新規コロナ感染者数が下降するなか、成田空港からドイツのフランクフルトへ飛び立ちました。
久しぶりの国外ですが、何がどう変わったのかをレポートです。
まずは久々の長距離フライトに、体はもつのか?と緊張と興奮を感じつつも、空の上は変わらず青くて、ドイツは秋の気配が感じられ、目の前の景色は輝いていました。
連日運行だったのが週3便に
成田空港からJAL407に乗り、フランクフルト空港へ。
以前なら毎日運航していた便ですが、今では週3便。それでも、直行便があるのはありがたいです。
9月末に搭乗し、その日の乗客は20名。
1つのエリアで4~5名という割合で、隣がいないエコノミー席は一気にフルフラットのベッドへ早変わり。
コロナ対策を徹底した食事
食事は和食か洋食(牛肉かお魚)の3種類。事前に予約をすればベジタリアンやハラルフードもいただけそうです。数に限りがあるためか、希望の食事が食べられないことも。なので、前列に座って早くリクエストするか、搭乗前にウェブでリクエストすると確実です。
食事は感染症対策を踏まえ、人の手に触れないよう徹底しています。袋やカバーにかけられ、自分で開封しますが、安心感と同時に少し寂しい気持ち。袋のままに入ったパンがホカホカだったのには驚きです。あとカトラリーも使い捨てじゃなかったのが嬉しい。9.11発生後はプラスチックがしばらく続いたので、あのときに比べたら、乗客に対する警戒心は低いのかもしれません。
ステーキはやわらかく、口の中でとろける至福の味でした。
巨大雲が迫る、ラピュタの世界
旅立つとき、東京は台風の影響を受けて曇り空が続き、その様子はロシア、シベリアの上まで。下界が見えないほど雲が厚く、ぼったりな積乱雲があちらこちらで控えていると、まるで雲たちの戦争をしているような、そんな迫力ある光景が続きました。
きっとパズーのお父さんがラピュタを発見したのは、こんな荒れ模様だったはず。今回はラピュタを見られませんでしたが、雲の中に帝国や建物が隠れていてもおかしくないと思えるほど、好奇心が掻き立てられる雲たちの光景でした。
着陸に近づくにつれて広がる田園風景
北海道と同じ緯度に位置するドイツの今の気候は、東京の1か月先くらい。
紅葉が始まり、ダウンジャケットや帽子の防寒道具から、クリスマスの準備が始まります。
眼下に広がる田園風景は黄緑に鳶色など、畑ごとに色彩がはっきりしていてパッチワークみたい。
ちょうど、雨が上がったばかりだったのか、雲も空の景色を引き立てます。見逃しそうな薄い虹も見られ、おぼろげに畑に架かっていました。
フランクフルトの正式名称は「フランクフルト・アム・マイン(Frankfurt am Main)」。マイン川沿いのフランクフルトという意味です。物流はもちろん、ワインづくりの土地としても川の存在は欠かせません。
フランクフルトに近い、リューデスハイムというワインが有名な町では、川沿いにワイン畑が稜々と広がり、その歴史も古いことから世界遺産に認定されています。特に初夏は清々しい空気が纏い、私のお気に入りの場所でもあります。
川をぼんやり辿っていたら、目線の先にはU字型の湾曲した姿。アメリカのホースシューベント(Horseshoe Bend)を彷彿させるほどの急カーブに、きっと数々の船乗りを苦しめたのではないでしょうか。
到着後の入国審査の行方は?
フライトは順調に終了し、フランクフルト空港に到着。後半は、久しぶりのドイツの風景に終始興奮でした。やっぱり飛行機からの景色は美しく、国境とか関係なく広がる大地は、ここが1つの世界なんだと実感させられます。
食事がパッケージのまま出されたり、終始マスクを着用したりする以外は以前のフライトと変わりませんでした。フランクフルト空港では、JALはEU以外の国際線専用のターミナル2に停まりますが、入国審査が2か所のうち1か所のみオープン。そのためスタッフも少ないですが、そもそも乗客も少なく空港もガラガラなので問題なし。
日本は2021年9月24日以降より、ドイツが指定するハイリスク地域から解除されているので、以前まで申請が義務付けられていたデジタル入国登録(DEA)も不要。ワクチン接種証明書とパスポートを提示したら、あとは渡航目的も聞かれず、滞在期間と飛行機が混んでいたかどうかの質問に答えて終了。拍子抜けするほど、スムーズに入国でき、安堵です。
コロナで世界は変わったのかと聞かれたら、確かにワクチン証明や人の手に触れない仕様など、変化は確実にあります。でも、空席ばかりの飛行機や空港を見て、20~30年前と同じだなというのが私の感想。多分、世界は少しだけ時間を遡ったのかもしれません。便利が当たり前だった現代を強制的にリセットするために、もしかしたらコロナは現れたのかもしれません。