自宅が仕事場に、スーパーがレジャー施設に、そして旅行はダイヤモンドのような希少なものと化した2020年。多くの人たちが、“これまで”と“これから”を意識させられたのではないでしょうか。変わったものは何も私たちの生活だけではありません。そのなかには旅行者を受け入れていたホテルも。
今回、「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」で働く、並木さんと力丸さんのもとへ。ホテルは新宿駅南口から徒歩3分の場所に所在し、そのアクセスの良さから東京を訪れる国内外からの旅行者に重宝されてきました。
ホテルなのに宿泊しない!?新プラン
実は小田急ホテルセンチュリーサザンタワーは、2020年8月より新しいプラン「デイユースプラン」をリリース。それは従来の宿泊というホテルのサービスから脱却し、テレワークやワーケーションが謳われる環境に合わせて誕生したもの。最大12時間滞在できる9~21時のほか、最大6時間の9~15時、13~19時の3種類から滞在時間が選べます。
“東京ならではの景色を堪能しながら、高層階に自分だけの仕事場を持つ”…そんな夢が叶うのが、このプランの魅力。さらにデイユースプラン限定でレストランから熱々の食事を届けてくれるサービスなどの特典も多数。ルームサービスがなかったホテル側にとっては画期的な、利用者にとっては便利なプランになっています。
どの方角からも望める東京の街並み
19㎡のスタイリッシュなシングルルームは、ひとりで利用するには十分な広さ。ナチュラルカラーの家具に囲まれた空間に身を置けば、リラックスもできて、仕事のアイデアも浮かんできそう。また冷蔵庫・電気ポット・バスルームも完備で、部屋にこもって作業に集中できる環境が整っています。
作業に煮詰まったり、ひと休みしたりする際は、「ぜひ視線を窓の外へ向けてみてください」と広報担当の力丸さん。地上100m以上に位置しており、普段とは一味違う景色は心身ともにリフレッシュされるはず。
「昨年までフロント業務に携わっていたのですが、地上100mからの風景を見ながら仕事をするのが好きでした」と、自分の宝物を紹介するように窓から見えるエリアや建物を丁寧にひとつひとつ教えてくれました。
1名で利用する際、客室は新宿御苑や東京タワーなど都会らしい風景が特徴の東側もしくは、代々木公園が望める開放感たっぷりな西側のどちらか。2名の場合は西側もしくは、西新宿と東新宿を一望できる北側の客室になります。
「空気が澄んだ冬も景色が綺麗ですよ。ホテルの周りには高い建物がないので、遠くの方まで見渡せます」と、同じく広報担当の並木さん。デイユースプランは2020年12月末まで利用可能なので、定期的に訪れて季節ごとの風景や変化を見つけてみるという楽しみ方もできます。
作業の効率化を後押ししてくれるアイテム
横にのびたデスクは、ノートパソコン・資料・筆記用具を広げても、まだまだスペースは十分。近くにはデスクランプや電源もあるので、使いやすいです。
AIスピーカーが普及し始めた2019年に、小田急ホテルセンチュリーサザンタワーはホテル業界でいち早く全客室に導入。天気や観光情報を案内するほか、枕など客室のリクエストもスピーカーを介することでスピーディーな対応が可能になりました。ほかにも音楽を流すなど、使い方はさまざま。この機会に、仕事の助手として使ってみるのも、このプランならではの楽しみ方です。
デイユースプラン最大の魅力が「食事」
そして、デイユースプランの見どころといえば、このプランを利用した人のみ利用できるデリバリーサービス。朝食にぴったりなデニッシュをはじめ、ランチや軽食にぴったりなメニューが勢ぞろいしています。
実はオープン当時からルームサービスを実施せず、食事をとりたいときはレストランやラウンジに行くのがホテルのスタイルでした。しかし、デイユースプランだけは特別に客室に届けてくれるので、部屋から一歩も出ることなくホテルの食事を味わえるのです。
おすすめは、季節の野菜が彩りを添える「スパイシーカレー(ライス付き)」。以前はレストランにはなく、パーティーメニューのみで提供していたカレーは、リピーターさんからリクエストが来るほどの隠れた人気メニューだと聞きます。
ホテルならではの香料が効いたカレーに、とろっとろになるまで煮込まれた牛肉が加わって、ライスがすすみます。またパソコンの作業がしやすい、「ライ麦パンのアメリカンクラブハウスサンドウィッチ」も人気の一品です。
甘いものが欲しいときは「シェフパティシエ特製 季節のティラミス」を。夏は抹茶ベースの和のテイストで、さっぱりとした甘さのなかにマスカルポーネのクリーミーさが絶妙。カップの底に辿り着けば、柑橘類の後口さっぱりな酸味が加わり、一品で様々な味覚を堪能できます。
部屋の外で食事したい人にも特典あり
また食事の時間に場所を変えることで気分転換したい人も少なくないはず。デリバリーという特別サービスのほか、「サザンタワーダイニング」で優待を受けられるといった食事に関する選択肢が多いのも、このプランの嬉しいポイントです。
カウンター席もあるバルでは、おひとり様でも過ごしやすい環境。目の前に広がる東京の大パノラマを見ながらぼーっとする、そんな至福のひとときを過ごせます。
時代に見合った新サービス・プランを
従来のサービスとは異なる、今回のプラン。「色々な可能性を模索しながらも、お客様に最善なサービスを提供し続けていきたい」と、オープン当時から働く並木さんが力強く話します。
「ホテルは、お客様がご家庭のように寛げる場所であると同時に、非日常の空間も楽しんで頂ける場所。それを両立できるのがホテルだと思っていますから」
その言葉通り、プランはビジネス需要の枠を超え、バスターミナル「バスタ新宿」で長距離移動する人たちの束の間の休息場所として、またお子さん連れの方々が周囲を気にせずお喋りできる場として、様々な用途で使われています。
変わらないからこそ変わるもの
実はホテルの入り口に「歩み入る人に安らぎを。去り行く人に幸せを」のラテン語が刻まれています。教えてもらわないと決して気付かないメッセージは宿泊客ではなく、むしろ従業員に向けてのよう。「私がホテルで一番好きな場所です」と言った並木さん。そして、傍らで頷く力丸さんの姿からは全社員の気持ちが感じられました。
世界は否応なく変化を求められていて、それは私たちも同じ。しかし、根本となる核が確固であれば、変わらないものもあります。新たなサービスを生み出し続ける小田急ホテルセンチュリーサザンタワーですが、その源に訪れる人たちへの想いがある限り、“これまで”も“これから”も変わることなく、私たちにエールを送り続けてくれます。
<小田急ホテルセンチュリーサザンタワーの基本情報>
住所:東京都渋谷区代々木2-2-1
電話番号:03-5354-0111
アクセス:新宿駅南口より徒歩3分
https://www.southerntower.co.jp/