお邪魔してきました。

『看板猫ランキング1位のハチは今日も元気120%でお客様をおもてなし!?』

猫ちゃんって、写真に撮り慣れていないので、事前に色々と調べました。

  • ISO1000~2000(maxでも6400)
  • 絞りはf2.8
  • シャッタースピードは、動きありで1/800~1000。動きなしは1/125~180
  • 黒目を大きく撮りたいなら暗い場所
  • ピントは瞳に合わせる

実際はその場で修正して修正して修正でした。まず犬と違って、猫の動きって本当に素早い!そして、暗闇を好むので、明るさの調整にも四苦八苦。

綺麗な青い瞳!と、シャッターを押してても次の瞬間には

ブレる。
ISO2000なのになぁ。(シャッタースピードが1/15だから当然ですけど…)

あくびを捉えた瞬間のは、ISO4000、シャッタースピードは1/30。
もうISOは4000~5000,動きアリなら最高の12800もいとわないと決心。

そして、肝心のランキング1位を獲得した主役が登場したときは、わかりやすくISO5000~12800、シャッタースピードも1/200~250を維持。この子の写真が撮れなければ仕事になりませんもの!

背に腹は代えられないほど追い込まれ、何はともあれピントが合った写真を撮るためにカメラのスペックを最大限に頼ります。ありがとうとカメラに感謝です。本当にお世話になりました。

ISO5000まで上げているのに、シャッタースピードが1/100~160と意外と上がらない。ISO12800だと、シャッタースピードは1/200~250なので心強いけど、ノイズが心配…というジレンマ。

ISO12800と5000の写真を比べてみると、やっぱり拡大すると黒い部分など粗くなっています。

左がISO12800、 右はISO5000。
でも、動いている瞬間を撮りたいならISO12800でピントを優先に。

この猫パンチが決まった写真は、ISO4000、シャッタースピード1/160、f4.5。腕がちょっとブレて撮れたので、躍動的な感じになりました。

岩合光昭さんのアドバイスいわく、目線を猫に合わせるために遠くからほふく前進で近づくとのこと。警戒心が強い猫ちゃんだからこそ、数時間で決めることはせず、常にチャンスを狙う姿勢でいることを学びました。おかげさまで同じ場所で看板猫たちをそれぞれ撮影。

レンズやシャッター音を怖がる猫ちゃんも多いので、携帯の無音カメラやTheta360という手のひらサイズのカメラも持参したんですけど、どれも猫ちゃんの素早さにノックアウト。

遠くからISO5000、シャッタースピード1/200以上で狙う日々が続きそうです。何はともあれ、新しい経験はいつでもありがたいもの。改めて動物写真家さんの忍耐や能力に尊敬。そして、やっぱり動物は可愛いかったです。

【TIPS】専門家が教える、コロナ禍で航空券を買う前に確認したい9つのこと

【TIPS】専門家が教える、コロナ禍で航空券を買う前に確認したい9つのこと

ワクチン接種に伴い、夏休みに向けてホテルの予約数が世界中で多くなってきました。移動範囲が広がったり、規制が緩くなったりすることは嬉しいことですが、それでも、2~3年前と同様の旅スタイルにはならないはず。

TRAVEL+LEISUREでは、航空券を購入する前に気を付けたいこと 「9 Questions to Ask Before Booking a Flight Right Now, According to Experts」を紹介。先行きが分からないからこそ、柔軟に対応するためにもご参考になれば嬉しいです。

1.航空券が実施するコロナ対策に協力できる?

数年前と比べて、劇的に変化したことが感染拡大防止を目的とした行動や応対を航空会社が搭乗者に求めていること。マスク着用や手指の殺菌などをはじめ、航空会社によってポリシーが異なり、厳しかったり緩かったり。

なので、専門家の方いわくチケットを購入する前に航空会社のホームページなどをチェックすること、さらに搭乗1週間前になったら最新情報を確認しておいた方が当日慌てずに準備できるとおすすめしています。

2.満席の機内でも大丈夫?

人混みや満員電車を見て、躊躇してしまうのは私だけでないはず。今でこそソーシャルディスタンスを維持できる収容率を実施してますが、いずれは100%に戻る日が来るかも。その時に自分はどう思うのか…。ちなみに航空会社によっては座席が7割埋まったら、無料で便の変更ができるサービスもあります。

3.目的地に着いてもすぐに行動できないかも?

これはアメリカ国内の話ですが、都市によっては14日間の隔離期間を設けている場合もあり、旅行スケジュールにも影響します。

日本に住む私たちにとって、海外から日本に帰国する際に14日間自宅待機を求められる可能性もあるので、目的地と併せて日本の事情も調べておいた方が良さそうです。

4.欠航した場合の対策と返金は?

座席の利用率によっては便が欠航したり、直行便だったのが経由して向かう羽目になったりすることも。なので代案を考えておいた方が心強いです。さらに予約の際、出発当日の変更でも同日で対応できるように午後便より午前便を選択した方がおすすめです。

また安い航空券だとキャンセルした場合、返金が生じない可能性があるのでご注意を。2021年に関しては、変更可能で返金もされる航空券の方が安心です。

5.普段より早めに空港に向かえるか?

以前に比べて空港は人も少なく、開店しているお店も少ないですが、荷物検査や搭乗の際に消毒作業が随時行われ、ソーシャルディスタンスを維持しつつなので、普段以上に時間を要することも。ピーク時にはいつもより30分~1時間早めに空港に到着するようにしましょう。

6.航空会社の対策は?

感染を抑えるためにも多くの航空会社が除菌や消毒を徹底し、ひと昔前に比べたら格段に清潔になったかと思いますが、それでもどんな換気システムが機内で使用されているのかなどを調べておけば安心です。

専門家の方は、True High-Efficiency Particle Filters” (True HEPA) とHigh-Efficiency Particle Filters (HEPA) の2つのフィルタなら、15~30分で空気の総入れ替えが完了すると挙げています。

7.訪問先の受け入れ体制は?

国によっては14日間の隔離期間を設けているほか、書類の記入を義務付けている場合もあります。それに多くの国がコロナウィルスの陰性証明書の提出を求めていますので、飛行機に乗る前にPCR検査などを受けられるかの予定確認も必要です。

8.補助金などの制度を活用できないか?

アメリカでは、経済施策としてthe Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security、通称Cares Actの影響で航空券が若干安くなったといいます。日本でいうならGo Toのように、補助金などで通常より安く購入できる場合もあるので、自分の航空券が該当するかどうか、購入するのに今が良い時期かどうかも併せて検討してみた方が良いかもしれません。

9.機内の飲食サービスはどんなもの?

長時間のフライトほど飲み物や食べ物が重要になってくるので、どのような機内サービスがあるかを知っておけば事前準備もばっちりです。飲食が敬遠されがちなので、ちゃんとした食事よりは軽食と飲み物のみのサービスが長期間で実施されるのではないかと予想されています。

状況が変わるのが悪いことではなく、今まで以上に機内が綺麗になったり、補助金のおかげで安く旅行できたりなど、私たちにも恩恵がありますから、新しい旅のスタイルとして上手に付き合っていければ良いですね。

愛知x日本の西洋建築:文明開化の余熱が残る「博物館明治村」

愛知x日本の西洋建築:文明開化の余熱が残る「博物館明治村」

愛知県犬山市にひっそりと佇む「博物館明治村」。
緑の自然に囲まれた一帯には、石造りの巨大建築が点在し、特異な雰囲気を放っています。

もともとはフランク・ロイド・ライトが手掛けた帝国ホテルが気になって訪れましたが、
日本人が建設したとは思えない教会や銀行、それに監獄に民家など幅広い建物群は見ごたえ十分。
積極的に西洋技術を取り入れ、でも、日本が培ってきた技術も活用した時代。
新しいものが誕生する際に派生する、とてつもないエネルギーが今も建物の随所に息づいています。

博物館明治村とは?

明治時代に築かれた洋風建築を保存・展示している野外博物館。
重要文化財11件をはじめ、67件の建造物が移築されています(なかには海を渡った海外で建てられたものも)。

見学する対象が建物だけあって、敷地は広く、一日ですべてを見るには一苦労。
建物のアナウンスを聞きながら周回できる村営バスの利用がおすすめです。

帝国ホテル中央玄関

関東大震災の日にオープンするはずだった帝国ホテルは思ったより高さがなく、横広な印象。
大谷石をつかったロビーは吹き抜けで、各階の高さが低いからミルフィーユみたい。
でも、家具なども残っていて細かな装飾がすごいです。

高田小熊写真館

高田小熊写真館は洋風木造二階建の写真館。
光を取り入れるため、屋根を全面ガラス張りにするなど当時の取り組みがうかがえ、その甲斐あって建物も明るく開放的。
文明開化の花形職業として高収入と名声を得ていたなんて信じられないけど、でも、始まったばかりの文化が発する熱の余韻がありました。

金沢監獄中央看守所・監房

八角形の中央看守所を中心に、舎房が放射状に伸びてて見通しが良いです(逃亡を防ぐためだから、当然と言えば当然だけど)。
機能的な建物って、かたちが美しくて、それだけにここが監獄として使われていたなんて俄かに信じがたい。
普段見ることがない建物に触れられるのも博物館の醍醐味ですね。

内閣文庫

明治政府の中央図書館。まるでヨーロッパやアメリカ東海岸に建っていても不自然じゃないほど。
日本=木、欧米=石 の建物なので、国内でこんな建物が軒を連ねていたら、そっちの方が違和感ありそう。

大明寺聖パウロ教会堂

長崎県にあった大明寺聖パウロ教会堂は、歴史の生き証人ともいえる建物。
普通の農家屋敷に鐘楼が軒先に備え付けられた、馴染みのある外観が一歩内部に入れば一変。
ゴシック様式で見る、交差リブヴォールトが施されていますが、日本らしいのが木材でつくられているところ。
さらに漆喰も塗り重ねられていて、だからこそ、石に比べて柔らかみが感じられます。

時はキリスト教禁制の影響が残るころ。
情報が少なく緊迫もあるなか、外観と内装を工夫したり、細部まで愛情と情熱をもって取り組んだり。
この教会堂は長い年月の間、色々な人の想いを受け止めて、見守ってきたのでしょう。

聖ザビエル天主堂

日本で有名なフランシスコ・ザビエルを記念して建設された聖ザビエル天主堂。
壮大さに圧倒されますが、目を引くのが色鮮やかなバラ窓。
フランス人神父が本国から取り寄せた設計原案を日本人が手掛けたと聞き、納得。
バラ窓といえば、やっぱりこの国です。

ここに訪れるなら晴天日和の午後。
太陽光を浴びたステンドグラスが建物内部を照らし、儚くも美しい奇跡を目撃できます。
満ち足りた空気に包まれ、穏やかなひとときを。


<博物館明治村の基本情報>
住所:愛知県犬山市字内山1番地
営業時間:9:30~17:00の間
*訪問する月によって異なりますので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
定休日:不定休
アクセス:「名鉄犬山駅」下車し、バスにて約20分(名鉄電車・バスとコラボしたフリーパスも販売)
名古屋「名鉄バスセンター」・「栄」から明治村行きの高速バスが毎日運行
https://www.meijimura.com/


【TIPS】キャビンアテンダントが明かす、これを着たらアップグレードしてもらえるかも?

【TIPS】キャビンアテンダントが明かす、これを着たらアップグレードしてもらえるかも?

「もし、よろしければ…」とチェックイン時に放たれる、魔法の言葉。ご褒美ともいえる、無償のアップグレードの提案は都市伝説ではなく、実際に起きたりします。

そして、この時ばかりは日ごろの行いに感謝したり、長年のポイ活(ポイント活動)が報われたと思ったりするかもしれません。しかし、その可能性の理由に、服装が関係している…とキャビンアテンダントさんが記事で明かしています。

その人の服装が、アップグレードを申し出る際の判断基準になるとのこと。窮屈な機内だからこそ、利用する側にとってはトレーナーやジーンズなど肩肘はらないものを選びたいですが、それだと快適さは手に入ってもサプライズの神様は逃げてしまいます。

では、どんな服装が効果的なのか?ジャケットチノパン、それにシャツワンピースなどが理想だといいます。

固すぎず、緩すぎず、ビジネスカジュアルをイメージすると良いかもしれません。なので、色も黒など落ち着いた色合いがおすすめ。ブランド服にこだわらず、見た目が落ち着いているかが重視されるとのことです。

最近ではストレッチ素材が効いた服もあり、こういう服はコンサートに行ったり、レストランで食事したりと旅行先でも役立ちます。ファーストクラスでも通用する服を用意することが、アップグレードへの第一歩。みなさん(そして自分も)の夢が叶うことを願って!