2025年の振り返り。まだまだ新しいこといっぱい

今年も残すところ、あと数時間。届くメールの数が少なくなることで、大型連休を実感してます。
毎年、1年を振り返っているのですが、感想は「あっという間」の一言。
春にやっとお正月気分を抜けたと思ったら、自分の誕生日で1年は既に半分過ぎたことに慌て、そのまま秋冬を過ごすという。
本当に時間が足りない。あれもこれもと取り掛かりたいことはたくさんで、学生時代は何で学校に行って、部活をして、テレビを見て、それでゲームをする時間もあったのだろうと途方に暮れます。
常にヒーヒーですが、2025年は本当にヒーな1年。
老後の趣味にとっておいた通訳案内士の仕事ですが、あまりにもインバウンドが凄すぎて、遂に声がかかりました。
いただいた仕事は断らないのが信条。
歴史とか英語とか記憶の彼方でしたが、下見したり、先輩方のお知恵を借りたりで、ガムシャラになりました。
毎日が一期一会で貴重な瞬間と言えば聞こえは良いけれど、私にとっては毎日が勝負。
前日は緊張で寝られず、当日は脳内フル回転、その日の夜は記憶にございません。
とりあえず10本のツアーをこなせたら良いなぁとうっすらと思っていたら、本当にクリスマスイブに10本目を迎えて、このギリギリで実現するのが私らしいです。
その分、ライターの仕事は少し落ち着きましたが、コラムの連載もどうにか続けられ、40本近く記事を書くことができました。
本音を言えば、もっと書きたいことはあるのに脳と手が追い付いていなくてやきもき。
もう変なプライドは捨て、AIさんと一緒に協働しながら、世界中の素敵な場所や人をまずは世の中に伝えていきたいです。
カメラマンとしての仕事が今年は増えた分、自分の未熟さも痛感した1年。
ちょっとずつでも良いから周りの力を借りて、より良いものを作っていけたらなと思っています。
常に新しいことを経験できるのは本当に幸せなこと。この気持ちで2026年も色々と経験していきたいです。
こんな私ですが、どうぞよろしくお願いします!
2025年のハイライト
- 世界最大の旅行博「ITB」に初参加
- イタリアのドロミテで発見した宿の夕食が破格の4€
- 阪神タイガースvs シカゴ・カブスの試合観戦
- 通訳ガイド・都内デビュー
- JR四国さんとのご縁で休暇村さんと初仕事
- アイスホッケー初観戦で未知の世界に衝撃
- レイカーズとドジャースを満喫
- イエローストーン国立公園に上陸で地球を感じる
- バイソンと幸運な2ショット
- ハイパーエネルギッシュな同級生たちの同窓会を実行
- 飛行機の便名を間違えて伝える大失態
- カメラマンとしてホテルを撮影
- インバウンド向けのレンタカー記事を英語で作成
- 通訳ガイド・鎌倉デビュー
- もう来ないと思っていたモロッコがとどめの3回目
- 帰国日当日に送迎をドタキャンされる
- 東欧開拓の一歩、ボスニアを訪問
- 通訳でグレンミラーオーケストラの日本ツアー参加
- 大阪万博を3日間行脚
- 学生時代のバスケ部の先輩と卒業ぶりに再会
- スノボで公認セイフティパトロールの資格ゲット
- 通訳ガイド・箱根デビュー
- 七五三の晴れやかな姿をカメラマンになって撮影
- ベトナムのダナン、ハノイ、ハロン湾を回遊
- 皮膚細胞を摘出する手術が成功
記事一覧
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今年は富士五湖にご縁があった1年でした。
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絶景の阿寒湖とタンチョウを満喫!冬の北海道・阿寒おすすめ観光スポット
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東京ディズニーランドがお菓子の世界に大変身!「ディズニー・パルパルーザ」体験レポート
【2025年】春休みはダッフィー&フレンズの世界へ!東京ディズニーシーでスペシャルイベント開催!
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楽天トラベルアワード常連宿「大池ホテル」で富士山の絶景と温泉、そして山梨の魅力を発掘する滞在を
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旅館甲子園グランプリ「秀花園 湯の花膳」で味わう最高のおもてなし
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土人形で巡る日本!長野「日本土人形資料館」で知る伝統工芸の世界
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■中国
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ドイツx世界最大のツーリズム展示会:ITB Berlinを視察!旅行のトレンド、ヨーロッパ発の旅行は日本と何が違う?

旅行にまつわる情報から最新技術、そして世界中の観光局が自国をアピールするために集った「ITB Berlin」が2025年3月4日~6日に開催されました。ツーリズムに関する展示会としては世界最大級。ドイツのベルリンで開催されたとあって参加者の大半がヨーロッパ出身。日本の旅博やツーリズムEXPOとは一味違い、ヨーロッパ目線の旅行を肌で感じてきました。
ブース規模で知る、ヨーロッパとの関係

ITB Berlinに参加する国の数は180カ国以上と、これはほぼすべての国がこの展示会場に集結していることを意味します。ヨーロッパはもちろん、アフリカ、アメリカ、アジアとエリアごとに会場は割り振られ、日本での旅行博と異なるのがアフリカと中南米の規模です。

ケニア、南アフリカ、タンザニア…。ブース自体も大きいですが、旅行会社やホテルなど、ありとあらゆる関係者がデスクで商談中。日本からだとアフリカは遠い国ですが、ヨーロッパにとってアフリカは日本にとっての東南アジアかオーストラリアか。

日本の展示会で見たブースとは全然異なる手の込みようにアフリカの本気が感じられます。


モロッコでは有名なミントティーが振る舞われ、奥ではライブ音楽も。同じアフリカ大陸でも南と北でまったく異なる雰囲気です。

日本にとって最遠の南米もヨーロッパなら大西洋を渡ればすぐ。ペルーのブースでは名物セビーチェの作り方を実演。魚介をつかったマリネですが、実は生の魚を使うようになったのは日本の影響だと紹介し、その事実に驚きです。生の魚を食べることに関して、日本はファーストペンギンだったんですね。

ペルーでは先住民の方による生歌も披露してくれました。

ヨーロッパエリアは参加国も多いので何カ所かに分かれていますが、その振り分け方も興味深かったです。バルト三国、北欧が集まる会場にオランダ、イギリスも。ほかのフランスやスペイン、イタリアなどヨーロッパの多数とはかなり離れた場所に割り振られていたので、なぜ距離を置くのかな?と疑問を感じてしまいます。ヨーロッパの中でも事情が色々とありそうです。

ちなみにヨーロッパで一番長蛇の列だったのが、イタリア北部にあるベネト州のブース。アンケートに答えると手作りのジェラートを振る舞ってくれます!

まろやかなバニラ味と酸味のあるベリージャムの組み合わせは格別で、ジャムの量を調節しながら味の変化を楽しめました。


ブルガリアでは人気のワインと一緒にサインやチーズのオードブルも。盛り付け方がおしゃれです。

ひまわりが有名なスペインのアンダルシア地方は奇抜なブルーのネオンライトによる演出で、真夜中のクラブさながらの雰囲気。太陽の国とは異なる印象です。
アジアブースの花形はタイ

ヨーロッパにとって遠いのが、私たちのいるアジアです。それでもドイツ人にとって人気旅行先のスリランカはブースが大きく、多くの人が訪れてました。以前、スリランカに行った際、宿泊客の8割がドイツ人だったことに驚きましたが、アーユルヴェーダなどウェルネスが好きなドイツ人にとってはまさに理想の休暇を過ごせる場所です。

そしてスリランカ以上に勢いを感じたのがタイでした。ブースはアジア全体の1/3を占めているのではないか?と思えるほど。さすが観光先進国です。

一角にはムエタイのリングも。時間帯によってはムエタイのショーも実演していて、どうしたら観客が集まるかも抜け目がないです。

日本もブースを出していますが、タイはもちろん、韓国より小さめ。ヨーロッパからの集客って難しいんだなっと実感したスペースでした。

それでも時間帯によっては訪れる人の名前を漢字で書いてプレゼントするパフォーマンスが行われ、もらった人たちは大喜び。その笑顔にこちらもほっこりです。

展示会ではフードトラックが登場し、世界中の食事を提供しています。ベルリン名物のカーリーブルストといったソーセージや、手軽なホットドッグ、メキシコ料理のブリートーがありますが、大盛況だったのがベトナム料理。近くを歩くと香辛料が漂い、急にワープしてアジアの一角に来たみたい。匂いの力、すごいです。
「ウェルネス」「LGBT」が急浮上

ブースを出展しているのは国だけとは限りません。ヨーロッパではウェルネス(健康)をテーマにした旅行が最近の流行りのようで、国をまたいだ温泉同好会の姿も。意外とヨーロッパには温泉地も多く、宿泊と温泉、そしてマッサージも付いたパッケージプランを販売しているのだとか。これならヨーロッパの旅行者を日本の温泉地に呼び込むこともできそう。ただヨーロッパの方はお湯がぬるめなので、そこだけ注意です。

あとLGBTのブースもあり、予想以上に規模が大きく、日本からも京都のホテルが出展していました。最近、日本でもLGBTの方々からガイドのご依頼が入るなど身近な存在に感じています。特別なケアや知識は無知なので、機会があれば知っておきたいものです。
旅行もAIが大活躍

期間中は3つのステージが設けられ、スピーチやディスカッションも行われます。人気だったのがBooking.comの〇さん。AIがどう旅行業界に影響を与えるかがトピックで、AIは人類を進歩ではなく進化させると明言。実際にBooking.comでも検索サービスに組み込んでいます。例えばホテルを探す際に家族構成や好みの条件を伝えることで世界中からおすすめのホテルを提案するのも近々で実施予定らしい。国を絞る必要もなく、予想外な提案もしてくれるので、より選択肢も広がりそうです。

今回、初めてITBに参加しましたが、この期間中のみベルリンのホテル代金が2~3倍に値上がりし、それだけでもこの展示会の影響力が分かりました。新たな国の情報やヨーロッパでの旅行事情を知ることができたのも収穫。一人ひとりの好みで同じ目的地でも全く異なる内容になるのが旅行の醍醐味。これからも世界を開拓し、まだ見ぬ魅力を発掘していきたいものです。
隠岐の島x12年ぶり:「隠岐古典相撲大会」1勝1敗の真剣勝負

深夜2時でもおかまいなし。夜を徹して肉体と肉体がぶつかり、呼び出しの声が宙に響きます。清めのはずの塩が雨のように力士に降り注がれるも、それは叱咤ではなく激励の証。2024年9月14日に12年ぶりに開催された「隠岐古典相撲大会」は、日本国内でも滅多にお目にかかれない神事なのです。
神事としての相撲大会

相撲の起源を遡れば、それは古事記や日本書記をたどり、はたまた神話の時代まで。天照大神より遣わされた神様が力比べで相手を投げ飛ばしたことが起源と聞けば、神々の島と呼ばれる隠岐の島でお相撲が盛んであることはまったく不思議ではありません。

日常から相撲大会が開催され、島内には土俵も多くある隠岐の島。しかし、「隠岐古典相撲大会」は島で何かおめでたい事が起きた時のみの開催。それは新しく病院が設立されたり、ダムが竣工されたり。2024年は町政20周年を記念し、12年ぶりの開催が決定されましたが、次回はまだ未定です。
幻想的な夜の土俵入り

特徴的なのが夜通しで相撲が取られること。17時に始まり、若手から徐々に年齢や重量が上がっていきます。

地区の若者が出場するのだから、その地区の先輩、お母さん、お父さんはもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんといった大勢が気持ちを込めて応援。22時に訪れてもまだまだ熱気は冷め止まない雰囲気で、この調子が一晩続くことに島民のお相撲に対する熱意が感じられます。

お相撲は一番勝負ではなく、2回行われるのもポイント。これは勝ち負けをつけず、1回目に勝った人は2回目に負けることで1勝1敗にするため。勝ち負けをつけず、引き分けにすることから人情相撲とも呼ばれています。その後、お互いの健闘をたたえるために担ぎ合います。

とは言っても、最初に負けたい人はいないのだから1回目の取り組みは真剣勝負。力士、観客ともに熱の入りようが明らかに異なり、固唾を呑んで見守ります。

他にも特徴なのが、「飛びつき五人抜き」と呼ばれる1人が5人を連続で倒すまで終わらない取り組みのこと。屈強な力士1人を倒すのでさえ骨が折れるはずなのに、それを5人連続で戦うのは壮絶を極めます。3人目、4人目の時点で本人はふらふら状態。それでも挑んでくる相手を返り討ちする雄姿に会場はさらにヒートアップするのです。

土俵入りの際、屋号などを呼ばれますが、その際に必ず聞くのが「おっつぁん」もしくは「あんさん」という言葉。実はこれは長男もしくは次男以降を示していて、結婚相手を探すのに役に立った昔の名残です。移動手段が不便だった当時は、どの地区にどんな人がいるのかも分からなかったため、島民全員が集まるこの機会に自慢の息子をお披露目するのにも隠岐古典相撲大会は一役買っていました。








佳境を迎える翌日

相撲大会に出場することは名誉であり、大関や関脇といった役力士なら尚のこと。闇夜に浮かんでいた土俵が、徐々に空が明るくなり、会場全体が太陽に照らされると、夜通し取り組みを行っていた力士も、それを見守っていた観衆も極限の状態に。徐々に登場する力士の年齢が上がっていき、迫力が増していきます。

最後を飾るのは、もちろん正三役。関脇、大関はこの舞台に上がるまでに相当な量の稽古を積んできたのは明白。その敬意を表して、相撲が終わると土俵の四隅に建てられた柱を抜き、力士はその柱にまたがって、かつがれたまま自宅へと帰ります。そして柱は家の誇りとして軒先に飾られていくのです。

夕方から翌日の午後まで行われる「隠岐古典相撲大会」。取り組みの数は300を超えると聞き、撒かれる塩は1トンにも及びます。力士が主役でもあるこの大会ですが、全力で力士の名前を読み上げる呼出、一瞬も見逃さないよう目を凝らし続けた行司、声援と塩で力士を鼓舞し続けた島民と、誰一人欠けても成り立ちません。熱気が渦巻いていた土俵では、きっと神様も固唾を飲んで見守っていたはずです。
















ドイツx世界最大級の見本市:「アンビエンテ」で発掘!未来のヒット商品

クリスマスを終え、春が訪れるまでの静けさが漂う2月のフランクフルト。しかし、見本市(メッセ)会場は朝から晩まで熱気に包まれ、大賑わい。東京ドーム6個分に近い敷地内では約4,000社の企業が自慢の商品を披露し、世界中のバイヤーに向けて猛アピール。インテリア、キッチン用品、文房具、雑貨など、ありとあらゆる品々が並ぶ様子は圧巻で、巡っているとアイデア商品からお国柄が表れるもの、それに世の中の流行が見えてきます。
アンビエンテとは?

アンビエンテ(ambiente)は、ドイツのフランクフルトで開催される見本市(メッセ)の名前です。毎年1月末から2月初めにかけて行われます。

見本市にはテーマがそれぞれあります。例えば、ラスベガスのCESはIT/テクノロジー、東京のジャパンモビリティショーだと自動車。しかし、アンビエンテの場合はconsumer goods=消費財ということで、つまり消費できるものなら何でも!と、とにかくテーマが幅広いのが特徴です。その中でもインテリア、キッチン用品、文房具などのカテゴリに分けられ、複数の会場で開催されます。


出店する企業は4,000社にもおよび、5日間にわたって開催されますが、来場者は10万人近くも。世界進出を目指す企業が出展し、掘り出し物を探しに世界各国のバイヤーが訪れるという、まさに世界の名品と目利きが集結した舞台なのです。
まず個人的ヒット商品をご紹介

生活に彩りを添えてくれるアイテムばかりなので、専門知識がなくとも楽しめるのがアンビエンテの魅力。こちらのガラス製品はドングリとアーモンド専用の花瓶。種がフィットするよう開口部がデザインされ、密閉しているため下部の水は空気にふれないから1年間は水を代えなくて良いというのだから驚きです。既に日本の卸売業者とは契約済みなので、ご自宅で使っている方もいるかも?

ひっくり返ったパラソルがランプになっているというアイデア、デザインどちらもかわいいインテリア。傘を持っているお姉さんのファッションも素敵で、子ども部屋や大学の寮、雑貨屋さんにも似合いそう。


カラフルなフェルトが舞うモビールも癒されます。ニュージーランド産の羊毛をネパールで作り上げていますが、企業はデンマーク出身というグローバルな環境。天井空間を活用したグッズは場所も取らずに部屋の雰囲気を和やかにしてくれるので、結構好きです。
エコと茶器が会場を席巻

SDGsやら環境問題はもはや流行ではなく、商品を生み出すにあたって前提として取り上げる話題になっています。こちらのキッチン用品は材料のアルミをリサイクルして誕生したもの。環境面はもちろん、デザインでも目を引く商品がどんどん登場していると実感です。

食器エリアを見ていると、茶道に使用されるお茶碗や日本の伝統工芸品の鉄瓶をよく見かけました。ティーカップ、ケトルが主流ですが、暮らしに良いものを求めているのも世界的な傾向なのかも。見本市だけでなく、町を歩いていると茶器を扱っている専門店を見る機会も多く、茶葉専門店では茶道一式を購入している人も見かけたので、抹茶は意外と広く認識されていそう。キットカットなど抹茶のお菓子も一役買っていそうですね。
グッズで感じる、お国柄

世界各国の企業が出展しているということで、日本ならお箸やお茶碗といったその国の日用品も多く登場。とは言っても、ドイツの強靭なビアカップは日本にとっては滅多にお目にかかれない珍しいもの。物を通して、その国の風習や文化が見えてくるのも面白いです。

こちらもドイツの企業。大小さまざまなブラシは細かく用途に分けられ、毛の硬さも異なります。まさに職人を重宝し、掃除好きのドイツならでは。

ピザを焼く際に使うピザピール。日本で見かけませんが、イタリアではこんなに種類があります。

遊び心が感じられる食器もイタリアらしく、色使いも素敵です。

スイスの名物料理、チーズフォンデュの一式セット。日本のお鍋みたく、皆で囲む家庭料理ということが新鮮です。


日本以外のアジア勢もブースを出展しています。特に規模が多かったのがベトナムなど東南アジアによるカゴグッズ。会場もアジアとアフリカの企業が集中していたので、ヨーロッパではなくアジアの青空市場にいるような雰囲気が出てました。

石製品はヨーロッパ、木製品はアジアというイメージを再認識。

レトロ柄がキュートなセラミック食器。中国もしくは韓国の企業で、色使いだけでアジアっぽさが伝わるから不思議です。
展示方法もユニーク

ブース自体のデザインも、歩いていると企業ごとに個性が出ていて楽しめます。ファッション関連だと、店舗で見るディスプレイと遜色なく、手に取ることが物の価値を知る一番の方法だと訴えているよう。

歩いている際、度肝を抜かれたデザインがこちら。一見すると、普通のダイニングテーブルですが、実は壁に張り付いています。90°回転している光景は、まるでだまし絵みたい。この発想と実現できた技術にあっぱれです。

ブースなの?バーなの?と困惑したくなるほどスペースを広々と使っているのも日本の見本市ではあまり見ない光景。商談はカウンターバーでワイン片手に行うのでしょうか。混雑な雰囲気を微塵も感じさせない、優雅な空間です。
みんな大好き、文房具

文房具が人気なのも世界共通のよう。ブースでは新しい絵の具や道具を使って、アーティストによるライブパフォーマンスが行われます。最新鋭のものが並ぶ一方、ラッピングや装飾品として使われる紙の美しさは今も昔も変わらずで思わずため息がでます。

ノートやメモなどヨーロッパらしい柄の文房具が並ぶ片隅にあったのが、その名も「オリガミ(ORIGAMI)」。山折り、谷折りを組み合わせて、理想の形に導くオリガミはNASAも活用しているほどで、この言葉が万国共通になる日も近そう。

ヨーロッパだと学校への入学時期が秋ということで、それに合わせての商品も勢ぞろい。
キッチン用品は美の宝庫


使いやすく、見た目も美しいカトラリーは技術と美しさの結晶。ナイフの刃の長さ、スプーンの大きさ、柄の手ざわりなど、見た目は似ていても細部のこだわりが違いを生み、ここまで種類が多いのかと驚かされます。

クッキーの型も多種多様で見ていて面白いです。大きいサイズのものとか、焼き上がりを想像するだけでロマンが感じられます。

調味料、香辛料もさまざま。オリーブオイルにハーブを混ぜたり、チリで辛くしたり。ディスプレイも美しいブースでした。
今年のクリスマスが既にスタート

アンビエンテと同時期にその年のクリスマスに向けた見本市、その名も「クリスマスワールド」が開催されます。クリスマスが終わった直後ですが、意識は既に今年の年末へ。いかにヨーロッパではクリスマスが1年を締めくくる大イベントなのかが分かります。

電飾はもちろん、ツリーに飾るオーナメントなど、クリスマスを盛り上げるグッズがずらり。千年以上も続く伝統行事でも、その年その年でトレンドがあるなど、日々進化していることに驚きです。
締めくくりはライブパフォーマンスで華々しく

規模と影響が桁違いのアンビエンテ。主催者は一年前からメールで特徴を伝えたり、開催後の総括を報告したりと、常に忘れられないようにしている工夫が印象的です。最終日になると各ブースでは荷物を減らそうと展示品を販売し、バンドメンバーが生演奏を披露しに各会場をねり歩くといった小粋な演出も。まるで世界が集結したようなお祭り騒ぎな5日間。ここで見初められた商品があなたの手元に届く日も近いかもしれません。
2024年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
コロナ対策x日本帰国:陰性証明が不要!My SOSの後継でファストトラックが登場

2022年11月末にバンコクから日本に帰国しました。10月上旬よりワクチンを3回以上接種済みであれば出発72時間前からのPCR検査が不要となって以来の初海外渡航です。
帰国前にワクチン証明書をウェブ登録しておけば、到着してからもスムーズに空港から出られます。その早さはコロナ前と同じくらい。以前より使用していた「My SOS」(詳細は2022年4月、8月の投稿で)ではなく、「Visit Japan Web」から行うのが新しい点です。
Visit Japan Webとは?
今回新たに登場した「Visit Japan Web」とは、デジタル庁によるサービスで、海外から日本に入国する人たち(外国籍・日本国籍の両方)の検疫・入国審査・税関申告の手続きを事前に行うものです。

アカウントの作り方
方法は、まず「Visit Japan Web」のサイトで自分の情報を入力していきます。ウェブ上で行うのでパソコン、スマホどちらからでもアクセス可能です。

ログインの際に必要なメールアドレスとパスワードを設定し、ログインすると利用者の登録画面へ。

そのまま「本人の情報」に進むと、パスポート情報、日本での連絡先を入力します。日本の連絡先は任意となっていますが、帰国時の必須項目になるので、この時に入力しておくと便利です。

自分の情報が終わると、「同伴家族の情報」も登録できるようになるので、赤ちゃんやお子さんがいる方は、同様の入力を行います。
ファストトラックで帰国時もスムーズ

そして、トップ画面の下部にある「入国・帰国の予定を登録」も操作できるようになり、到着日や便名などを入力していきます。My SOSのときに聞かれた席番号は不要です。

最初に行えるのが「検疫手続(ファストトラック)」。登録前の画面は赤いですが、パスポートとワクチン接種証明書をアップロードし、質問票WEBを答えていくと、最終的に「審査完了」という青い画面へ変わります。

パスポートとワクチン接種証明書はスマホのカメラから撮影した写真、もしくはスキャンしたPDFのどちらでも大丈夫です。ワクチン接種証明書は、自治体が発行したものとなります。画像を審査するのに時間がかかる場合があり、日本に到着する6時間前に完了していないといけないので、早めに申請しておくと安心です。

質問票WEBは、My SOSと同様のものでした。こちらは提出する書類はなく、回答のみなので早く終わります。

「出国前72時間以内の検査結果証明書」の項目がありますが、ワクチン3回を接種している場合は、未登録のままで大丈夫です。
パスポート、質問票WEB、ワクチン接種証明書の3か所を登録するとQRコードが提示されるので、帰国時はこのQRコードが大切になります。

飛行機から出ると、このQRコードを見せるよう大勢のスタッフが待ち構えているので、スクリーンショットで保存しておくと安心です。
早朝5時に羽田空港に到着しましたが、8人くらいのスタッフが通路をふさぐように立っていたので、一瞬ひるみました。QRコードを提示すると代わりに赤い「健康カード」を渡されて、その後はすいすいと通過できます。

MySOSになかった新機能
「Visit Japan Web」で新たに加わったのが「税関申告の準備」です。
よく飛行機の中で、家族の代表者が書いていた「携帯品・別送品申告」もウェブから申請可能です。
書類同様の質問を入力していくと、こちらも最後にQRコードが登場。これを提示すると自動化ゲートが開かれるので、職員と接することなく、税関も通過できます。
ただし、自動化ゲートを利用する際は、ひとり一人にQRコードが必要となるので同伴家族が多い場合はかえって面倒になることも。その際は、職員がいるレーンで代表者のQRコードのみを提示すれば用紙に記入する必要はありません。
渡航復活の予感
デジタル化のおかげで帰国前の手続きが増えている反面、それでも出発72時間前のPCR検査がなくなり、負担は相当軽減されました。帰国直前に検査を受けてみたら無症状で感染していたというドッキリも防げるのは助かります。
日本を発つ時から春に比べて空港に賑わいが戻り、機内もビジネスよりレジャー客の姿が多いです。なので機内も明るく、軽やか。久しぶりの陽気な雰囲気を懐かしく、往来が再開された現状に感謝と喜びが込み上げてきます。
コロナ対策x日本帰国:青紙で入国手続きが各段にスムーズ!到着時の検査も不要に

2022年8月上旬にJALに乗り、フランクフルト空港から成田空港へ帰国しました。前回の帰国は4か月前の2022年4月。飛行機に乗る前の準備は変わらずですが、一番の違いは到着時の唾液による抗原検査と結果が出るまでの待ち時間が省略されたこと。これによって1時間ほど早く空港に出れるので、かなり楽になりました。
帰国前の準備は前回と同じ
現地の滞在先で行うことに限っては、前回の渡航(2022年4月)と比べて、大きな変化はないです。My SOSのアプリをダウンロードし、そこから①質問票 ②誓約書 を入力、③ワクチン接種証明書 を提出したこと。詳細は前回の投稿をごらんください。

前回との違いは、アプリ画面に「空港検疫係員専用欄」が中央に登場。滞在国(私の場合はドイツ)を入力すると滞在先の分類、ワクチン接種の有無が表示されます。ワクチン接種証明書の確認は数分~数時間かかり、その時の画面は赤ですが、確認済みにあると黄色に一変。

フランクフルトでのPCR検査は、2021年10月に受けた中央駅正面のcoronatest.deを今回も利用。その時の様子がこちらです。
当日、私が訪れた時は他に検査を受ける人がおらず、到着してから10分で終了。水曜夜のフライトだったので、検査は月曜11時に受け、結果のメールは火曜20時に届きました。
検査結果がPDFなので、火曜夜にそのままMy SOSにアップロードしたら、翌日の朝には既に確認され、アプリ画面は青色に変化してました。
空港にてチェックイン

My SOSの青色画面を携えて、JALカウンターでチェックインしますが、この画面は毎度ネットに接続する必要があり、Wifiに繋がっていないと焦ってしまうことも。空港に着いたら、まずはWifi探しをお忘れなくです。
そしてコロナとは別に、ヨーロッパの空港は大騒ぎでした。コロナ禍で職員が不足しているため、荷物検査で時間を要したり、預け荷物が届かなかったりという事態が急増。JALなど国際線が集うターミナル2は、いつもと変わらず閑散としていて、出国審査も並ぶ人はいませんでしたが、ドイツの航空会社・ルフトハンザがあるターミナル1は利用者も多く、色々とトラブルが起こっていたと聞きました。
トラブルが多い航空会社や空港を避けること、フライトがキャンセルした際のサポートの有無なども、今後の旅行プランを立てる際に考慮するポイントになるかもしれません。
比較的スムーズなターミナル2ですが、それでも不便だと感じたのは免税手続き。コロナ前ならスタッフさんがいて、その場で手続きが完了するのに、今では終日不在だったり、営業時間が短縮してたり。払い戻しの手段は置かれた箱に書類を投函するのみという、不安なこと、この上なしです。
Global Blueという会社のみ、ターミナル1にはスタッフさんがいます。ターミナル2にチェックインしても空港内モノレールを使えばターミナル1に移動できるので、すぐに払い戻しを行いたい人(私ですね)はぜひ。途中で荷物検査を受けますが、大体30~40分あればターミナル1に行って、ターミナル2に帰って来れます。
PLANET、PREMIER tax freeはターミナル1と2ともに終日不在。返金の連絡は1か月後に来る場合は多いです。
飛行機内の様子

搭乗客は約80名と、機内は空いていました。以前なら誓約書など書類が配られていたのですが、My SOSで事前に済ませているので、映画見たり、食事したりと普通に機内で時間を過ごせます。

ただしロシア上空を飛べないということで、飛行ルートが南回りに大幅に修正されています。普段なら12時間のところ、2時間の延長で計14時間の空の旅に。しかし実際は風の影響もあってか13時間で成田空港に到着しました。夜発のフライトなので、睡眠を飛行時間に充てられるのも嬉しいポイントです。
成田空港に到着

まず国際線に乗り換える乗客が機内から出て、その後ビジネスクラスから順に案内されます。入国審査までの道すがら、My SOSの画面を提示されることを求められますが、それが確認されたら無敵の青い紙を渡されます。

この青紙を見せるとす~いすいと止められることなく進めて、気が付けば入国審査の場所に。税関を通り過ぎて、到着ロビーに出てきたのは空港に到着してから、わずか40分後。抗原検査などで、空港を脱出するのに2時間もかかっていた前回を知っている身としては、早すぎる展開に感激。ここから都内へ向かいますが、疲労度も全然違います。

4月との違い
到着時の抗原検査が省略されたことが一番の違いで、それを可能にした青紙の効果は絶大です。このおかげでコロナ前と変わらないスピードで空港から出られます。
いよいよ9月7日からはワクチン接種者に限り、陰性証明書の提出も不要になるのでシルバーウィークや年末年始を海外で過ごす人たちも増えそうです。まだまだ予断は許されない状況ですが、2年間も閉ざされていた環境が少しずつ変わり始めているのは嬉しいこと。好きな時に好きな場所に行けるという自由を謳歌する日も目の前です。
愛媛x観光列車:「伊予灘ものがたり」雨天時ならではの楽しみ方

愛媛県松山駅から出発する茜色と黄金色に彩られた3両編成の観光列車「伊予灘ものがたり」。主に金土日に運行し、午前中に松山駅と伊予大洲駅を往復、午後はさらに松山駅と八幡浜駅を往復する働きものです。どの便も、鉄道ファンから熱く支持されている絶景駅「下灘駅」に停車し、写真撮影や周辺散策の時間を設けているなど、乗客の希望に応えた計らいも魅力です。
車窓からは青空と交わる水平線、きらめく水面といった海の絶景が見られますが、そうは言っても天気はその日次第。雨天になっても肩を落とす必要は全然なく、人のぬくもりがより温かく感じられ、潤いで増した緑の自然の鮮やかさに目が奪われます。
1日4便、伊予灘沿いを走る観光列車

2022年春に新車両が登場した伊予灘ものがたり。2両編成だったのが新しく3両編成となり、さらにそのうちの1両(3号車)は定員8名で丸ごと貸切という贅沢な仕様に生まれ変わりました。

先頭の1、2号車は旧型と似た雰囲気を踏襲しつつ、椅子とテーブルが大きくなったことで、より広々とくつろげるようになりました。海側の座席はボックスシートと海に面したカウンター席の2種類、一方の山側は対面シートになっています。
第1便は松山駅を午前8時26分に伊予大洲駅に向けて出発し、第2便は終着駅だった伊予大洲駅を10:57分に出発し、再び松山駅に戻ってきます。その後、第3便は行き先を八幡浜駅に代えて、松山駅を13時31分に出発。最終の第4便が松山駅を目指し八幡浜駅を16時14分に出発というのが一日のスケジュールです。

どの便も乗車時間は約2時間~2時間半で、必ず下灘駅に8~13分ほど停車します。そして早朝なら朝食、夕方ならアフタヌーンティーとそれぞれの時間帯に見合ったお食事も提供(事前予約制)。
1日に4回乗車する機会があり、1回の人もいれば、終点に到着したら再び乗車して往復(2回分)を楽しむ人もいました。
雨の日こそ、特別な食事に舌鼓

曇天と小雨に包まれ、どこか街行く人々の足取りも重い6月上旬。松山駅で明るさを保っているのは駅前のバリィさんか、アンパンマン列車くらいな早朝8時に私はホームに到着しました。

四国で観光列車に乗るのは奇しくも今年(2022年)で3度目。4月の「四国まんなか千年ものがたり」、「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」に続いてです。詳細はこちら→前編・岡山編、後編・香川編
この2回の経験のおかげで、今では観光列車の表示を見ると興味が湧くようになりました。しかも今回は、一度は訪れたい駅と評判の下灘駅にも寄るのだから期待も高まります。が、雨なので、気持ちを切り替えて車内に目を向けました。

もし車両がホームに入る様子を見たいなら8時10分までにスタンバイしておくのがおすすめ。入構と同時に駅には優雅な曲が流れます。

「レトロモダン」をコンセプトにデザインされた車内はウッド調の柔らかな第一印象に始まり、大きな窓が開放的。乗車するとサックスの音色に迎えられ、気分は高級ホテルのロビーに到着したよう。薄明りの空模様さえも車内の落ち着いた雰囲気作りに一役買っています。

松山駅を出発してから約20分。一通り自分の座席やおみやげを堪能したところにお食事が運ばれてきます。松山から伊予大洲を走る大洲編の料理は、ヨーヨーキッチン!料理長の牛川さんが担当。

わっぱ型のお弁当箱を開けてみると、色とりどりの野菜が視界に飛び込み、テーブルをいっそう華やかに彩ります。あたたかな料理も含まれていて、一日の目覚めにぴったりな食事です。

食後のコーヒーは、愛媛県の伝統工芸品「砥部焼(とべやき)」での提供。しっとりとした手触りが手になじみやすく、使うほどに愛着がわきそうなデザインです。地元と縁がある器でいただけることで、より愛媛を満喫した気分になれます。
天気がよければ車窓に視線は釘付けで、食事を味わうことも散漫になってしまったはず。曇天や雨天のおかげで、ゆっくりと食べる順番を選びながら、一口ずつ味わって優雅な朝食をいただけました。
まどろみに包まれた雨の日の下灘駅

食事を堪能し、時刻は午前9時26分。まるで絵画かファンタジーに出てきそうな幽々たる海辺を眺めていると、いよいよ本日のメインイベントを告げる車内アナウンス。
下灘駅に到着するとホームには、駅の観光を目的に乗用車で訪れた観光客や旗を振って出迎えてくれる地元の方々など、今日一番の大賑わい。

閑散としているはずの無人駅が、海に直面しているようなロケーションが評判を呼び、メディアにも度々登場。そのおかげで鉄道好き以外に一般の旅行客も訪れる有名な観光地になっているのですから、絶景の持つ力の凄さに再認識させられます。
青天ならホームからは青空と水平線が目の前に広がるパノラマ風景が見渡せますが、この日はモノクロ映画のような渋い光景。1900年代のラブロマンスで恋人が別れを告げるシーンか、マフィアが身の上話を打ち明けるシーンに使ってもらいたいです。

と、盛り上がりにかける雰囲気かもしれませんが、そうは言っても断崖絶壁に建てられたホームから眺める景色は、天気に関係なく興奮します。駅舎には撮影スポットが設けられているほか、写真も複数展示されています。ベンチ中央が低く、2人で座るとぴったりくっつくラブラブベンチもあり、停車時間ぎりぎりまで下灘駅を楽しめます。
より気持ちを込めて応えたい住民の歓迎
前回の観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に乗車していて発見したことが、観光列車が通ると手を振ってくれる人たちが予想以上に多く、歓迎の仕方も熱烈ということ。

走行スピードがゆるやかな観光列車だからこそ、車窓からは手を振ってくれる人たちの表情まで確認でき、軒先に出てきたり、ベランダから出てきたり。「たまたま」や「ついで」感が一切なく、なんだったら「30分前からスタンバイしてました!」「これをしないと一日が始まらない!」と住民が思っているからは別として、そう感じててしまうほどの熱量でした。
特にこの日は雨だったので、傘をさしながら満面の笑顔で手を振る姿を見ると、より感動的になります。まるで甲子園で優勝した野球部員のような凱旋パレード気分を味わえます。
車窓の景色はもちろん、通り過ぎる駅のエピソードを車内アナウンスで紹介するなど、乗車時間がまるまるエンターテイメントの時間になっています。

吟行の一環ともいえるこのひとときで気持ちが動いたなら、一句を詠むチャンス。正岡子規など有名な俳人が多い松山市にちなみ、車内には俳句ポストも置かれています。
予約方法・おすすめの席
きっぷの予約方法は、乗車日の1か月前より全国のみどりの窓口か旅行会社で可能です。東京住まいの私は、JR新宿駅のみどりの窓口で予約しました。旅行会社のウェブサイトもチェックしたのですが、ホテル込みのパッケージ旅行で販売している場合が多く、きっぷのみの取り扱いは見つけられませんでした。
空席状況はJR四国のウェブサイトから確認でき、朝一の第1便は他の便に比べて空いていたため、乗車日の3週間前に予約をしたところ、まさかのカウンター席は満席。海側のボックス席もしくは山側の対面シートの2択に迫られ、1人で4人席に座る度胸もなく、山側の対面シートを選びました。

対面シートなので、当日は同じくおひとりの方と相席になったのですが、思った以上に机が大きかったこと、2人の間に透明の仕切り板が置かれたことで、気まずい雰囲気になることもなかったです。
モーニングやランチなど、しっかりしたお食事は4日前までの事前予約制です。方法は4通りあり、①みどりの窓口(JR西日本もしくはJR四国のみ)できっぷと同時に予約できるほか、②JR四国旅の予約センター(振込・現金書留)、③JR四国ツアーでウェブから予約(カード決済・コンビニ支払い)もしくは④アプリ「setowa」(カード決済)で。JR東日本エリアの東京に住む私は、setowaから購入しました。またケーキや飲み物など軽食も別途で乗車中に注文可能です。

席が空いていれば、やはり海側がおすすめです。山側からも海側の風景を眺められますが、眼前に窓がある海側の方が没入感は格別です。山側の車窓だと住民が手を振ってくれる姿や四季折々の草木が咲く様子、そして雨天だったので霧がかる幻想的な山々が見られました。
一日に4回運行しており、私は伊予大洲も観光したかったので第1便を選びましたが、おすすめです。どの便よりも下灘駅の滞在時間が長く、そしてお食事も3,000円と最安なのがポイント。きっぷ料金も松山・伊予大洲間の方が松山・八幡浜間より若干(330円)安いです。
もし次の機会があれば、乗りたいのは第4便(八幡浜から松山の道後編)。しかも、時期は冬。アテンダントさんが、日照時間が早い冬だと夕陽が伊予灘に沈む様子を望め、そのひとときが美しいと教えてくれました。松山到着後は道後温泉でゆっくりすれば素敵な旅のプランの完成です。
こんな人に行ってほしい!

海岸線に沿ってゆっくり進むので、ワクワク感より癒しやのんびりした空気感を纏っています。例えば、付き合いたてで距離感をグッと近づけたいカップルより、結婚20年を迎えた夫婦の方がお似合いかも。会話をせずとも間が持つ関係性が鍵を握ります。
もしくは鉄道好き同士で女性にアタックしたい奥手な男性に、ぜひ!鉄道好きだからこそ、誘える口実にぴったりで、乗車中は会話より五感で観光列車を満喫したいはず。さらにカウンター席に座ってしまえば、目の前の車窓を眺めるフリをして窓に映る彼女の顔を見られます。観光列車が旅の盛り上げ役だけでなく、恋のキューピッドになる日も近いかも。

松山を起点に運行している観光列車「伊予灘ものがたり」。名前に示す通り、ここの中心は伊予灘ですが、常に海の景色は一定です。変わらない絶景と、車内で繰り広げられるおもてなしの数々に道中で出会う住民の姿というドラマ(動き)があってこそ、このものがたりはより盛り上がります。
2022年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
チェコx温泉:カルロヴィ・ヴァリの「エリザベス・スパ」で日帰り入浴を

プラハから車やバスで約2時間のカルロヴィ・ヴァリ(Karlovy Vary)は、言わずと知れたヨーロッパを代表する温泉地です。川沿いに並ぶ煌びやかなホテルが町並みをパステルカラーに彩り、その美しさは映画『007』に登場したほど。
多くの旅行客はホテルにあるスパ施設を利用しますが、「エリザベス・スパ(Alžbětiny lázně)」は豪華な外観に反し、旅行客だけでなく地元住民も訪れる公衆浴場的な存在。トリートメントも豊富で、自分好みのプランをオーダーメイドできるのが魅力です。
温泉地にも関わらず苦労する浴場探し

チェコの西側に位置するカルロヴィ・ヴァリ。ドイツ国境に近いことからドイツ語の「カールスバート(Karlsbad)」という呼び名でも親しまれています。
ここの温泉が発見されたのは14世紀頃。伝説によると時の権力者だったカール4世が狩猟中に発見し、温泉に浸かることで自らの怪我を治したという、まるで日本にもありそうな言い伝えですが、その後の利用方法が日本とは異なります。

全身で湯に浸かる日本式に対して、カルロヴィ・ヴァリでは温泉を飲む飲泉が主流。源泉を飲める場所が16か所もあることから、旅行客は持ち手がストローになった特製カップを片手に散策と飲泉を同時に楽しむのです。

源泉は「蛇の源泉」など、それぞれ名付けられており、温度と味も様々。一口飲むのも苦労するほど濃い味もあれば、まるでお湯のようにごくごく飲めるのもあり、源泉マップを頼りに飲み比べをするのもカルロヴィ・ヴァリの人気な過ごし方。
温泉を飲むことで胃腸や腎臓の動きが促進され、体の調子を整えるのが、こちらの湯治療法。そのため入浴施設はホテルに併設している場合がほとんど。日帰りでカルロヴィ・ヴァリを訪れるとなると入浴自体が難しいのです。
100年の歴史を持つスパ施設

そうは言っても、温泉大国から来た日本人なら温泉は飲むのではなく、浸かりたいもの。そこで頼りになるのが、中心地にある「エリザベス・スパ」です。
1906年に、誰もが利用できるスパ施設としてオープン。建物はフランス式の宮殿(シャトー)を採用し、施設名も当時の統治国だったオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベートから取るなど、洗練さも兼ね揃えた施設の幕開けは「温泉療法の黄金期」と賞され、1日あたり2,000人近い人々が訪れていました。

1916年に親近感を持ってもらうため、施設名を「SPA5」に改名。その後、プールを増設したことで、ファミリーなど幅広い年齢層に親しまれたところ、名前を元の「エリザベス・スパ」に戻しますが、今でも「SPA5」の名称は健在です。
この非日常感から大衆化への流れもあり、エリザベス・スパはまるで町の公衆浴場のような親しみのある雰囲気が漂っています。
60種類のトリートメントから好みを選択
こちらでは入浴、サウナ、マッサージ、フェイシャルなど60種類のトリートメントが用意されています。

入浴に関しても、日本の浴場みたいに大きな浴槽に浸かるのではなく、1名用の浴槽を使用。さらにお湯も「泡風呂」、入浴剤を入れた「ハーバル風呂」、血流促進が期待できる「二酸化炭素入り」など複数から選べます。

またフランス生まれのブランド「ジェナティック(GERnetic)」を使用し、セルライトを撃退したり、毒素を排出したりするボディラップのメニューもあります。料金は他のトリートメントより割高ですが、ご褒美にぴったりです。
ホームページに各トリートメントの説明があるほか、受付でもトリートメントの説明が記載されたカタログがもらえますので、ぜひ参考にしてみてください。
もし本格的な湯治をご希望なら建物内には医師と看護師も常駐しているので、診療を受けた上で適切なトリートメントを教えてもらえます。診察は1,300チェコ・コロナ(CZK/約7,300円)より。
予約&利用方法。迷ったらプログラムで!
プラハに次いで2番目に多くの旅行客が訪れるカルロヴィ・ヴァリの中でも、さらに日帰り旅行者もスパが受けられるとあって、エリザベス・スパを利用する際は事前予約がおすすめです。
予約方法は3通りで、①来店受付(平日7:30~19:00 土曜9:00~19:00 日曜10:00~18:00)、②電話、③メール(info@spa5.cz)にて。

当日も受付を訪ねると、利用可能なメニューを教えてくれます(英語・チェコ語・ドイツ語で応対)。その日の予約状況にもよりますが、比較的当日でも受けられそうと感じたのが、一度に大勢が利用できる「ソルト・チャンバー(Salt Chamber/詳細は後程)」と泡風呂などの入浴、それにマッサージです。一方で、パラフィンパックは人気で特に週末の予約は難しそう。
私が予約した時は、水曜日に受付に直接出向き、希望日だった土曜日の午後に予約を行いました。その際、どのトリートメントを受けるか迷っていたので、入浴やマッサージなど複数のトリートメントが既に組み込まれている「リラクゼーション・プログラム」を選択。
リラクゼーション・プログラムは3種類あり、①スイミングプールも利用できる①「クラシック」、②アロママッサージとソルト・チャンバーが受けられる「リラックス」、③メニューが盛りだくさんな「イーズ」の中から、②リラックスを選びました。トリートメントが3つ(計95分)受けられ、料金はひとり980チェコ・コルナ(約5,500円)。トリートメントをそれぞれ頼むより、100チェコ・コルナ(約560円)安くなりました。

受付で希望のプログラムと日時を伝えると、自分専用のスケジュールを作成してもらえます。スケジュールには開始時刻と部屋番号が記載されているので、自ら出向いて部屋の前で待っているとスタッフさんが出迎えてくれます。

前後の予約状況によっては早めに行えますが、そうすると次のトリートメントまで数十分待ったりすることもあるので、その際は読書などで時間をつぶすか、町へ散策に出掛けて調整を。スパ施設はWi-Fiもあり、パスワードは受付で入手できます。
シナモンを使った施術は刺激的&塩でリラックス!?
プログラムとは別に、追加で気になった「シナモン・パック(450チェコ・コルナ/約2,500円)」を受けたところ、予想以上の効果に驚き!

シナモンを練り込んだクリームを脚全体にまんべんなく塗ってもらい、10分ほど安静にしているとヒリヒリ感がどんどん増し、燃えるような感覚に。あまりにも初めての経験だったうえ、説明書きにシナモンアレルギーの方は要注意とあったことを思い出し、もしや脚が水膨れになっているのでは?と心配したほどでしたが、外見はいたって普通でした。

その後、クリームを拭いてもらい、熱を帯びている脚をカッピング。カップでお尻下部からふくらはぎまでマッサージされますが、あまりの力強さに固まっていた脂肪も溶けて流れていきそうな期待感。まるで脚の全お肉がそぎ落とされているような感覚で、多少の痛みも伴いますが、やった感も得られるトリートメントです。

さらにプログラムの最後に受けた「ソルト・チェンバー」も珍しい体験ができ、おすすめです。建物の地下、まるで洞窟のような空間に45分間滞在しますが、クリスタルと塩の結晶に囲まれ、水が落ちる音を聞きながらリクライニングチェアに寝そべっていると、あっという間に夢の世界へ。
究極のお昼寝体験でした。思った以上に眠りが深かったことに驚いたのと、目覚めると喉がすっきりし、空気の通りも爽快。イオン化された空間は細菌の活動を抑え、身体全体の調子を整えるのだといいます。そのため喘息や肌荒れ、高血圧、アレルギーにも効果があるのだとか。
10回券やお子さん連れ専用の時間帯があるなど、頻繁に利用されている様子でした。
日本人こそ、訪れて欲しい場所

ヨーロッパの歴史ある温泉地「ルロヴィ・ヴァリ」の中心地にある「エリザベス・スパ」。優雅な佇まいでありながらも、扱っているメニューの多さ、幅広さが、多くの人たちに親しまれてきた歴史を物語っています。
ぜひ訪れた際は、宮殿さながらの優雅な温泉施設で旅の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。また温泉に親しい私たち日本人だからこそ、意お湯の温度が意外とぬるめだったり、タオルの代わりにシーツを活用するなど、ヨーロッパとの違いが比較でき、さらに楽しめるはずです。
■エリザベス・スパの基本情報■
住所:Smetanovy sady 1145/1, 360 01 Karlovy Vary
営業時間:8:00~19:00
アクセス:カルロヴィ・ヴァリ駅から徒歩で約10分
https://www.spa5.cz/en/
2022年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
長野x土人形:丸っこい虎が愛くるしい「五福をあつめよう」

2022年の長野県は大忙し。昨年より延期された「善光寺の御開帳」と大木が滑り落ちる奇祭で有名な「諏訪大社の御柱祭」が同年に開催という前代未聞な年を迎えています。
善光寺の御開帳はコロナ仕様で通常の2か月間から開催時期をさらに1か月延長の3か月間にしたのだから、地元民の意気込みは相当なもの。その熱は周辺地域を刺激し、お隣の中野市にも。御開帳を記念し、中野市の観光名所を巡るとキュートな虎の土人形がもらえるスタンプラリーを開催しています。
土人形って?

土を低火力で焼いて作る「土人形」は、日本の伝統工芸品のひとつです。京都の伏見人形、宮城の堤人形、長崎の古賀人形が三大土人形といわれていますが、長野県中野市など日本各地でも制作されていたのです。

土人形の魅力のひとつが、カラフルな装飾。素焼きの状態で絵付けを行うので、同じ型でも絵付けをした人によって違いがあり、それを見比べてみると面白いです。
中は空洞なので、持ってみると意外と軽いことに驚きます。現在、中野市の土人形は奈良家と西原家の2家族が制作し、同地域でありながら系統が異なることが珍しく、それゆえに中野市は「土人形の里」とも呼ばれているのです。
スタンプラリーを開催
2022年4月3日から6月29日の御開帳の時期に合わせて開催されるスタンプラリー。中野市内の観光施設に入場する度に、ころんとした可愛らしい虎の土人形「福虎」がもらえます。
対象となる施設は、「中山晋平記念館」「高野辰之記念館」「中野市立博物館」「日本土人形資料館」の4か所。全施設を巡った後に「信州中野観光センター」に訪れると黄金色に輝く福虎を最後にもらってスタンプラリー達成となります。
車・自転車で巡るのがおすすめ
全施設が中野市内に所在しているものの、効率良く巡りには乗用車か自転車での移動がおすすめ。車の場合、9時にスタートし、各施設をゆっくり見学しつつ、道中で昼食を済ませたとしても15時くらいにはゴールできるという、ちょうど良いボリュームです。
巡り方として、①高野辰之記念館→②中野市立博物館→③日本土人形資料館→④中山晋平記念館→⑤信州中野観光センター と最奥から中心地に向かうルートがおすすめ。走行距離は28㎞ほど。
最初の高野辰之記念館は午前9時から開館し、ゴールの信州中野観光センターは午後18時までの営業です。
中野市に詳しくなる5施設
観光というより福虎集めが目的だった人も、スタンプラリーに参加することで自然と中野市についての情報が蓄積されていくのが、このアクティビティの凄さ。

例えば「高野辰之記念館」では、学校で合唱した「故郷」や「春が来た」の作詞家だと知り、自分の学生時代に想いを馳せてしまうかも。「故郷」の歌詞で「兎追いし~かの山~」と登場する「かの山」も記念館から望め、そのなだらかで素朴な山容を目の前に思わず感慨に浸ってしまいます。

■高野辰之記念館の基本情報■
住所:長野県中野市大字永江1809
電話番号:0269-38-3070
開館時間:9:00~17:00(3月~11月)
休館日:4月~11月は無休、12~3月は月曜休館、12/29~1/3
https://www.city.nakano.nagano.jp/takanokinenkan/2020081900042/

中野市の郷土史がぎゅっと詰まっているのが「中野市立博物館」。銅鐸などが多数出土するほど太古より人類が中野市に暮らしていた歴史や、チョウゲンボウという鳥を繁殖させようとしている現代の活動などを学べます。

また博物館は丘の上に位置しているので、ここからの眺めが抜群です。

■中野市立博物館の基本情報■
住所:長野県中野市大字片塩1221
電話番号:0269-22-2005
開館時間:9:00~17:00(3月~11月)
休館日:火曜、12/29~1/3
https://www.nagano-museum.com/info/detail.php?fno=28

スタンプラリーの目玉である土人形を詳しく解説している「日本土人形資料館」。作り方から始まり、全国各地から集めた様々な土人形を展示しているので、今まで土人形を知らなかった人も最後には語れるほどの知識を習得できるはず。こちらでは絵付け体験も受け付けています。

■日本土人形資料館の基本情報■
住所:長野県中野市中野1150
電話番号:0269-26-0730
営業時間:9:00~17:00(3月~11月)
休館日:木曜、12/29~1/3
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2014011701328/

土人形だけでなく、音楽も中野市を代表する要素だと分かるのが「中山晋平記念館」です。本日2回目の音楽家に関する観光施設で、中山さんは童謡「シャボン玉」や東京ヤクルトスワローズの応援歌でもある「東京音頭」を作曲した方。最初に訪れた高野さんとは一転、洋風な建物です。

■中山晋平記念館の基本情報■
住所:長野県中野市大字新野76
電話番号:0269-22-7050
営業時間:9:00~17:00(3月~11月)
休館日:4月~11月は無休、12~3月は月曜休館、12/29~1/3
https://www.city.nakano.nagano.jp/nakayamashinpei/2022012500017/

スタンプラリーのゴールは、高速道路のインターに近い「信州中野観光センター」にて。ご褒美の福虎は豪華なゴールド仕様になっていて、こちらではおみやげも販売。充足感を感じながら買い物も同時に楽しめます。
スタンプラリーのゴール地点は、高速道路のインターに近い「信州中野観光センター」。おみやげも販売しているので、買い物も同時に楽しめます。
■信州中野観光センターの基本情報■
住所:長野県中野市草間1539-1
電話番号:0269-23-5581
営業時間:9:00~18:00
定休日:無休
https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2014011603080/
徐々に集まってくると瞳のある虎がいたり、顔が小さな虎がいたりと個性が見えてきますが、これも全部手作りならでは。お腹部分の虎の字も明朝体だったりポップ体だったりするので、ぜひ注目してみてくださいね。
個人的おすすめ施設
どの施設も大規模ではないので、ゆっくりでも1時間~1時間半で見て回れます。5施設巡りましたが、「日本土人形資料館」が土人形ワールド全開で、とても楽しみました。

中野市の郷土玩具でありながら、その運命は2世帯に委ねられていることに心細さを感じるものの春には「中野ひな市」という土人形の即売市が行われ、全国から愛好家が集結する催しがあり、中野市にとって土人形は既に欠かせない存在なんだなと感じました。

2世帯(奈良さんと西原さん)で製作しているだけあって、世代交代の情報や親父さんと息子さんの作品が並んで展示されているなど、まるで知り合いの展示会にいるような親近感。作品と自分との距離が近い資料館です。

戦国武将のほか、クスっと笑っちゃうような可愛い動物たちも展示。全国各地の土人形も展示されているので、もはや一生分の土人形を観賞したのではないかという気持ちになりました。
こんな人に行ってほしい!
中野市がどんな場所なのか、その魅力をコンパクトに体感できるスタンプラリーですが、そうはいっても福虎の存在は絶大。スタンプラリー効果で、圧倒的に女子旅で訪れる人たちが多いと聞き、「可愛い」の影響力は凄いです。
寅年はもちろん、可愛いもの好きな人にぴったりなお出掛け場所。また善光寺を訪れた機会に、長野をもっと楽しみたい方にもおすすめ。中野市からは飯縄山や戸隠山など、この地域を代表する5山を総括した「北信五岳」すべてを見渡せ、その光景は思わず感嘆してしまう美しさです。
2022年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
岡山x日本刀:刀剣愛が止まらない!職人技を間近で拝見「備前おさふね刀剣の里」

日本刀の産地として歴史に名を連ねる武将さえも虜にした岡山県長船(おさふね)。日本刀をテーマにした「備前おさふね刀剣の里」には、工房と博物館、そしておみやげ屋さんが集結。
職人が常駐する工房ではその技に惚れ惚れし、ほど良い展示数にまとめられた博物館では煌びやかな一面、しきたりが潜む日本刀の世界を探検。終わるころには、意外と刀剣好きな自分を発見できるかも。
備前刀というブランド

岡山と日本刀の歴史を辿ると、平安時代末期まで遡ります。ちょうど今(2022年)のNHK大河ドラマと同じころで、平氏と源氏が争うことで刀の需要が急上昇。そのため良質な砂鉄があった備前(昔の岡山県)に刀鍛冶が集まります。

平安時代から江戸時代にかけての生産量は日本一を誇り、町の様子は「鍛冶屋千軒」と言われ、ついには「西の武器庫」と何だか物騒な言われようですが、道を歩けばカチンカチンと小気味よい音が響き渡る様子は体験してみたいものです。
技術が結集した美術品

刀に関してド素人な私は、刀って鍛冶師が打って完成かと思っていたら、とんだ勘違いでした。刀身に彫刻したり、鞘に漆を塗ったりと複数の職人さんらが携わっていて…、ようやく仕上がるんですね。
日本刀って「口(ふり)」や「本」と数えるのも初めて知りましたが、何が言いたいかというと、「刀1口」といっても匠の多彩な技が結集して完成した、まさに芸術品と呼ぶに足るものだったのです。
匠の技を見て、聞いて、驚く

「備前おさふね刀剣の里」は、日本刀に携わる職人さんが常駐している全国でも唯一の場所。刀匠・塗師・金工師の方々が工房で作業している様子を数センチ先で見学できるほか、会話もできちゃうのが最大の魅力です。

「今、何をなさっているのですか?」と作業全般の話から、「漆はどこ産を使用しているのですか?」と詳しいことまで、気になることを矢継ぎ早に聞けるから、どんどん刀剣の世界に引き込まれます。

織田信長やら武田信玄といった武将が持つ武器として認識される日本刀は、歴史がどうしても付きまといます。しかし、今も新しい刀を作り続けている職人さんに話を聞くことで現代の日本刀事情を知れるのも珍しいことです。美術品という一面もあり、20万円程度で購入できるのだとか。

定期的にイベントも開催。「日本刀観賞マナー講座」では、日本刀のいろはを教えてもらえます。触れる際は刀を傷つけないよう、時計やアクセサリーなど触れる恐れがあるものは全部外す念の入りよう。でも、江戸時代の歴史的価値があるものに触れる場合もあるのですから、何かあっては大変。

まずは刀に一礼します。まるで試合に挑む剣道部員のような「いざ、参らん」という気分。観賞ポイントは、刀の長さや厚み(摩耗するので鎌倉時代は薄く、江戸時代は厚いとのこと)、刀文や柄の部分だと教えられますが、手にした瞬間から重みがズシリと感じられ、ただただ緊張。
何かあっては一大事というプレッシャーも加わり、しげしげと眺めるどころか持てた時点で良い記念になったと充足感。臆することなく、軽々と扱う講師の方々は眩しかったです。職人らしい渋い佇まいがまた日本刀には合っていて、さながら女子高生とフォトプロップのような関係性。

他にも、五寸釘を研いでペーパーナイフを製作する講座があり、ホームページより予約ができます。
博物館もお見逃しなく

備前おさふね刀剣の里の敷地は広く、職人さんがいる工房とは別に「備前長船刀剣博物館」もあり、こちらも見応えたっぷり。

日本刀が何ぞやという歴史から始まり、完成までの工程など、ここを網羅すれば日本刀の知識はバッチリ。新発見と学びの連続でした。

実物の日本刀も多く展示されていますが、演出方法がお見事。日本刀好きの職員さんが奮闘し、1口1口それぞれの美しさが最大限発揮されるよう照明や配置、解説文にこだわるなど、愛が感じられる空間に仕上がっています。ここにいる日本刀は内からも外からも愛でられて幸せだろうな。

熱のこもった解説を聞けたおかげで、太刀(たち)と刀(かたな)の違いも学べました。初期に登場する太刀は、貴族や武将のみが帯同を許され、後期に登場する刀はそれよりも下級の武士用だったとか、使える色も階級によって厳格に定められていたとか。
さらに新鮮だったのが、クールな印象の日本刀は意外とナイーブだったということ。一年を通しての展示は刀の負担になるので、常設展は回避。代わりに2か月ごとに特別展を開催しているのだから、頻繁にテーマを考えたり、入れ替え作業をしたりと常にフル回転です。
そして、この博物館を一躍有名にさせたのが国宝「山鳥毛(さんちょうもう」ではないでしょうか。「やまとりげ」という直球な読み方もOK。山鳥の羽毛のような刃文が浮かび上がっているという名前の由来が既にオシャレです。
上杉謙信の愛刀で、その養子の景勝にも引き継がれたとされています。備前刀だったことから、博物館の目玉にしようと乗り出し、募った金額は5億円に上ります。

普段は大切に保管されている山鳥毛ですが、なんと2022年8月11日~9月25日の期間限定で、お披露目の予定。博物館の威信をかけた名刀を拝められる絶好のチャンスです。おみやげ屋さんでは、御朱印ならぬ山鳥毛の御刀印(ごとういん)と刀文が描かれた御刀印帳も販売しています。

こんな人に行ってほしい!
刀剣好きはもちろん、刀剣乱舞好きな人もぜひ。ある程度の知識があった方が知っている日本刀と再会できたことで、より愛着が湧くというか、運命を感じられるはず。解説文がとにかく丁寧なので、私のようなド素人ものめり込めます。

また職人さんが黙々と作業しているお姿も凛々しく、満足いくまで凝視が許される数少ない場所です。皆さん、対応にも慣れていて、写真撮影にも快く応じてくれます。
例えば、数年付き合っていた相手にこっぴどく振られた彼女が、相手への復讐を考えるうちに備前おさふね刀剣の里に行きついちゃって、1口1口吟味しているんだけど、あまりにも刀剣の美しさ、職人さんの技巧に惚れ惚れしちゃって、「あんな奴には惜しい」と改心。人を傷つける武器から一転、人の命を救う可能性を秘めております。
※同じく岡山の手工芸ということで、「岡山x国産ジーンズ:博物館・アウトレット・体験が揃う『ベティスミス』」と「岡山x備前焼:すべての製作過程が見られる『一陽窯』」も掲載中です。ぜひご覧ください。
■備前おさふね刀剣の里の基本情報■
住所:岡山県瀬戸内市長船町長船966
電話番号:0869-66-7767
営業時間:9:00~17:00(最終入場 16:30)
休館日:毎週月曜(休日の場合は翌日)、祝日の翌日(土日は除く)、12月28日~1月4日、展示入れ替え期間(ホームページに記載)
※人数制限をしているため、事前予約がおすすめです。予約はこちらから
https://www.city.setouchi.lg.jp/site/token/
2022年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
岡山x備前焼:すべての製作過程が見られる「一陽窯」

焼き物好きでなくとも、一度は「備前焼」という言葉を聞いたことがあるはず。それだけでも焼き物の中で備前焼が特別な証です。
絵付けや釉薬といった装飾をまったくしないため、茶色や黒といった土色100%の素朴な色合いが特徴。どんな色のお料理にもマッチしそう。もしかしたら、色々な焼き物を見て回った後に「やっぱり、これが好き」と落ち着きそうなのが備前焼かもしれません。
「備前焼」の産地・伊部

歴史を辿れば古墳時代に起源を持つ、備前焼。つまり、ヤマト王権が発足した3世紀から、大化の改新が始まる乙巳(いっし)の変が起きた7世紀までには、既に実用化されていました。博物館で見かける黒や灰色のツルンとした壺といった須恵器が発展し、備前焼となりました。
狸の置物で有名な信楽など歴史が古い窯6か所を「日本六古窯(ろっこよう)」といい、備前も含まれています。ちなみに日本六古窯は、その歴史が評価され、日本遺産にも認定。
そんな備前焼のふるさとと言われているのが、岡山県の伊部(いんべ)です。焼き物に適した粘土が近くにあったことから、室町時代の末期に多くの窯が作られ始めます。

伊部駅を歩くと窯の目印ともいえる赤いレンガ造りの煙突があちらこちらにあり、その風情が焼き物の町ならでは。
駅から約250歩で着く「一陽窯」

伊部駅からまっすぐ向かった先にあるのが、備前焼の窯元「一陽窯(いちようがま)」。真っ白な漆喰の壁が目印です。

お店の奥へ案内してもらい、外に出る連房式の登り窯がとデーンと鎮座。堂々とした佇まいに、「焼くなら俺に任せろ!」と、頼もしさまで感じられます。窯の材料となる炉材も周辺で採取できたことから、耐火レンガの製造元も伊部周辺に多いのだそう。
傾斜をつけて奥になるほど徐々に上っていく形をしていて、作品は手前の大きな空間に収納。この窯は2代目にあたり、約50年間にわたって使われるので、人間と同様の勤続年数になるのかとしみじみ。
窯焚きは年に春と秋の2回。窯の中に作品を並べる(窯詰め)に約2週間かかり、その後は昼夜を通して焼き続ける(窯焚き)が約10日間。完了してもすぐには取り出さず、8日間かけて温度を冷まし、外に出していく(窯出し)は約1か月間にも及びます。
作品を並べるだけなら早めにできそうと思いきや、どこにどの作品を置こうかと考えるのが大切だと言います。釉薬をまったく使わない備前焼は、焼いている最中の煙と炎の当たり方だけが彩色できる唯一の機会となるので、確かに置き場所は慎重に決めたいはず。

これだけでも2か月間におよぶ作業ですが、その前には土もみといって材料となる土の準備をしたり、そもそも作品の成型をしたりと聞いているだけで大忙しなスケジュールです。一陽窯では、すべての製作工程を見ることができ、私が訪れた時は作家さんがろくろで作業をしていました。

話題豊富な木村節に夢中

3代目の木村さんが窯や工房を解説してくれたのですが、聞けば聞くほど独特のトークに引き込まれます。
「昔の備前焼は大きなサイズで、水や食料を備蓄する用途で使われていました。戦国時代、豊臣秀吉が兵庫県の山城を攻めたんですけど、予想以上に長期戦になっちゃって、ようやく降参して城内に入ったら、そこには備前のかめがたくさんあって、水を貯めていたんです。そこから『これはすごいぞ』と秀吉が備前焼を多く使うようになりました」という歴史秘話では、備前焼の凄さに驚き。
また値段の決め方について、希少な色合いの方が高値になるのかなと予想しつつ尋ねたら、きっぱり「場所ですね」と回答。
「単純に大きいサイズの方が窯を占めるので、小さいものより高くなります。値付けは人によって決まりますが、僕は結構どうでも良いので…。備前は問屋がないので、皆が好き勝手に作って、値段付けて、売っているんですよ。僕が売りたくなくて高値を付けても、買ってくださった方にとっては高くなかったということになるんですよね」
「よく小学生に『一番高い備前焼きは?』と聞かれるんだけど、そしたら手元にあるのを指して、『よし、これを3億円にしようか』って言っちゃいます。そうすれば一応高いものになりますからね」と、値段はあってなさそうな様子。飄々とした語り口と引き出しの多さに、もっともっとと話題をせがんでしまいます。

陶芸家でもあり、手先が器用な木村さんは伊部駅直結のカフェ「UDO(ウド)」の内装も手掛けています。備前焼の食器でいただく、岡山名産の食材を使ったケーキは絶品。おすすめのカフェです。
釉薬不要なのに多彩な備前焼

焼きあがった後も色を付けず、そのままの風合いを残す備前焼ですが、それでも均一なマットの茶色から渋みを帯びた黒色までと多色です。
焼く際に煙と炎が当たらない場所に置いた作品は、土本来の色が際立って白っぽく、逆に炎だけでなく煙も大量に浴びた(ガスをくった)作品は青みを帯びた灰色になると聞きます。

最初は貯蓄用のかめからスタートし、江戸時代にはお茶の道具と次々に日常生活に寄り添うように形を変えていった備前焼のスタイルは現在も然り。一陽窯ではコーヒードリッパーを備前焼で作っていて、繰り返し使用できるだけでなく、味がまろやかになるのも魅力です。
こんな人に行ってほしい!

耐久度の高さから「投げても割れぬ」と賞されたほどなので、備前焼の醍醐味は日常使いにこそ。おっちょこちょいな方ほど、備前焼の頑丈さにありがたみを感じたりして。
また備前焼自体が派手な色ではなく、どのインテリアやお部屋の雰囲気にもとけ込みそうな優しい色合いなので、食器をとにかく探していたら一枚持っていても損はしないはず。
例えば、小さい時から幼馴染に片思い中の男の子がいて、女の子はファッションやお化粧を覚えて、サナギが蝶に変化するごとく、どんどん綺麗になっていくんだけど、「俺は(釉薬に)染まっていない本来の良さも知っているよ」という意味を込めて、備前焼の花瓶をプレゼントして欲しい。通気性を備えた花瓶はお花も長持ちするので、俺の想いもフレッシュなままだよ!という追伸もぜひ。
※同じく岡山の手工芸ということで、「岡山x国産ジーンズ:博物館・アウトレット・体験が揃う『ベティスミス』」と、「岡山x日本刀:刀剣愛が止まらない!職人技を間近で拝見『備前おさふね刀剣の里』」も掲載中です。ぜひご覧ください。
■一陽窯の基本情報■
住所:岡山県備前市伊部670
電話番号:0869-64-3655
営業時間:9:30~17:30
定休日:火曜
https://www.facebook.com/ichiyougama
2022年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
岡山x国産ジーンズ:博物館・アウトレット・体験が揃った「ベティスミス」

「ジーンズは地球着」らしい、ある人曰く。最初は「それはそれは随分大げさな…」と思ったけど、街を歩けばジーンズ姿の人は必ずいるし、子どもが履く姿は可愛らしく、モデルさんが着こなしは凛々しく、おじさんには親しみを感じる。
つまりは着る人を選ばないということで、確かに一理あると思い始めたのは国産ジーンズ発祥の地として名高い岡山県児島にある、ジーンズを扱った唯一のテーマパーク「ベティスミス ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」に訪れたおかげです。
国産ジーンズ発祥の地「児島」

芸能人御用達のブランドがあったり、日本遺産に認定されたりしたことで、一気に知名度を上げた岡山県の児島(こじま)。繊維産業で栄えた歴史があり、今では自らデザイン・製造・販売を手掛けるジーンズショップが集結し、自分だけの1本を求めに国内外からジーンズ好きが訪れます。

児島駅に降りたら、階段や壁、さらにはロッカーにまで巨大ジーンズのイラストが描かれ、極めつきは何本ものジーンズがアーチになっている駅前。イタリアやスペインでよく見かける洗濯物の風景を日本国内で拝められるのは、きっとここくらい。
日本生まれのベティちゃん
ベティスミスこと、Betty Smithも児島で誕生したジーンズメーカー。1962年に創業して以来、ジーンズといってもレディース専門を手掛けてきたという稀有な会社です。
既にビッグジョン(Big John)という国産ジーンズの先駆者が近くにいたことで、ジョンにならい、一般的なアメリカ人女性の名前を付けようということで、ベティスミスが選ばれました。

名前が決まったら、今度はその名前に相応しいキャラクターということで誕生したのが、赤毛にそばかす、それに赤のオーバーオールをルーズに着こなすベティちゃん。チュッパチャップスが似合いそうなポップな容姿は、一度見たら忘れられないインパクトの持ち主です。
ジーンズの歴史を示す「ジーンズミュージアム1」
職人気質でありながら、キャラクターを起用するなど、どこか遊び心が感じられるベティスミス。ジーンズの可能性を広げたい、もっと多くの人たちにジーンズで楽しんでもらいたいという想いから「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」が生まれたのは必然だったのかもしれません。

博物館は2か所あり、どちらも同じ敷地内。まるでウェスタン映画に出てきそうなロッジの「ジーンズミュージアム1」では、ジーンズの歴史にスポットライトを当てています。ただの作業着だったパンツを世界的なファッションアイコンにまで仕立て上げたのには、リーバイス社の活躍が必要不可欠。

こちらにはリーバイス社より提供された、現代につながるジーンズすべての原型「リーバイス501XXの原型」を展示。この1本が始まりとなり、後にスキニーやベルボトム、ダメージ加工などが派生したのかと思うと、ジーンズの原種に触れたような気分になります。

「ジーンズミュージアム2」では、国産ジーンズの歴史と技術がテーマ。1970年代まで稼働していた工場を活用し、当時使われていた機械もそのまま展示しているので、雰囲気は抜群。まるで今にでもミシンの音が聞こえてきそう。
国産ジーンズの歩みを辿る「ジーンズミュージアム2」

そして、知ったのが「洗う」大切さ。今でこそ、買ったばかりでも履きやすいジーンズですが、発売当初はゴワゴワして履きづらかったそう。その問題を解消したのが、洗ってから販売するというひと手間。この方法が1965年、アメリカではなく児島で発明されたことに驚きです。
2つの博物館はどちらも無料。雰囲気も開放的で、好きな人はどっぷりと、そうでない人はささっと見て回れるサイズです。
誰かに向けた1本が日々作られる「縫製工場」

博物館のほかに、敷地内には1962年から今も現役という日本最古のジーンズ工場「縫製工場」もあり、ガラス越しに見学ができます。

訪れたときは土曜日のお昼近く。出勤日ではないものの数人の女性スタッフさんが作業中。さすが、アパレル関係とあって、遠目からでもオシャレさんな印象でした。
ゆっくりと見て回りたい「ストア&アウトレット」

歴史や技術を学ぶことは尊いことですが、きっと多くの人がお目当てに訪れているのが「ストア&アウトレット」。アウトレットという響きを拒む人はいないはず。

ジーンズをはじめ、ベティちゃんのTシャツやポーチなど幅広いアイテムが並び、見れば見るほど購買意欲をかき立てるものばかり。特にジーンズの後ろ部分を模したポーチはキュートなデザイン!おみやげにと言いつつ、自分に似合うジーンズを本気で探してしまいそうです。

ちなみに週末になると、ドームマルシェもアウトレットの会場に早変わり。試作品や一点物など掘り出し物を見つけるチャンスです。

入口前には、ベティちゃんの顔ハメ看板があり、記念撮影のスポット作りにも余念なし。「せっかく来ていただくのなら見るだけじゃなく体感してほしいですからね」と微笑むのが、代表取締役社長の大島康弘さん。

ミュージアムでの熱の入った解説を聞きながら、確固たるジーンズ愛に感服しつつ(冒頭でのジーンズは地球着という名言も、ご察しの通り大島さんです)、さらに感じたのが「楽しい場をつくりたい」という想い。
お気に入りの1本を自ら作る「体験工場」

「多くの人に楽しんでほしい。それもジーンズで」と、もはやファッションではなくレクリエーションと、とどまるところを知らないジーンズですが、「体験工場」では文字通り、ジーンズが面白いです。

体験工場では、自分好みのオリジナルジーンズを一から作るものから、デニム生地を使ってオリジナルのキーホルダーやポーチを作る体験ができます。

ジーンズの象徴といえる、ポケットに打ち込まれたリベット。色や形が違う、たくさんのリベットから自分好みを選んで、自ら打つ体験はなかなかできないもの。手で調整しつつ足も使いますが、意外とペダルが重くて苦戦。ジーンズ作りはホームページ、小物作りの問い合わせはお電話で。
ちなみにデニム・ジーンズ・ジーパンと似たような単語がありますが、デニムは生地、デニムから作るパンツをジーンズだと知りました。ジーパンは和製英語ですが、この際、日本製ジーンズを略してジーパンにしてみては?と一人思いついたりして。
こんな人に行ってほしい!

ぜひ服に興味がない方(特に女性!)にこそ、「ベティスミス」がおすすめです。だって、ここを訪れたなら自分に似合うジーンズが見つかるから。日本人仕様にデザインされたジーンズは自分の短所を長所に変えてくれる、良き理解者になるはずです。
そして、今回男性用のジーンズを試着して体感したのが、やっぱり男性用より女性用の方が身体にしっくりきます。腰回りや太もものフィット感、快適性が全然違うので、やっぱりそれぞれの性別に合った服を着るのが一番だと実感しました。
例えば、お腹まわりが立派になり、ゴムのスカートが手放せないお母さんがいて、偶然テレビで出川さんがジーンズを可愛く履いている姿を見入っているのを発見したら、お父さん(もしくは母の日前のお子さん)、誘ってみて。オシャレを忘れていた女性たちをときめく少女に変えちゃう、そんな魔法をかけてくれるのがジーンズなら、さしずめ「ベティスミス」は魔法使いですかね。
※同じく岡山の手工芸ということで、「岡山x日本刀:刀剣愛が止まらない!職人技を間近で拝見『備前おさふね刀剣の里』」と「岡山x備前焼:すべての製作過程が見られる『一陽窯』」も掲載中です。ぜひご覧ください。
■ベティスミス ジーンズミュージアム&ヴィレッジの基本情報■
住所:岡山県倉敷市児島下の町5-2−70
電話番号:086-473-4460
営業時間:10:00〜17:00(昼休憩12:00〜13:00)
定休日:年末年始
https://betty.co.jp/
2022年5月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。











