
世間では「障がい」と表現することが多いこの時代、あえて「障害」と大々的に記し、社会との関わり合いを投げかけている企業がいます。株式会社ヘラルボニー。その企業が主催する「HERALBONY Art Prize 2026 Exhibition Presented by 東京建物」が東京都大手町で開催中。2026年5月30日~6月27日 10:00~18:00の約1カ月間、オフィスビルには色鮮やかなアート作品が並び、誰でも無料で入場可能。一足早めに多彩な表現の波に圧倒されてきました。
枠にとらわれない作品が集う「HERALBONY Art Prize」

メインバンクの本社が立ち並ぶ高層ビル群。大手町はまさに日本経済の中枢であり、その一角の三井住友銀行東館1階 アース・ガーデンがアート展の会場です。世界中で制作活動に専念する総勢56名による全62点の受賞作品が一堂に展示されています。

作家さんたちの共通は障害のあること。しかし、作品からは一人ひとりの伝えたい熱意が込められ、ただただ目の前の唯一無二な世界に引き込まれます。国際アートアワードの「HERALBONY Art Prize」は、テーマを設けていないぶん、自分たちの表現が純粋に描かれているのです。
ヘラルボニーの原点は家族

アートを軸に多角的な事業を展開しているヘラルボニー。障害のある作家が描くアート作品を管理し、ロイヤリティを支払うことで、障害のある人たちがより活躍する土壌を築くとともに新たな文化創出を目指しています。

代表の松田崇弥さんと松田文登さんは双子の兄弟。彼らの4歳上の兄・翔太さんが自閉症で、周りから「かわいそう」といわれ、そんな世の中を変えたいと思ったのが創業のきっかけです。「異彩を、放て。」というミッションをもとに、アート作品に光を当て、企業とのコラボも手掛けています。
使命を生きる人たちが作る、まぶしい世界

2026年に3度目を迎えるHERALBONY Art Prize。77の国と地域、総勢1,342名の作家が作品を応募し、その数は3,000点にもおよびます。審査は数日間かけて、大きな倉庫を貸し切ったのだそう。その中からグランプリに選ばれたのがオランダ出身のカー・ハン・ムイさんです。

幸運にもムイさんが登場。先日の表彰式では人が多かったため、話すこともできなかったと聞きましたが、今回は少人数だったこともあり、ゆっくりと言葉を紡いでくれました。

マイクを持っても、すぐには話さず、その沈黙も周りが辛抱強く、笑顔で待っていたのが印象的です。せっかちでない世界が、もっと広がればきっと人はもっと穏やかになれるはず。働いている人たちがキラキラしていたのも素敵でした。自分の使命を知っているゆえの光なのかもしれません。もっとこんな仕事が増えたらいいのに。もっとこんな人が増えたらいいのに。そう思ってしまうほど、穏やかな世界の一片にふれることができた時間でした。