チェコx温泉:カルロヴィ・ヴァリの「エリザベス・スパ」で日帰り入浴を

プラハから車やバスで約2時間のカルロヴィ・ヴァリ(Karlovy Vary)は、言わずと知れたヨーロッパを代表する温泉地です。川沿いに並ぶ煌びやかなホテルが町並みをパステルカラーに彩り、その美しさは映画『007』に登場したほど。

多くの旅行客はホテルにあるスパ施設を利用しますが、「エリザベス・スパ(Alžbětiny lázně)」は豪華な外観に反し、旅行客だけでなく地元住民も訪れる公衆浴場的な存在。トリートメントも豊富で、自分好みのプランをオーダーメイドできるのが魅力です。

温泉地にも関わらず苦労する浴場探し

チェコの西側に位置するカルロヴィ・ヴァリ。ドイツ国境に近いことからドイツ語の「カールスバート(Karlsbad)」という呼び名でも親しまれています。

ここの温泉が発見されたのは14世紀頃。伝説によると時の権力者だったカール4世が狩猟中に発見し、温泉に浸かることで自らの怪我を治したという、まるで日本にもありそうな言い伝えですが、その後の利用方法が日本とは異なります。

全身で湯に浸かる日本式に対して、カルロヴィ・ヴァリでは温泉を飲む飲泉が主流。源泉を飲める場所が16か所もあることから、旅行客は持ち手がストローになった特製カップを片手に散策と飲泉を同時に楽しむのです。

源泉は「蛇の源泉」など、それぞれ名付けられており、温度と味も様々。一口飲むのも苦労するほど濃い味もあれば、まるでお湯のようにごくごく飲めるのもあり、源泉マップを頼りに飲み比べをするのもカルロヴィ・ヴァリの人気な過ごし方。

温泉を飲むことで胃腸や腎臓の動きが促進され、体の調子を整えるのが、こちらの湯治療法。そのため入浴施設はホテルに併設している場合がほとんど。日帰りでカルロヴィ・ヴァリを訪れるとなると入浴自体が難しいのです。

100年の歴史を持つスパ施設

そうは言っても、温泉大国から来た日本人なら温泉は飲むのではなく、浸かりたいもの。そこで頼りになるのが、中心地にある「エリザベス・スパ」です。

1906年に、誰もが利用できるスパ施設としてオープン。建物はフランス式の宮殿(シャトー)を採用し、施設名も当時の統治国だったオーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリザベートから取るなど、洗練さも兼ね揃えた施設の幕開けは「温泉療法の黄金期」と賞され、1日あたり2,000人近い人々が訪れていました。

エリザベス・スパのホームページ

1916年に親近感を持ってもらうため、施設名を「SPA5」に改名。その後、プールを増設したことで、ファミリーなど幅広い年齢層に親しまれたところ、名前を元の「エリザベス・スパ」に戻しますが、今でも「SPA5」の名称は健在です。

この非日常感から大衆化への流れもあり、エリザベス・スパはまるで町の公衆浴場のような親しみのある雰囲気が漂っています。

60種類のトリートメントから好みを選択

こちらでは入浴、サウナ、マッサージ、フェイシャルなど60種類のトリートメントが用意されています。

入浴に関しても、日本の浴場みたいに大きな浴槽に浸かるのではなく、1名用の浴槽を使用。さらにお湯も「泡風呂」、入浴剤を入れた「ハーバル風呂」、血流促進が期待できる「二酸化炭素入り」など複数から選べます。

またフランス生まれのブランド「ジェナティック(GERnetic)」を使用し、セルライトを撃退したり、毒素を排出したりするボディラップのメニューもあります。料金は他のトリートメントより割高ですが、ご褒美にぴったりです。

ホームページに各トリートメントの説明があるほか、受付でもトリートメントの説明が記載されたカタログがもらえますので、ぜひ参考にしてみてください。

もし本格的な湯治をご希望なら建物内には医師と看護師も常駐しているので、診療を受けた上で適切なトリートメントを教えてもらえます。診察は1,300チェコ・コロナ(CZK/約7,300円)より。

予約&利用方法。迷ったらプログラムで!

プラハに次いで2番目に多くの旅行客が訪れるカルロヴィ・ヴァリの中でも、さらに日帰り旅行者もスパが受けられるとあって、エリザベス・スパを利用する際は事前予約がおすすめです。

予約方法は3通りで、①来店受付(平日7:30~19:00 土曜9:00~19:00 日曜10:00~18:00)、②電話、③メール(info@spa5.cz)にて。

当日も受付を訪ねると、利用可能なメニューを教えてくれます(英語・チェコ語・ドイツ語で応対)。その日の予約状況にもよりますが、比較的当日でも受けられそうと感じたのが、一度に大勢が利用できる「ソルト・チャンバー(Salt Chamber/詳細は後程)」と泡風呂などの入浴、それにマッサージです。一方で、パラフィンパックは人気で特に週末の予約は難しそう。

私が予約した時は、水曜日に受付に直接出向き、希望日だった土曜日の午後に予約を行いました。その際、どのトリートメントを受けるか迷っていたので、入浴やマッサージなど複数のトリートメントが既に組み込まれている「リラクゼーション・プログラム」を選択。

リラクゼーション・プログラムは3種類あり、①スイミングプールも利用できる①「クラシック」、②アロママッサージとソルト・チャンバーが受けられる「リラックス」、③メニューが盛りだくさんな「イーズ」の中から、②リラックスを選びました。トリートメントが3つ(計95分)受けられ、料金はひとり980チェコ・コルナ(約5,500円)。トリートメントをそれぞれ頼むより、100チェコ・コルナ(約560円)安くなりました。

日時、内容が記載されたスケジュール

受付で希望のプログラムと日時を伝えると、自分専用のスケジュールを作成してもらえます。スケジュールには開始時刻と部屋番号が記載されているので、自ら出向いて部屋の前で待っているとスタッフさんが出迎えてくれます。

各部屋の前で待機

前後の予約状況によっては早めに行えますが、そうすると次のトリートメントまで数十分待ったりすることもあるので、その際は読書などで時間をつぶすか、町へ散策に出掛けて調整を。スパ施設はWi-Fiもあり、パスワードは受付で入手できます。

シナモンを使った施術は刺激的&塩でリラックス!?

プログラムとは別に、追加で気になった「シナモン・パック(450チェコ・コルナ/約2,500円)」を受けたところ、予想以上の効果に驚き!

シナモンを練り込んだクリームを脚全体にまんべんなく塗ってもらい、10分ほど安静にしているとヒリヒリ感がどんどん増し、燃えるような感覚に。あまりにも初めての経験だったうえ、説明書きにシナモンアレルギーの方は要注意とあったことを思い出し、もしや脚が水膨れになっているのでは?と心配したほどでしたが、外見はいたって普通でした。

その後、クリームを拭いてもらい、熱を帯びている脚をカッピング。カップでお尻下部からふくらはぎまでマッサージされますが、あまりの力強さに固まっていた脂肪も溶けて流れていきそうな期待感。まるで脚の全お肉がそぎ落とされているような感覚で、多少の痛みも伴いますが、やった感も得られるトリートメントです。

さらにプログラムの最後に受けた「ソルト・チェンバー」も珍しい体験ができ、おすすめです。建物の地下、まるで洞窟のような空間に45分間滞在しますが、クリスタルと塩の結晶に囲まれ、水が落ちる音を聞きながらリクライニングチェアに寝そべっていると、あっという間に夢の世界へ。

究極のお昼寝体験でした。思った以上に眠りが深かったことに驚いたのと、目覚めると喉がすっきりし、空気の通りも爽快。イオン化された空間は細菌の活動を抑え、身体全体の調子を整えるのだといいます。そのため喘息や肌荒れ、高血圧、アレルギーにも効果があるのだとか。

10回券やお子さん連れ専用の時間帯があるなど、頻繁に利用されている様子でした。

日本人こそ、訪れて欲しい場所

ヨーロッパの歴史ある温泉地「ルロヴィ・ヴァリ」の中心地にある「エリザベス・スパ」。優雅な佇まいでありながらも、扱っているメニューの多さ、幅広さが、多くの人たちに親しまれてきた歴史を物語っています。

ぜひ訪れた際は、宮殿さながらの優雅な温泉施設で旅の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。また温泉に親しい私たち日本人だからこそ、意お湯の温度が意外とぬるめだったり、タオルの代わりにシーツを活用するなど、ヨーロッパとの違いが比較でき、さらに楽しめるはずです。


■エリザベス・スパの基本情報■
住所:Smetanovy sady 1145/1, 360 01 Karlovy Vary
営業時間:8:00~19:00
アクセス:カルロヴィ・ヴァリ駅から徒歩で約10分
https://www.spa5.cz/en/

2022年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。