【旅記事】 静岡x紅葉山庭園: “晩秋”がそこに

昨日、静岡市の駿府城公園を散歩してきました。
天守閣はなく、櫓が2ヶ所復元されていて、それに庭園と堀もあります。
江戸時代の雰囲気が感じられるというより、市内にある憩いの公園的な感じです。

公園内の一角にある「紅葉(もみじ)山公園」
2001年完成のお庭はキラキラな平成生まれの如く、従来の庭園とは一味違ったおもてなしで訪れた人をワクワク気分にしてくれます。
池泉回遊式。入ってすぐ眼前に広がる池の先には…

左右対称な稜線が眩しい小さなお山の姿が。これはもう唯一無二の富士山ですね!
そして裾野に広がるのはお茶畑。さすが静岡県、お家芸をふんだんにアピールしてます。
そして池沿いに富士山の方へ順路を進めていくのですが、どんどん光景が変わっていくのが面白いです。

白い石が州浜に敷き詰められ、さながら三保の松原。
静岡県の景勝地がギュッと詰まった庭園は、”侘び寂び”より“I ♡ 静岡‼”な静岡愛が感じられます。
しかし、さっきまで陽気な雰囲気だったのに振り返ると一変、おふざけなしの渋い景観と化しているから凄い。

燃えるような紅葉に誘われるまま奥に進むと、静岡茶のような濃い草木に囲まれた滝も登場。

紅葉の時期は朱、紅、橙、黄金と煌びやかな錦に包まれ、雅な世界にうっとりしてしまいます。

この時、訪れたのが12月中旬。
鮮やかな紅葉の見頃は過ぎていて、紅葉自身が散り様を意識したような褐色を帯びていました。
まさに秋の終わり、”晩秋”を感じさせる色あい。

少し寂しさが付き纏う時季。それでも身も心も温めてくれる暖色がここにありました。

庭園には川が流れ、紅葉が流れる様子も風流。
この川も市内を流れる安倍川を表しているという徹底ぶり。

池や山、川など限られた敷地内で静岡の名勝を表現した紅葉山庭園は、
里の庭、海の庭、山里の庭、山の庭と大きく4つの庭に分けられています。
公園の見どころを紹介するオーディオガイドも無料で貸し出していて、一周する頃には静岡通になっているはず。

庭園には茶室「雲海」もあり、お抹茶や和菓子を味わえます(有料)。
手前には椿など2種類の植物からなる生け垣が雲海のように緩やかに形成されていて、
ここも個人的にはぜひ注目して頂きたいところ。

あと、水辺や頭上で複数の鳥を見かけたことにも驚き。県庁所在地かつ市内ど真ん中にもかかわらず。

入口に展示された紅葉山庭園の看板ですが、
こちらは徳川宗家第18代当主・徳川恒孝(つねなり)さんによるもの。
そういえばここは徳川家の土地で、今も続いている家系なんだなぁと歴史から現代への繋がりを実感できます。

四季折々の植物が咲く紅葉山公園ですが、やっぱり名前の通り、訪れるなら秋が良いです。
寒さが増してくる頃ですが、温暖な静岡だからこそギリギリまで紅葉狩りを楽しめますよ。


<紅葉山公園の基本情報>
住所:静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1 MAP
電話番号:054-251-0016
開園時間:9:00~16:30
休園日:月曜(祝日、休日は営業)、年末年始
アクセス:JR静岡駅から徒歩約15分、静鉄新静岡駅から徒歩約12分