”きょう、ロマンスカーで”という合言葉で長年親しまれている箱根。
情緒ある温泉街には浴衣や湯葉、お蕎麦などゆらりと優し気な雰囲気が似合いますが、2020年前半は、どうやら違うかも??
実は2020年1月10日~6月30日まで今夏に公開される『シン・エヴァンゲリオン劇場版』とコラボを実施。
箱根が第3新東京市へ。
10年前にもコラボをしていたそうですが、「箱根史上最大規模でエヴァンゲリオン化」という今回のキーワードが嘘じゃないほど、
町全体を巻き込んだ大プロジェクトにこちらも熱くなります!
まず様変わりしたのが「桃源台駅」。
箱根ロープウェイや箱根登山バス、小田急箱根高速バス、そして箱根海賊船が出発する場所。
駅名にチラッと施されたエヴァ化にほくそ笑みつつ、足を踏み入れるとネルフ本部をイメージした空間が。
そして、その先には初号機も!高さ約2mなので、並んでの2ショット写真も実現。
自分より少し高い/大きいのがポイントですね。
近くで見ると脚の曲線美が滑らか過ぎて、まるで筋肉の隆起のよう…
これ…ロボットというか人間みたいと思えてきます。
凄いくびれたモデルさんがカラーペインティングしたら再現できそうなほどガツガツ固いロボットというより、しなやかな肢体でした。
所々に登場人物のイラストもあります。
海賊船に乗船する際はメインキャラクターによる見送りも。
完成お披露目セレモニーもこの場で行われました。
小田急箱根ホールディングス株式会社の社長さん筆頭に箱根町長さん(写真下)、
エヴァンゲリオン版権元の代表取締役さんなど錚々たる顔ぶれ。
お話を聞く機会もあったのですが、渋い表情の方々が”エヴァンゲリオン”を連呼し、その様子が新鮮。
父や祖父のような方々が、”エヴァンゲリオンの要素を取り入れたカラーリング” やら
”エヴァンゲリオンの舞台” ”アニメの聖地” ”エヴァンゲリオン” を熱心に唱える。
数十年前には考えられなかった現象だなぁと思うと共に、アニメの地位向上に感服です。
そして、圧巻だったのがラッピングされたバス計7台が大集合。
イメージカラーに彩られ、ミサトさんの声で車内アナウンスも流れるという徹底ぶり。それと同時にミニカーも販売開始。
期間限定だったバスが自分の手元で永久に眺められるというファン想いのグッズです。
そして、その多くの人たちを巻き込む姿に思わず驚愕してしまいましたが、それもそのはず。
箱根にとってこれは起死回生のプロジェクトなのです。
関東地方に甚大な被害を及ぼした台風19号。その爪痕は箱根にも残し、あじさい電車で有名な箱根登山電車は長期運休を余儀なくされ、
箱根登山ケーブルカーも2020年3月下旬まで復旧工事を予定しています。
代行バスを運行させ、台風の後遺症を最小限に留めようとしてますが、それでもダメージは健在。こういった背景も助長して、大勢の協力が集まっての町全体を巻き込んだ壮大なプロジェクトになったのだと思います。
「箱根の盛り上がりを駅伝で終わらせないぞ」という意思がつぶさに感じられました。
「箱根史上最大規模でエヴァンゲリオン化」というキーワードの通り、期間中はエヴァンゲリオン尽くし。フリーパスもエヴァ仕様。
あと桃源台駅にはちょっとした場所にエヴァ要素が隠れているので、それを見つけるのも楽しいですよ。
こちらは駅にある普通のトイレ標識。本当に芸が細かい!
そしてエヴァ化は紫陽花で人気な「箱根強羅公園」にも。
四季折々の草木が咲き誇る、メルヘンな雰囲気漂う公園です。
お洒落なレストランもあり、クラフトハウスではトンボ玉などの体験教室も開催。
公園は坂に沿って広がっているので、その坂をどんどん上がっていくと…
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
まさかのロンギヌスの槍。公園にグサっと刺さる姿は違和感を通り越して、圧倒です。
そして、エヴァ化しているもう1か所がこちら。
「箱根小涌園ユネッサン」。
そう、ワイン風呂などユニークなお風呂を多数楽しめる温泉テーマパーク。ここでは期間限定でエヴァンゲリオンとコラボしたお風呂と食事を提供。
何といっても迫力あるのが、セカンドインパクトの湯。
凄い赤いです。施設の人に尋ねたら、”赤”に染めることは早めに決定したとのこと。
その後、白い水着でも染まらないよう赤さ加減を調整。ウォータースライダーなので長時間浸からないことを考慮して、
今の赤さに決まったのだとか。色を決めるのも一仕事です。
あと、こことは別に洞窟風呂もセカンドインパクトになってます。
アニメの世界観を壊さない、おどろおどろしさです。でも、ご安心を。
洞窟風呂はお湯自体は透明で、照明で赤くしています。長時間入っていても水着は染まらないのです。
施設各所にエヴァがいるので、これもファンの心をくすぐります。
LINEトークで隠れエヴァを探すイベントも開催していて、先着で特別シールがゲットできます。スマホを使ったアクティビティは現代ならでは。
そして気になるお食事の一例もご紹介。
ユネッサンでお馴染み、セカンドンパクトをイメージしたセカンドインパクトゼリー。
ちゅるりとしたストロベリーゼリーにぷちぷち食感のゼリーが加わり、見た目もインパクト大のデザートです。
箱根小涌園スイーツ&ベーカリーで販売しています。
大文字テラスにあるチョコレートファウンテンは初号機バージョンで緑と紫が登場。緑は抹茶、紫はいちごです。
あと、個人的にキュンとしたのが、使徒かま。
見た目が可愛くてシュール。そして、かまぼこ1つ1つをこの形にくり抜く手間に感動。
そして、可愛らしい見た目に反して、生粒こしょうのピリッとした辛さがやみつきになります。
使徒はクッキーにも登場。この2ショットがツボりました。
エヴァンゲリオンの舞台となった場所を巡るスタンプラリーも復活。
スタンプを集めるとシールやクリアファイルといった限定賞品をもらえるのは嬉しいですが、
スタンプの場所が記されたマップにはアニメシーンと実際の風景が描かれていて、その忠実な再現ぶりはファンでなくても驚き、尊敬してしまいます。
アニメが始まった20年以上前から、ここまで本格的に3次元を2次元に取り込んでいた徹底ぶりはエヴァが現実の世界で実際に起きていると錯覚させるのに十分です。だからこそ、今でも世界各国で多くの人を魅了しているんだなぁと納得しました。
サンタさんは信じないけど、エヴァは現実にいるんだと信じてしまいそう。恐ろしいです。
そして、今回のビジネスプランも素敵です。箱根はエヴァンゲリオンで盛り上がるし、制作会社は映画の良いPRになります。
そして、ファンや旅行客は普段とは違う箱根を楽しめる。これって誰もがWin-Win-Winになれる良い効果だなぁと感じました。
セレモニーの結びに登場された5名の重鎮さん達が「エヴァンゲリオンx箱根 2020 MEET EVANGELION IN HAKONE」というイベント名を言い、
最後に「始動‼」とさらに大きな声を揃えて放ったのが印象的でした。
人類ではなく、まずは地元から。エヴァンゲリオンが箱根の救世主になりますように。
そして、読んでくださった皆さんも救世主の担い手になって頂けることを願ってます。