【旅記事】コロナ対策xタイ入国:旅行者もOK!でも出発1週間前から要準備

東南アジア屈指の観光大国タイ。2021年より条件付きで観光を目的とする旅行者の受け入れを開始し、2022年4月には入国72時間前に必要だったPCR検査の陰性証明書も免除(国によっては必要な場合も)。規制が緩くなったので、4月中旬にタイを訪れました。旅行者にとって嬉しい環境ですが、それでも出発前から準備するものがあり、予想以上に手間取ることも。出発2週間前くらいから情報を収集しておくことがおすすめです。

タイの旅行者受け入れ事情

コロナ以前、日本人ならパスポートのみを提示するだけでタイに入国できましたが、今ではタイ国籍以外の全員が「タイランド パス(Thailand Pass)」をオンラインで申請する必要があります。費用は無料で、特設サイトから必要書類を提出していきます。

現在(2022年4月)、タイでは渡航者の受け入れ体制を出発地やワクチンの接種状態によって3タイプに割り振っていて、自分がどれなのかもタイランド パスの特設サイトで確認できます。

①Test & Go(私が利用したもの)
世界の主な出発地が該当し、ワクチン接種がタイ入国の14日前に完了した方が受けられるもの。到着時に政府指定のホテルでPCR検査を受け、陰性が確認されたら待機が免除され、外出もできます。滞在が5日間以上の場合、5日目に抗原検査を自身で行い、結果を報告します。

5日目に行う抗原検査キット

②Sandbox プログラム
クラビやプーケットなどバンコク以外で、Sandboxに指定されたエリアに滞在する人用で、ワクチン接種がタイ入国の14日前に完了した方が受けられます。到着時にSandboxエリアの政府指定ホテルに5日間滞在し、初日にPCR検査を受けることが条件。5日後に抗原検査を自身で行い、陰性ならSandbox以外のタイ国内も旅行できます。

③その他(Alternative Quarantine 代替検疫施設を利用)
ワクチンを接種していない方用で、政府指定のホテルに5日間滞在し(その間は外出も不可)、4日目もしくは5日目にPCR検査を受けることが条件。陰性が確認されたのち、6日目から外出もでき、タイ国内も旅行できます。

出発の2週間前に確認したいもの

Test & Goを選択した際に提出する書類は4点。PDF不可なので、カメラで撮ったり、JPG形式に変換したりしてアップロードします。

①パスポートの写真ページ
②ワクチン接種の証明書
③タイでの治療を保障する医療保険
④初日のホテル予約確認書

出発1週間前に申請する必要があるので、それまでに準備しておくのが面倒なところ。特に②ワクチン接種の証明書は英字仕様なので、地方自治体に問い合わせて郵送してもらう場合もありえます。

私は東京在住で、住んでいる区に申請書を郵送し(電話・ネットでの申請は不可)、返送してもらったので合計で1週間ほど時間を要しました。この手続きがあったので特にワクチン接種証明書については出発の2週間前から確認しといた方がおすすめです。

接種証明書アプリの画面をスクショする方法も考えられますが、今回は自治体が発行した証明書を利用しました。

また③タイでの治療を保障する医療保険も、2万ドル以上と金額が指定されています。このタイ旅行のために旅行保険に加入する際はネットからも手続きができ、コロナ治療も保障対象と英字で記載された保険証を発行してくれるので、時間が迫っているときに便利です。

私はクレジットカードに付帯している旅行保険が2万ドル以上だったので、そこの保険会社さんに連絡し、保険証を英字で発行してもらいました。ここもコロナ治療を含む旨を記載。このやりとりも4日ほどかかったので、出発の2週間前から準備しておくと安心です。

ホテル予約確認書も政府が指定したホテルが条件

④初日のホテル予約確認書について、タイ政府が指定したホテルに宿泊することが条件。指定されたホテルは、「SHA Extra+」や「AQ Hotel」と明記されていて、一覧で探せます。 シーロムにあるPullman Hotel Gを常宿にしているのですが、このホテルもSHA Extra+に認定されているので、ホテルサイトから直接予約。

プラン一覧には、空港からの送迎や初日のPCR検査、それに5日目の抗原検査キットすべて含まれた「Test & Goプラン」というプランがあり、ホテル側も受け入れ体制が万全な様子。予約をし、デポジットを支払うと予約確認書をメールで送ってくれます。1泊目はTest & Goプランにし、2泊目からは通常の朝食付きプランで予約しました。

タイランド パスはいつ届く?

タイランド パスの申請ページを見ると、出発7日前に申請するよう記載されています。申請から3~4日間ほど時間を要すのかな?と思い、早めに2名分を申請したのですが、ここでも予想外の出来事が発生。

今回、私(30代女性)と父(60代男性)の2名分を同日に申請したところ、私よりも遅くに申請した父の方が当日にタイランドパスの許可が下りたのです。一方、私の分は翌日という…、終わり良ければすべて良しですが、謎な結果でした。

タイランド パスは、それぞれの名前のもとに出発地、タイ到着日、申請日、滞在期間が5日以上/以下の情報が掲載され、QRコードでも読み取れるようになっています。メールで添付されて届くので、携帯からオフラインでも提示できるよう準備しておくか、印刷して持参します。

出発する時、日本の空港の対応は?

当日、JALでバンコクへ向かったのですが、チェックインの際は通常通り。タイランド パスの提示を求められることもなかったです。私はパスポートと一緒に印刷したタイランド パスを提出しましたが、JALの方は特にチェックするような素振りも見せませんでした。

タイに到着。入国までの流れ

JAL31便に乗り、羽田空港を11:15に出発し、同日の16:10にバンコク到着。飛行機の便は満席で、タイにお住まいの方々や駐在員が搭乗していた印象です。以前から同様の入国カードを記入し、入国審査の方へ進むと廊下には無数の椅子。

その先にスタッフさんが待ち構え、搭乗者一人ひとりにタイランド パスとパスポートを見せるよう案内されます。紙でもスマホの画面どちらでも提示できれば大丈夫。名前が合っているかなど、簡単なチェックだけで、すぐに通過できました。

その後、入国審査ではパスポート、入国カード、タイランド パスを審査官に提出。特に質問されず、指紋を親指以外の右手4本、左手4本を読み取ったら終了です。

ここからが違った!到着ロビーでのやりとり

バゲージクレーム(手荷物受取場)でスーツケースをピックアップし、カスタム(税関)も難なく通過。飛行機が到着してから30分ほどで、到着ロビーに出てくることができましたが、そこで待ち構えていたのが、横一列に並んだブースの数々。

ホテルの名前がブースに記載されていて、そこで自分の名前をいうと、送迎車に案内されます。ブースによってはホテル名も記載されていないので、旅行者は大荷物を持ちながら右往左往。手あたり次第に尋ねると、ブースの方たちが大声で正解の担当者を呼ぶので、辺り一帯は競り市場のような活気に包まれていました。

ブースで名前を確認したのち、担当者が送迎車まで案内してくれ、そのままホテルへ直行。空港前にはタクシーやら、ミニバンが勢揃いしていて、初めて見る光景でした。

ホテル到着後はどうなる?

日本帰国時だと抗原検査を空港内で行いますが、タイでは宿泊するホテルで行います。チェックイン手続きがすんだら、ホテルの一室へ。そこはベッドやデスクなどの家具がなく、防護服に身を包んだ方が1名待機しているという、専用のPCR検査場に一変してました。

喉と鼻から検体を採取され、検査自体は5分かからず終了。その後は自分が泊まるお部屋に案内され、検査の結果が出るまで待機です。結果が出るまで6時間前後かかると聞いていて、検査を受けた時点で時間は18時過ぎ。

ホテルはコロナ対策として、消毒液をエレベーター内に設置

今回の宿泊プランには、ホテルで利用できる500バーツ分の利用券も付随していたので、夕食のルームサービスに利用。このプランだと待機中の食事対策も抜かりなしです。

22時までに検査結果が判明すれば電話で知らせてくれますが、それ以降だとドアの下に結果通知が滑りこまれるとのこと。検査自体も夕方だったので、22時までには間に合わないだろうなと思っていたら、やっぱり翌日朝に封筒がドアの下に入っていました。

知り合いは深夜、ホテルに到着しましたが、その時でもPCR検査をするスタッフさんが待機していたとのことです。24時間体制でチェックイン後すぐに検査を受けられたため、検査結果は翌日朝には届けられていたということで到着時間による影響はなさそうです。

見てみると陰性とのこと。これで外出も可能です。タイの街中を歩いてみると、主に不織布のマスクをしていました。それ以外はレストランやマッサージ店もオープン。トゥクトゥクの運転手さんも客引きをしているので、マスク以外は見慣れた景色でほっと一安心です。

至るところにソーシャルディスタンスを保つための工夫を実施

タイ滞在中は専用アプリをインストール

待機中はモーチャナ(MorChana)というアプリのインストールを求められます。タイランド パスの情報を入力し、自分の顔写真も登録。そうするとQRコードが出てきて、自分のIDだと記載されていますが、今のところ提示を求められる機会はありません。

ホテルの方いわく、5日目に行う抗原検査の結果を写真で送る際に、そのアプリを通して提出するから5日目くらいに通知が来るのでは?と言われましたが、どうだろう?写真が送れなくても、ホテルにメールで提出すれば大丈夫という補足情報もいただいたので、旅行者の管理はホテルが担っているのかなと感じました。

5日目の抗原検査を経て

5日間以上、タイに滞在する人には義務付けられている抗原検査。鼻の粘膜を綿棒でこすり、検査液と混ぜて、リトマス試験紙のような検査キットに垂らすと結果が出てきます。陰性だったので、その結果を写真でパチリ。

モーチャナのホーム画面

特にモーチャナ(アプリ)で結果を送る場所がなかったので、写真を添付してホテルにメールしました。当日にホテルからも返信が来て、問題ないとのこと。「これで終わったー!」と束の間の解放感を味わっていたところ、モーチャナに通知が届いていることを6日目に確認。通知曰く、抗原検査の結果を通知に記載したURL先に送って欲しいということで、URL先を見たら写真データをアップロードできるページが出てきました。

これ、4日目の夜や5日目に送ってほしかったわーと思いつつも、ホテル側にメールで昨日送ったからホテルが対応するだろうと思い、通知を無視してました。しかし、6日目過ぎて7日目になってもアプリの後追いがやみません。

ホテルに問い合わせしたら、アプリでも検査結果を送ってほしいと連絡がきました。ちゃんと5日目に行動したのに一気に落第生になった心境。報告画面には、検査結果の写真をアップロードする欄に加え、結果(陰性か陽性)を選ぶ欄など質問が何か所かありました。

ここで苦労したのが、「Lab Number」。セルフの検査キットを使っているので、ラボ(研究所)ランバー自体が見つからず、かといって空欄だと結果が送信できないという八方ふさがりな状況に。そこで試しに「0000」と入力したところ、送信ができ、その後はアプリからも解放。後日、ホテル側に問い合わせしたところ「ATK(抗原検査キットの略称)」で良いと判明。ナンバーという単語にとらわれすぎてました。

コロナ渦でのバンコク

街中を歩くと全員がマスクをしていて、二重にしている人も多かったです。マスクがないとデパートやモノレールも利用できないので、日本並みに徹底している印象でした。マスクの種類は不織布が大多数。布マスクは少数派で、色は白や黒、薄い青の単色が多かったです。N95などEUで着用が義務付けられているガッチリマスクをしている人はいませんでした。

バンコクにあるレストランではアルコール含む飲食もOK。シラチャ―など郊外のデパートに入っているレストランだと、アルコールは提供していませんでしたが、それでも町中のレストランだと飲むことができました。

観光目的でも旅行者を受け入れ始めたタイ。以前とは異なる手続きがありますが、それでも訪問できるのはここ数年ではなかったこと。ぜひ参考にしていただき、タイの活気ある雰囲気を楽しんでください。