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スクランブルスクエア、フクラスと再開発ラッシュが続く渋谷駅界隈。以前は近寄り難かった宮下公園も公園とショッピングを兼ねた複合施設MIYASHITA PARKとして生まれ変わり、その一端にホテル「sequence MIYASHITA PARK(シークエンス ミヤシタ パーク)」もオープンしました。
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四方に客室が配され、各方面に向いた窓から臨む渋谷の街並みは多面的で、それだけでこの街の複雑さが感じられます。鮮やかで眩しくて、そして人の存在が常に感じられる。人恋しくなったら、ここに泊まってみてください。
現代的でスタイリッシュな建物
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sequence MIYASHITA PARKがあるのは、MIYASHITA PARKの北端。4階の公園エリアから向かうと、青々と茂る芝生の先に、テトリスを積み上げたようなブロック型の外観が見えてきます。
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フロントは、シェアオフィスのようなカジュアルでオープンな雰囲気。複数のディスプレイが設置されていて、さながら訪問先の企業を呼び出すようにタッチパネルを使い、自分たちでチェックインを行います。
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自分でカードキーまで設定する作業が新鮮。ここでアメニティも選びます。
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心地よさを追求した客室
ライトグレーと木材の壁はクールな印象でありながらも温もりが感じられ、部屋を彩る金色のインテリアが洗練された雰囲気を演出。
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限られたスペースを最大限に生かそうと、情報はすべてタブレットに集約させ、控えめな家具を配置。そして奥の壁一面が窓となり、無限の奥行を演出しています。
さらにベッド上の天井を高くするなどで圧迫感も感じません。手が届く距離に必要なものを置けるので、使い勝手が良く、快適に過ごせる客室です。
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浴衣ではなく、ズボンもついたパジャマが着用できるも嬉しいポイント。これで下半身も冷えません。
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唯一自己主張を放っているといえるのが、部屋に展示されているアート作品。こちらのホテルが「アートと宿泊者をつなぎたい」という想いゆえのあえての装飾であり、これがホテル独自の面白さ、ユニークさに通じます。
客室に潜む小さなこだわり
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快適な空間を維持しつつ、渋谷らしさの奇抜さやファッションを示したいというホテルのこだわりをまず感じたのが、照明のスイッチ。部屋に入ったとき、多くの人たちが最初に目にする部分ではないでしょうか。
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少し力を入れないとカチッと上がらない真鍮製のスイッチ。すっかり日常から姿を消してしまったからこそ、ここで指をかけると同時に、非日常の舞台も開演したようです。
気まずくならない洗面所
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約240室の8割以上の客室がシャワーのみ。浴槽が恋しい場合はキングルームやジュニアスイートだと備わっています。
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大浴場や浴槽がないことに物足りなさを感じつつも、頭上から全身くまなくお湯が注がれるレインシャワーを浴びれば、雨に打たれたようなずぶ濡れ状態で、ちょっとしたドラマ気分。アメニティにはオーガニックのシャンプー、コンディショナー、ボディソープが備わっています。
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洗面台はシャワー室の外にあるので、1人がシャワーやトイレを使用中のときも終わるのを待たずに使用できます。ミネラルウォーターは無料。湯沸かし器もフロントで借りれます。
夜が特別なひととき
眠らない街に泊まるのだから、夜通し出掛けることも渋谷らしい過ごし方ですが、せっかく落ち着ける拠点があるのだからこそ、部屋でぼーっと窓の外を眺める時間もつくってほしいです。
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遊び足りないものの終電を気にして足早に歩く友達グループや、深夜遅くに歩道でスケボーの練習をする男の子たち。次から次へと通り過ぎるタクシーは誰かを乗せていて、今日も家路へと向かっています。
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部屋から外を眺めていると、常に何かしらの動きがあって、そこには必ず人の気配があります。通行人、揺れるカーテン、消灯する部屋、路上駐車する作業車。自分は独りぼっちじゃないんだなぁとしみじみ感じ、ただ眺めて確認できる距離感がちょうど良いです。
窓ガラスに書かれた「Hi, TOKYO」が作品名のようで、窓から見た景色すべてが東京という街を表しています。
早朝、無人の公園を散歩
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早朝の渋谷は夜の妖美な姿とは一転、静寂に包まれています。昨夜、夜景という名の下に一体化していた建物たちも、ジオラマのごとく、それぞれの存在感を放ち始めます。
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宮下公園は8時から開園しますが、オープン前の様子を独り占めできるのがホテル宿泊者の特権。職員さんが公園を掃除してたり、カフェの店員さんが開店前の準備に取り掛かってたり。その様子を見て、こちらも今日を充実させるぞと前向きな気持ちになります。
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朝食の選択肢は3つ
sequence MIYASHITA PARKでは5階にレストラン「Dōngxī Restaurant & Sakaba(ドンシー レストラン&サカバ)」があり、朝からボリューム満点な朝食をいただけます。ベジタリアンメニューや、インドネシアのさっぱりした麺料理フォーなど、従来の朝食とは一味違う、グローバルなメニューが特徴です。
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宿泊者以外も利用できる4階のカフェ「VALLEY PARK STAND(ヴァリー・パーク・スタンド)」では、ドリンクとペイストリーなど軽めな朝食を販売。数種類あるピタサンドはその場で温めてくれ、自分の部屋に持ち帰って食べることも可能。活動を開始した渋谷の様子を見ながらいただく朝食はここならではです。
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そしてホテル以外にも、渋谷周辺では朝からオープンしているカフェや朝食屋さんもあるので、散歩がてら訪れてみるのが3つ目の選択肢となります。
主婦やシニアに泊まってほしい
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4階のカフェではパソコンで作業している人たちも多く、ホテルというよりコワーキングスペースな印象。さらにカフェで販売されている専用タンブラーを購入するとホテル滞在中は無料でコーヒーをいただけるということから、東京に仕事や会議などで訪れた会社員には使い勝手が良さそうです。
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タンブラー以外にもカップやTシャツ、再利用可能なストローなどの雑貨も販売。
渋谷という立地からファミリーやカップルで使う人たちが多いと聞き、それにも納得。渋谷だけでも1日中過ごせますし、電車を使えば東京の主要スポットにすぐ行けます。チェックアウトが14時と通常より遅いため、ギリギリまで部屋に荷物を置いたまま出掛けられるのも魅力です。
ただし、それだと普通のビジネスホテルと変わりなく、あえて主婦やシニアの方々がsequence MIYASHITA PARKに滞在したら素敵だなと思いました。
仕事に家事に育児とマルチタスクをこなす主婦さんはスーパーウーマンです。だからこそ、少し疲れてしまったり、1人になりたくなったりしたら、このプチ逃亡先へ。非日常感な客室は日ごろの気持ちをリセットし、普段より開放的な時間は人の温もりを恋しくさせ、朝には家に帰りたくなるはず。
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またシニアの方々にとっても、段差が少なく、ベッド仕様の客室は使いやすいはず。さらにトイレと浴槽が一体型となったアクセシブルルームもあります。若者の街というイメージが強い渋谷ですが、sequence MIYASHITA PARKなら落ち着いた雰囲気を楽しめます。普段とは違うオシャレな服装に身を包み、カフェで優雅に朝のコーヒーを飲む姿は様になります。
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どんな人も受け入れられるのが、渋谷の土地柄なのだから、予想外な人にこそsequence MIYASHITA PARKを利用してもらいたいです。
渋谷を魅力的にさせるものは…
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遊ぶ渋谷から泊まる渋谷を体感できる「sequence MIYASHITA PARK」。名前のsequenceはつながりという意味で、その名の通り、このホテルから人と人、人と街がつながっていきます。その連鎖反応が街をより複雑にし、魅力的にすることで、さらに多くの人が渋谷という街に惹きつけられているのかもしれません。
<sequence MIYASHITA PARKの基本情報>
住所:東京都渋谷区神宮前 6-20-10 MIYASHITA PARK North
アクセス:「渋谷」駅B1出口より徒歩3分
https://www.sequencehotels.com/miyashita-park/